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戦闘

屋敷の入り口には、警備兵が、陣取っていた。

そして、敷地内に現れた4人に声を掛けて来た。


「お前達、何処から入ったんだ! ここはダイアン ホルン様のお屋敷だ!

 目障りだ、此処から出て行け!」


警備兵は、犬でも追い払うような仕草をした。


「ダイアン ホルンに用がある、そこを通して下さい」


「貴様は、何者だ」


「痺れ薬を飲まされた者です、お礼に来ました」


そう告げると、警備兵達は、慌てて距離を取った。


「全員、抜剣!」


「遅い!」


京太は、エクスカリバーで反撃の隙を与えず、全員を切り倒した。

扉を開け、屋敷の中を進んで行くと、メイドに出会った。


――この人は・・・


目が合うと、メイドも覚えていたようで、その場で膝を付いて頭を下げた。


「その節は、申し訳ありません・・・」


メイドは、怯えながらも謝罪を口にした。

京太も、あの時メイドが、挙動不審で動揺していた事を覚えていた。


――命令されたんだろうな・・・


京太は、メイドに話し掛けた。


「罪には問いません。

 その代わりに答えて下さい、、ダイアン ホルンは、何処ですか?」


メイドは、顔を上げて答えた。


「この先の奥から2番目の部屋です」


「ありがとう、それからこの屋敷から今すぐ離れて下さい。

 そして、戻って来てはいけません」


そう告げると、京太は、ダイアン ホルンの部屋に向かった。

通り過ぎていく京太に向けてメイドは、一礼するとその場を離れた。

部屋の前に辿り着くと、京太は扉を開けた。


「誰だ!」


突然開け放たれた事に驚いたダイアンは、怒気を強めた。


「貴様は誰だ!何の用だ!」


「覚えていませんか、彼女達と僕を」


ダイアンは、皆の顔を見た。

その瞬間、思い出したように『はっ!』とした。


「思い出しましたね、貴方が趣味で甚振った者達ですよ」


ダイアンは、表情を変えずに言い放った。


「貴族が平民を玩具にして何が悪い。

 こいつ等は、その辺りの虫と同じではないか」


押さえていた怒りが沸々と湧き上がってきた。


――こいつは、何処まで腐っているんだ・・・


ダイアンは、壁に立て掛けてあった剣を持つと、鞘から抜き、京太に剣先を向けた。


「貴様らは、ここで死ぬ事になる、この騒ぎを聞きつけて兵士達が集まって来るぞ」


京太が黙っていた為に、ダイアンは、勘違いをして調子に乗った。


「どうした!怖気づいたか、まぁ、今から謝っても許さんがな」


ダイアンは、そう言い放つと、嫌らしく笑った。


「グフフフッ、だが、女は、許してやろうかな・・・」


そう言うと、ソニア達に近づいた。

ソニアは、近づいて来たダイアンの腕を切り落とした。


「う、うぎゃぁぁぁぁぁ!」


「貴様は、絶対に許さん!」


「私の腕がぁぁぁ!」


腕を切り落とされ、泣き叫んでいるダイアンの元にソニアが近づいた。


「貴様のせいで私の仲間が2人死んだんだ」


「し、知るか、私は悪くない!」


必死に抵抗する言葉を吐いたが、ソニアに反対の腕を切り落とされた。


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」


両腕を失くしたダイアンの叫び声を聞いて、兵士を連れてダイアンの妻、マーレ ホルンが現れた。


「この者達を捕らえなさい!」


兵士に命令を出したが、兵士が剣を抜く前に京太が切り倒し、マーレを捕らえた。


「貴方も共犯です」


そう言うと、泣き叫んでいるダイアンの横にマーレを放り投げた。


「きゃぁ!」


放り投げられたマーレは、京太を睨んだ。


「こんな事をしてタダで済むとおもうのですか!」


「貴方達も、人を玩具にしてタダで済むと思っているのですか?」


「私は、悪くないわ」


「クオンの両親の事を忘れたのですか!」


「ふん!そんな事一々覚えていないわ、それよりももうすぐ兵士が来るわ。

 そうなれば、貴方達はお終いよ」


自信満々に告げるマーレに、京太は言った。


「彼らは来ませんよ、今頃、兵舎の下敷きになっていますから」


その言葉にマーレは動揺した。


「そ、そんなの有り得ないわ」


「事実ですよ、それよりもクオンの両親の事を思い出して貰えませんか?」


「平民の事なんて覚えていないわ」


――こいつも腐っているんだな・・・


諦めて、マーレに剣を持って近づくと、入り口から首輪を付けた腰布を巻いただけの大男が襲いかかって来た。


「うがぁぁぁぁ!!」


大男の狙いは、京太だった。

大男は、持っていた鉄球の付いた棒で、京太に殴り掛かったが、当たる事は無かった。


「お父様、お母様、大丈夫ですか?」


そう言いながら、入り口から入って来たのは、別の大男を連れた少女だった。


「この者達は、何者なのですか?」


レミーの問いに答える事は無く、マーレは、レミーに助けを求めた。


「レミー、この者達を殺しなさい」


「はい、お母様」


レミーは、スカートの端を持ち、華麗に一礼すると2人の大男に命令をした。


「ゼド、ギド、あの男を殺しなさい」


「ウガ!」


「グガ!」


大男達は、京太に向けて突進してきた。

京太もエクスカリバーを構え、大男達に向かった。

ぶつかると思ったが、何時の間にか京太は、大男達の後ろにいた。

お互いに背中を向けていたが、京太が振り返ると、大男達の上半身がずれて床に落ちた。


「次は、貴様だ」


京太は、レミーに剣を向けた。


「こいつ、何なのよ!」


捨て台詞を吐くと、逃げようとしたレミーだったが、京太の方が早かった。

持っていたエクスカリバーでレミーの首を飛ばした。

首を切り落とされたレミーの体は、数歩進むと倒れた。


「ひぃぃぃ!」


マーレは、娘が殺された事よりも、その光景に恐怖を感じて後退った。

そして、何かに当たり振り返ると、そこにはソニアが立っていた。


「仲間の仇を取らせてもらう」


ソニアは、マーレの心臓に剣を突き刺した。

剣を抜くと、マーレは倒れた。


ソニアは、その足でダイアンの元に向かった。

両腕を失くしたダイアンは、余りの出血の多さにショック死していた。


「致命傷になったようだね」


「そうね・・・」


ソニアは、憑き物が落ちたような表情をしていた。

その後、ソニアとセリカは、京太達と共に地下に戻り、仲間の死体を京太に預かってもらった。


「何処まで運んだらいいの?」


「近くの森にでも埋めてあげようと思っています」


「わかった、それまで預かっておくね」


「ご迷惑を掛けてすいません」


「気にしなくていいよ、それより、その後はどうするの?」


京太の問いに、ソニアとセリカは、顔を見合わせた。

クオンは、京太の服の裾を掴んだ。


「お兄ちゃん、一緒にいてもいい?」


「勿論だよ」


京太の返事に、クオンは安堵した。

その様子を見ていた2人も、京太について行きたいと言った。


「私達は、この辺りの地理に詳しいから役に立ちます。

 だから、ついて行ってもいいですか?」


「ああ、歓迎するよ」


「ホント! ありがとう!」


ソニアとセリカは喜んだ。


「京太さん、これから宜しくね」


4人は、一旦街を出ると、近くの森に行き、見晴らしの良い場所にアーノルドとイリーナを弔った。


「安らかに眠ってね・・・」


「助けられなくて、ごめんね・・・」


2人は、墓石に向かい言葉を掛けると、京太達の元に戻った。


その後、4人は街に戻り、宿を探した。

宿を探している最中に、市場に着いたので先に買い物をする事にした。


「先に、4人の服を買おう」


「でも、お金は?」


「ダイアンから貰った報奨金があるし、屋敷からも貰ったから大丈夫だよ」


京太は、全てが終わった後、1人で屋敷を探索し、金銭を没収していた。


「それ、貰ったっていうの?」


「うん、迷惑料だよ」


そう言うと、京太は、衣服を売っている店に入って行った。

4人分の服と靴を購入すると、店を出て武器屋に入った。

武器屋で予備の剣と魔法の杖を購入し、ソニアとセリカに武器を渡した。


「有難う御座います」


「これで、魔法が使えます」


その後は、食材を買う為に市場を散策する事にした。

市場を散策していると、京太は視線を感じた。

振り向くとそこには、ダイアンの屋敷で出会ったメイドが立っていた。


「あの・・・ごめんなさい・・・私・・・」



不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。

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