ニート、Amaz〇nのダンボールを受け取る。
入院なうです
異世界転生...
それはライトノベルを読んだ者なら誰しもが体験してみたい事柄である。
きっかけは何でもいい。魔女に愛されていたりだとか、間違えられてとか、ショック死で、とか。
何でもいいから体験してみたいものである。
こういうことを考えてしまうのはつまり、今の人生が退屈だということだ。
毎日昼過ぎに起き、コンビニ弁当を食い、PCをいじる。
もう飽きてしまったのだ。
まだかな?
親のすねをかじりまくった挙句ニートになってしまったわけだが、別に後悔をしているわけでもない。
俺が日々だらだらとしている中、多くの人たちが汗水流して働いていたり、勉学に励んでいる。もちろん罪悪感も湧くが、それ以上に自分がごく少数のニートとして生きていることに優劣感がわくのだ。
…まだかな?
今こうしてゲームパッドを握りしめ、血眼になって敵を撃ち殺している中でももちろんだ。
ちなみに、だが。
先ほどから俺が何を待っているかを知りたいだろう。ああ、わかっている。
それはおれがひっじょーに待ちわびているものだ。
これは俺のネッ友にも行っていないことだが、俺は素晴らしい買い物をしたのだ。
それはつい先日、いつものようにサイトを徘徊していると一つのポップアップ広告が表示されたときに、その広告サイトに載っていたものだ。
いつもなら胡散臭い広告は詐欺の可能性もあるので速攻で消すのだが、そのサイトに載っていたある文字がそれを許さなかったのだ。
それは———
ピーンポーン
「どーもぉ! 異世界宅配便でーすぅ! 上野田 正勝さん宛にお届けに上がりましたぁ!」
そんな一見どうなんだと言う宅配会社の名前の宅配員に名前を呼ばれ俺は先程まで血眼になってやっていたそれをほっぽりだし、玄関へ駆けた。
するとすぐさま、自分の操っていた兵士が撃たれ死んだ。
もちろん気にかける訳もなく、俺は玄関の前に立ち、
震える右手を何とかドアノブに掛けこれから始まる俺の新たな世界への扉を開けた。
「異世界GATEをお持ちしましたァ!」
そこには深くかぶった帽子とまるでレイピアを思い出させるような鋭い銀の長髪の少女が、ブラックホール――異世界へ通じるGATE――のようなものを目の前に出現させていた。
訳ではなく。
あのAmaz〇nから届くようなダンボールを両手に持ち、
「ハンコーここにお願いしますぅ!」
と元気よく仕事を行っていた。
多分ですけど飽きて続きません。