高校生活初日 序章
とても期間が空いてしまい申し訳ございませんm(_ _)m
これからはなるべく早く投稿できるように頑張ります!
2人暮らしが始まって1週間が経った。
今日は如月兄妹が通う事になる春華高校の入学式であり、2人は新入生だ。
新入生にとって、入学式は大イベントであり、入学式で高校生活が決まると言っても過言ではない。そう、友達作りである。何人作れるか、どんな人と友達になるかでこれからの生活が決まる。
中心グループと仲良くなることが出来ればその流れでどんどん友達が出来るだろう。妹は人付き合いが良いので1人や2人の友達や男友達まですぐに出来そうなのだが、俺は正直なところ人と話すのが苦手である。と言うより、1人が好きなのだ。1人でゲームしたりアニメやマンガを見たりしていた方が気が楽...という友達作りが苦手な人の典型的な言い訳はさておき...いや、さておくもなにもその典型的なパターンこそが俺なのだが。まぁそんな感じでわかる人にはわかるだろうが友達作りが苦手だ。
「せめて近くの席の人とは話して友達になろう!」
と着替えを終わらせて鏡の方を見ながらガッツポーズをしていると、リビングから
「お兄ちゃん!朝ごはんできたよ〜」
という声が聞こえた。声のする方に向かうとそこには制服に着替え、とても元気に料理皿を並べている夏希の姿があった。なんか付き合ってて同棲中みたいだなと俺は心の中で思った。しかも起床時は
「お兄ちゃん起きて〜朝だよぉ〜」
と言われた。お兄ちゃんの部分が名前呼びなら本当に同棲中の恋人である。
いやぁ、可愛い妹と2人暮らしとは実によい。
と、そんなことはさておき朝食だ。
朝食は白米、味噌汁、目玉焼き、ウインナーというテンプレの朝食セットだった。
母がよく作っていて、うちの朝食と言ったらコレ!となっていたのだが、2人暮らしが始まってからは朝食はパンが主食になっていた。
しかし、いつものとは違う違和感があった。
「ん?この味噌汁いつものと味違くないか?」
この言葉には2つの理由があった。
1つ目は、母が作ってくれた味噌汁は、味噌が少し濃く、なんか味噌汁本来の美味しさじゃないなって感じだった。
2つ目は前にも味噌汁を作ってもらった事があったのだが、その時とは比べ物にならないくらい美味しくなっているのだ。いくらバカ舌でも気付くくらい…
「なんでこんなに美味しいんだ?前まではここまで美味しい味噌汁作れなかったろ?」
と、つい本音が出てしまった。すると夏希が
「2人暮らしをすることになって、家事の担当決めた時に思ったんだ。料理担当になったからにはお母さん以上の料理を作ってあげたいって。だから、お兄ちゃんが外出してる時に練習したり本買ったりして頑張ったの。お兄ちゃんにはバレたくなくて…ホントにごめん!最近買い弁ばかりで。これからは美味しいご飯食べさせてあげられるように頑張るから!」
と言った。めちゃくそ嬉しかった。感謝、感激、感動である。
「そこまでしてくれたのか...ありがとな、夏希」
本当は長く感謝を述べたかったのだが、時間にあまり余裕がなかったので短く感謝を伝えた。残りのお返しは家事やらの手伝いで補う事にしよう。
そんなことを思いつつ、朝食を食べ終わった。
現在の時刻は7時20分、新入生は8時10分までに教室入りなので8時には着きたいところ。ここから学校への所要時間は駅までに徒歩5分、電車で2駅15分、そこから学校まで5分といったところで30分あれば余裕で着ける感じだ。ちなみに夏希も一緒に登校である。
こっち方面から来る生徒は居ないそうなので恐らくずっと2人で通学だろう。
学校では義理の兄妹としてしか説明する気は無い。
2人暮らしというのは秘密だ。仮に知られたら変な噂がたったり変に注目されるだろう。先生には知られているが生徒には言わないと約束してくれた。
ひとつ心配するとこがあるといえば、友達を家に呼ぶ場合だ。友達が家の中に入った場合、おそらく2人暮らしというのがバレるだろう。それはそうだ。家の中には両親の道具がないからである。
その時は観念して正直に話すしかないだろう。
そんなことを考えている間に出発にちょうどいい時間になった。俺はカバンを持ち玄関に向かう。そして靴を履きながら
「夏希!行く時間だぞー」
と2階に向かって声を発した。そしたら直ぐに
「今行くー」
と元気な声が返ってきた。
2人は家を出て、高校生活の第1歩を踏み出し始めた。
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