紹介してよ
「ねえ、だれか良い人いたら紹介してよ。」
私の一番の親友だ。
「いいよ。紹介してあげる。」
スマホをいじり、連絡先を確認する。
「ありがとう。で、どんな人なの。」
私は目を閉じて考える。
「どんな人だろう。まあ一言でいうとクズかな。」
酒タバコ、女遊びにギャンブルと、まあクズとピッタリだ。
「えー、そんな人を紹介しないでよ。」
人にものを頼んでおいて、贅沢な奴だな。
「じゃあ他の人を紹介しよう。」
私はスマホでアドレス帳を確認する。
「今度はどんな人なの。」
私は目を閉じて考える。
「どんな人だろう。まあ一言でいうとケチかな。」
とにかくケチだ。金の亡者と言うべきか。
「いやだ、まともな人にしてよ。」
「じゃあ60歳の人でいいかな。」
「いいわけないじゃない。」
まったく欲張りだ。
「じゃあ優しくてイケメンな奴を紹介しよう。」
「え、ホント。」
「本当だとも。モテるから、結婚を7回もしてる人だぞ。」
「どんなゲスよ。7回も離婚してるじゃない。」
まったく我儘だ。
「さっきから、まともな人を紹介する気ないじゃない。」
「仕方ないだろう。お前にお似合いの相手なんだから。」




