表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛綴り  作者: 茶太朗
79/91

普通

「私、好きな人がいます。」

 僕の恋は本を閉じるように簡単に終わった。

「どんな人なの。」

 女々しいのは分かっている。

 でもこのままでは終わりたくない。

 『どんな人』ではなく『どんなやつ』と言うべきだったか。

「普通の人だよ。」

 普通ってなんだろう。

 ここまでくるのに随分と時間が掛かった。

 それなのに普通に終わるなんて納得できない。

「普通ってなんだよ。」

 語気が荒くなってしまったことは、彼女が少しおびえた表情をしなくても分かっている。

「普通は普通だよ。君みたいに背も高くないし、頭もそれほどだし。」

 好きな人に褒められているのに、これほどまでに嬉しくないなんて。

「私なんかじゃなくても、君のこと好きな女の子はたくさんいるよ。君と話したら周りがうるさいくらいにね。」

 そんな言葉は聞きたくない。


「あなただけに好きになってもらいたかった。」

 言えなかった言葉は、当然彼女には届かなかった。


「普通ってなんだよ。」

 しつこいのは分かっている。

「普通は普通だよ。そばにいるだけでホッとするんだよ。」


 そんなの望んでも無理じゃないか。


 普通ってどうやるんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ