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太陽の恋
太陽はみんなの人気者です。
太陽に照らされると、心の中までぽかぽかしてきます。
みんな太陽に感謝していました。
太陽も注目されて満足でした。
あるとき太陽は、日陰に咲く一輪の花を見つけました。
花は弱弱しいながらも可憐な花を咲かせています。
太陽は、花に少しだけ近付いてみました。
花は太陽の光を浴びて、少し元気になりました。
太陽は嬉しくなり、もっと花に近付きました。
花は太陽の強すぎる光で弱ってしまいました。
太陽は花が心配で、さらに近付いてしまいました。
花はさらに強い熱にさらされ、枯れてしまいました。
太陽は悲しくなってしまいました。
気が付くと、太陽が見なくなった花以外は真っ黒になっていました。
そこで月が代わりに優しく照らしていました。
それを見た太陽は、腹を立てて月を追い払いました。
そして自分を見ろと言わんばかりに輝きを増しました。
でも、まぶしすぎて、誰も太陽を見ることはできなくなりました。




