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口の堅い彼女
僕は慎重派である。
何事にも幾重に考えを巡らせる。
僕には好きな人がいる。
僕は彼女と付き合いたい。
告白しよう。
そのリスクはなんだ。
断られることか。
そうなることで、今後彼女との関係性が悪くなる。
だが、今もほとんど会話がないから問題ない。
それから彼女の女友達にも知れ渡るだろう。
とはいえ、僕には女友達がいないから、それも問題にはならない。
男どもにも知れ渡るかもしれない。
いや、待てよ。
そもそも彼女が言いふらしたりするだろうか。
そんな娘だったら僕は好きになったりしない。
そうだ、彼女を信じよう。
「好きです。」「ごめんなさい。」
見事に玉砕、でも彼女は誰にもこのことを話はしなかった。
口の堅い彼女だ。
フラれたにも関わらず、ますます彼女のことが好きになってしまう。
ーこんな奴に告られたなんて恥ずかしくて誰にも言えない。
知らぬが仏である。
読んでくださり、ありがとうございました。
次回更新は19日の14時です。次回も宜しくお願いします。




