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マスクの君
彼女はいつもマスクをしている。
それでも彼女はとても美人だ。
吸い込まれそうな大きな瞳、整った鼻筋、長いまつげ、輝く黒髪、
どこをとっても申し分ない。
マスクの下がどうあっても、美人であることに変わりはないだろう。
僕は思い切って彼女に告白した。
「僕と付き合ってください。」
「私でよければおねがいします。」
僕はマスクの下の彼女が気になった。
「マスクを外してくれますか。」
「でも、みんな付けたままが良いって言うんですよ。」
しぶる彼女だが、無理いって外してもらった。
「やっぱり付けた方が良いね。」
そう、彼女は美人すぎるのだ。
口元くらい隠しておかないと気が気じゃないよ。




