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ふたご
僕のクラスには双子の女の子がいる。
それも飛び切りの美少女だ。
神様がいるならお礼を言いたい位だ。
だけど二人の見分けがつかない。
友達も見分けがつく奴とつかない奴がいる。
見分けがつく奴は『全然違う』と言うけれど、
どう見ても同じである。
それなのに、「好きです。」なんて言われてしまった。
「ごめん、君がどちらか分からないんだ。でも、君達のことをすごく可愛いと思っている。だから少し待ってくれないか。」
都合が良いのは分かっている。
でも彼女は黙ってうなづいてくれた。
だから僕は今まで以上に彼女たちを見ることにした。
そして分かった。
彼女たちを見分けることができる友達は、みんな彼女のことが好きだということに。
そして僕は未だに見分けがつかないことに。




