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恋愛綴り  作者: 茶太朗
32/91

俺は俺のことが嫌い

 俺は俺が嫌い。

 俺は俺の真っ直ぐで多い髪の毛が嫌い。

 だから強めのパーマをあてた。

 俺は俺の白い肌が嫌い。

 だから浅黒く日焼けした。

 俺は俺の真っ黒い髪が嫌い。

 だからハイブリーチをかけてみた。

 俺は俺の曲がった鼻が嫌い。

 だから鼻をハンマーで潰してみた。


 その時はよかった。

 でもすぐに元に戻ってしまう。

 俺は俺が嫌いなのに、嫌いな俺に戻ろうとする。

 俺は俺を消し去りたいのに。

 俺は俺を殺してしまいたいのに。


「あなたのことが好きなんです。」

 俺が嫌いな俺に告白してくる女がいた。

 俺が嫌いな俺を好きだという女のことは嫌いじゃない。

 俺は俺が嫌いなんだ。

 だから俺が嫌いな俺を好きだという女のことを

 とても


 とても


 とても


 とても


 殺したくなってしまった。

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