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恋愛綴り  作者: 茶太朗
25/91

私は彼の気持ちが分からない

私は彼の気持ちが分からない。

 同じクラスで席が隣、ただそれだけ。

「おはよう。」

「あ、おはよう。」

 今日は挨拶を交わした。

 昨日は一言も交わしていない。

 どうして挨拶したりしなかったりするのだろう。


「お、おはよう。」

「ん、おはよ。」

 今日は私から声を掛けてみた。

 でもどこか不機嫌だ。

 どうしてだろう。

 私から話しかけてはいけないのだろう。


「私はあなたが何を考えているのか分からない。」

「そりゃそうだろう、俺もお前が何考えてるかなんてわからないから。」

 そうだ、当たり前だ。

 分からなくて当然だ。

 彼だけじゃない、他の誰でも分からない。

 でも分かりたい。

 どうしてなのか分からない。

「当たり前だけど当たり前じゃないの。よく分からないけど分かりたいの。」

「それは俺も同じだな。」

 彼も私と同じ、私のことが分かりたい。

「それはどうして。」

「そりゃ好きだからだろう。」

 私のことが好き・・・


 ますます彼のことが分からなくなった。

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