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恋愛綴り  作者: 茶太朗
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桜になりたい

桜になりたい。


 年に一度咲かせるだけで、こんなにも人の心をつかむ。


 そんな桜に私はなりたい。



 憧れの先輩、


 遠くで見るだけで満足していた。


「いつも見てるよね。」


 そう言われてあまり見なくなった。


「最近見ないよね。」


 そう言われて見ることもできなくなった。


 私は見ているだけでいい。


 桜を見上げるだけでいい。


 桜になりたい、


 なんて私が思ってはいけない。


「そばにいてくれとはいわない。ただ遠くからでいいから見ていてくれ。」


 桜の下で先輩が言った。


 ただ遠くから見ている女、


 ただ遠くから見られている男、


 私はいつか桜になれるのだろうか。

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