表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

メガネ

作者: カムパネルラ

丸と丸でメガネ


四角と四角でもメガネ


三角と三角でもメガネ


隣の席の神崎は今日も一人でよくしゃべる


『横田くん。横田くんの眼鏡はどんな眼鏡?』

『俺のはフレームレスだよ。』



『ふーん。』



聞いた割には興味のなさそうな返事だ。

神崎いつもこうだ、話しかけてきておいて返事をすると聞いてるのか聞いていないのかわからないような態度。

俺のことなど眼中にない。


『横田くん、明日席替えだって。もう横田くんじゃ無くなっちゃうね。』

『そうだね。』

『そうじゃなくて、私の横田くんじゃなくなっちゃうねって言ったの。』

『もともと俺は神崎のものじゃないよ。』




『私の横にいる横田くんじゃなくなるねって言いたかったの。』

なぜか神崎はうつむいて言った。


『うん、そうだね。』

傷つけてしまったのだろうか。



『ごめんね神崎。大丈夫?』


『大丈夫じゃない。』

『保健室行く?』

『行かない。』


『じゃあどうしたらいいの?怒ってるの?』

『怒ってない。』


『じゃあ顔あげなよ。』

『やだ。』


『もうどうしたらいいの。』

『横田くんが私のものになったらいいよ。』



『どういうこと?』

『わかんないならいいよ。』


神崎は俺からメガネをとって走って行ってしまった。

視界不良のまま彼女を追いかけても見つからないかもしれない、だけど今の俺にそんなことを考える余裕などなかった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ