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流刑人形の哀歌  作者: 無暗道人
雨の戦場
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5・郷軍襲撃

 目が覚めた時、覚えの無い毛布が掛けられていた。

 ここ数日、(みさお)は睡眠時間を削って不寝番をしていた。誰に言われた事でも無く、自主的にした事だ。

 それでも少し無理をし過ぎただろうか、不寝番をしているうちにうたた寝をしていたらしい。

 時刻を知る事のできるものは無いが、火鉢の炭の燃えつき具合からして、夜半頃だろう。そう長く寝ていた訳では無い様だ。

 独特の寒気を感じて、厠に立った。本陣にしている建物は村の集会などで使う会堂なので、厠は無い。外に野営時と同じ簡易厠が設置されている。

 用を済ませて戻る時になって、操は妙な気配を感じた。

 人の気配。ただそれだけで、それ自体は妙ではない。だがそこに気配がある事自体が妙だった。

 安東(あんどう)軍の野営地や見回りは、規則に則って定められていて、必ず同じ時間に同じ場所に居る。今、気配の感じる場所には、誰も居ないはずだ。

 村人が何かの用事で居るという事もある。だがこの気配は、二・三人の物ではない。

 操は音を立てずに物陰を伝い、気配のする辺りの様子を窺った。

 十人や二十人ではない、もっと大勢の人間が集まっている。そして、手に手に武器を携えている。どの武器も、村の自警団が持てるような代物ではない。新品同然の、規格の揃った武器だ。

 自警団。それだ、それこそが間違いだったのだ。操は走った。音も無く闇を駆け抜けながら、全てがやっと解った。

 あれは、自警団などでは無い。彼らの身のこなしは、十分な訓練を積んだ正規兵の物だ。上辺は素人を装ってはいたが、細かい所に癖が出る。それが、操の感じていた違和感の正体だった。

 会堂に駆け込んだ操は、一瞬どうするか迷ったが、意を決して叫び声を上げた。


「敵襲! 敵襲!」


 辺りがにわかに騒然とする。まだ確定した訳ではないが、自警団が自警団で無い事は確信がある。ならば、構うものか。

 高星(たかあき)が寝室にしている、奥の一室に駆けこんだ。すでに高星は起きており、エステルも居た。


「何があった、操。敵襲と言ったな?」

「この村の自警団は、自警団じゃありません。正規兵の変装です。今、武器を持って集合してましたので、すぐにも襲撃を仕掛けてくるかもしれません!」


 言いながら、操は恐ろしい事に気付いた。あの偽自警団は、安東軍に戦い方の手ほどきを受けていた。つまり、こちらの手の内は知られているという事だ。


「敵襲! 敵襲!」

「起きろ! 武器を取れ!」


 悲鳴にも似た喧騒が聞こえてくる。どうやらもう敵は来てしまったらしい。


「高星、私から離れるな」


 エステルが高星を庇う様にしながら、窓の外をのぞく。窓は木製の格子戸と雨戸で、採光のために大きく取ってある。破って侵入するのは難しくないだろう。


「多いな、この様子だと囲まれてしまったか」


 エステルが苦々しげにつぶやく。


「布陣と兵の密度からして、百は居そうだな」


 高星も窓の外を窺い、兵力の見当を付けた。


「この建物は守りの役には立たん。突入されたら兵力差で押し切られるぞ」


 エステルがうめく様に言うが、高星は落ち着きを払っている。


「すぐに突入される訳では無い、前後の出入り口を固めろ。時間を稼ぎながら打開策を練る」


 高星の指示を受けて、裏口方面にはイスカを含む数人、正門方面には紅夜叉(べにやしゃ)を含む数人が向かった。この建物の出入り口は正門と裏口のみなので、しばらくは持つだろう。


「村の外に駐屯する部隊が駆け付ければ、どうという事は無い戦力だ。外の部隊が異変に気付くまで籠城するか?」

「いや、今日までずっと隙を窺ってきたのなら、見回りもすでに始末されているだろう。こちらは強者揃いとは言え、数ではおそらく三倍の兵力差だ、持ちこたえられるか解らん。

 なんとか外の部隊に異変を伝えなければ、こちらが先にやられると思った方が良い」

「なら全員で血路を開いて突破を図るか?」

「それも上手い手とは言えん。この村は村壁に囲まれていて、正門からしか出入りが出来ん。おそらく正門は、すでに別働隊が固めているだろう。

 ここを突破できても、正門を突破できずに手間取れば、追いつかれて挟み撃ちだ。全滅の可能性が高い」

「袋のネズミという訳か。くそっ」


 エステルが悪態を()く間に、会堂の外から喧騒と剣戟の音が響いてきた。ついに攻撃が始まったらしい。


「ともかく迎撃に当たれ。乱戦になれば勝ち目は無いぞ、絶対に踏み込ませるな!」

「高星、解っていると思うが、最悪お前一人でも逃げ延びる事が肝心なのだ。そのときは、決して迷わないでくれ」

「解っている。が、おめおめと負け戦の大将になってなるものか」


     ◇


 正門での戦闘は、攻め寄せるコルネリウス軍の『郷軍』の意に反して、安東軍の攻勢一方だった。

 いや、紅夜叉一人が『郷軍』に対して執拗に、単身突撃しては退く事を繰り返していた。

 正門の守備に参加していたジャンは、守る側が打って出ている限り、攻め手は攻められないのだという事を知った。

 『郷軍』の剣は闇を映して暗く、血に濡れた紅夜叉の太刀筋だけが闇の中に浮き上がっていた。その赤い刃が一閃される度に、また首が飛ぶ。

 二・三人を斬り倒すと一度戻り、『郷軍』が攻めに転じる様子を見せると、また単身斬り込んでいく。

 何度見ても見慣れない、紅夜叉の人を逸した阿修羅の戦いぶりに、敵はおろか味方さえも戦慄を覚えた。しかし、当の紅夜叉だけは違った。


 紅夜叉は困惑していた。死線が見えないのだ。以前は確かに見えていた、自分に押しかかってくる死が、見えない。

 その程度で不覚を取る様な腕はしていない。死が見えようと見えまいと、ただ最短距離で相手を殺せる様に立ち回るだけだ。

 だがそれだけではない。この戦場と殺戮こそが、自分にとって呪わしいまでに至上の快楽。それは今も変わりない。

 だが、だが何か満たされないのだ。雨の如く血を浴びても、心が歓喜に染まり切らない。僅かに心の一部がここに在らず、浮ついた感覚がする。集中できない。

 こんな事は初めてだった。一体自分はどうしたと言うのだ。少し前からその予兆はあった。妙に心がざわつき、イスカやジャンを必要以上に叩きのめしたりした。

 それも、戦場に立てばまた全ては修羅の快楽に染まり、忘れ去るだろうと思っていた。

 だがむしろ、心が快楽に染まったせいで、そうならない部分が際立ってしまった。

 なんだこれは。なんなのだこれは。他人には決して理解できない屈折を抱えて、紅夜叉はいつにも増して狂暴に血刀を振るい続けた。


     ◇


 暗闘と言う呼び名がふさわしい静かな、だが激しい戦いだった。

 攻め寄せる『郷軍』は異変を察知されない様、声を上げずに攻め寄せてくる。無言のまま襲い来るその様は、一種異様な迫力があった。

 その圧迫感のような迫力が、あらゆる方向から押し寄せてくるようになった。門からの突破が難しいと見た『郷軍』が、窓を破っての突入を試み始めたのだ。


「まずいぞ高星、防衛地点が多くなれば、いつまでも持ちこたえられない」

「仮に窓を死守できても、この建物じゃ大槌でもあれば、壁をぶち破って突入できるだろうな。


 騒ぎが大きくなるのを嫌って、火を掛けられないのが救いか」


「今はまだ火を掛けられていないが、いつまで躊躇(ためら)っているか解らんぞ。連中、松明を持っている」

「松明……それだ! 私の弓を持って来い、それと操を呼べ」


 狭い建物である。弓と操はすぐにやって来た。


「操、お前なら村壁くらいは軽々越えられるだろう? 村壁を越えて、外の部隊に援軍を要請しろ」

「お安い御用です。でもそれには、この包囲を突破しないといけません」

「それは、私が何とかしよう」

「高星さんが?」

「まあ、見ていろ」


 高星は矢を(つが)え、格子窓の隙間から敵を狙った。


「暗がりでもこの距離だ、外しはしない」


 闇を貫く飛翔音がしたのは一瞬の事で、射抜かれた兵が松明を落とし、地に倒れ伏した。


「次」


 高星が二の矢を放つ、またしても松明を持った兵が、胸を射抜かれて絶命した。第三射は、眉間の寸分違わず真ん中だった。これも、松明を持った兵だ。


「明かりを捨てろ! 狙われるぞ!」


 立て続けに三人、松明を持った兵を射抜かれて、『郷軍』は悲鳴に近い声を上げてあわてて松明を投げ捨て、火を消した。辺りが闇に包まれる。


「こっちはよし。この調子で全ての明かりを狙い撃つ。暗闇に紛れれば、突撃の際に一人くらい紛れても気づかれないだろう。

 正門方面には紅夜叉が行っていたな、あいつに先導してもらえばいいだろう」

「お見事です、高星さん」

「称賛の言葉は、無事に生き延びてからにしておけ。後は頼むぞ。私の命運、お前に預けた」

「はい!」


 気合のこもった声とともに一礼して、操は正門の方へと駆けて行った。その後姿を見ながら、エステルが少し羨ましそうな表情を浮かべる。


「不謹慎とは思うが、この様な窮地で高星の命運を背負えると言うのは、羨ましく思うよ」

「何があろうと私を守ってくれるのだろう? 私は十分お前に自分の命を預けているつもりだ」

「いざとなったら私が三十人くらい道連れにして、道を開いてやる。紅夜叉とイスカが居れば、村の正門に待ち伏せが居ても切り抜けられるだろう。

 多少約束を違える事になるが、高星を守り切れるのならば、私の身も命も捨てて惜しくは無い」

「……時々思うのだが、お前は自分の全てを私に重ねすぎると思うぞ」

「何分性分でな。自分の力を自分のために使った事が無い」

「それはどうなのだ、人として」

「好む好まぬに関わらず、大きな力、特異な力を持った者は、己のために力を使えば居場所を失う。そういうものだ。

 高星だって人の事は言えんだろう。棟梁としての責務に全てを捧げる事を、自分の存在意義だと考えている節があるのではないか?」

「私が望むのは、もっと自分のために生きても良い国なのだがな」

「そう言う国を創るために、己の全てを捧げる。目的のためならば、手段を問わぬのは当然だろう?」

「違うな。目的のために、有効ならば、手段を問わぬのだ。下手にあくどい手を使って、無用な敵を増やしてしまう様な手段を取るのは、賢い選択と言えん」

「なるほど、目的のために有効ならば、か」

「無駄話はもう終わりだ。次の攻勢を掛けてくる気配だ」

「安心しろ、闇夜の中での戦いは、私の方がずっと上手だ」


     ◇


 明かり持っている者は、誰も居なかった。

 中天を過ぎた月はまだ沈んではいないが、一切の明かりを消した中では、人間の輪郭しか判別できない。

 敵味方が判別できるのは、建物の内と外という、はっきりと別の場所に居るからだ。居場所で判断している様な物だった。

 安東軍の居場所。会堂の正門内側では、操が作戦についての説明をしていた。


「――と言う手筈で、私が敵を突破して援軍を頼むという作戦なんだけど」

「なら、突っ込むのは人数が居た方が良いな。俺と操以外に、付き合おうと言う奴は?」


 紅夜叉が見回す。誰もが俯きがちに目を逸らした。操を突破させて援軍を頼むには、できるだけ大人数で突撃を掛けた方が成功率が高い。

 それは理解していても、この闇夜に乗じるとは言え、数で勝る敵に突撃を掛ける。しかも、同士討ちの可能性もある乱戦に持ち込むのが望ましいとなれば、躊躇(ちゅうちょ)しない方が無理と言うものだった。


「ま、それならそれで、俺と操だけでやるだけだ。別にこんな戦いは、初めてでも無い」

「待った、俺も行く。操ちゃんだけに、危険な事はさせられない」


 ジャンが顔をやや引きつらせながら名乗りを上げた。


「無理するな。震えてるぞ」

「闇討ちで良いんだろう? それならむしろ、まともな戦より慣れてるくらいだ」

「好きにしろ。どのみち俺は同じ様にやるだけだからな」


 言葉はそっけないが、紅夜叉はどこか嬉しそうな、楽しんでいる様な風だった。

 ジャンが引き金になって、他にも名乗りを上げる者が出る。最終的に、紅夜叉とジャンを含めて五人が、操を離脱させるために突撃する事になった。


「こういう場合は、同士討ちを防ぐ目印か、合言葉を用意するもんなんだがなぁ」

「即興で、敵に読まれない様な合言葉が思いつくなら採用すればいいだろう。あるなら、な」

「悪かったな。ねーよ、ありませんよ、思いつきませんよ。ほっとけ」

「ええっと……じゃあ皆さん、よろしくお願いします。安東家の、私達のために」


 紅夜叉を除く四人が、険しい表情で肯く。紅夜叉を先頭にして、操を囲む形で突撃の隊形を取った。

 紅夜叉が、前触れも無く飛び出した。操が遅れずにその後に続く。他の四人は少し遅れたが、遅れが遅れとして出るより先に、敵の中へ飛び込んだ。

 闇夜の乱戦の中でも、紅夜叉の居場所だけは良く解った。そこだけ桁違いの惨劇が巻き起こり、近づくだけでも危険な空気が肌を焼く。

 逆に、操の存在はすでに闇に溶けてしまった。時折どこからか飛来する黒塗りの苦無は視認できず、敵兵が勝手に倒れた様に見える。

 濃紺の装束に身を包んだ操は、完全に闇と同化してしまった。全くの暗闇ではない、僅かに月明かりの有る様な闇の中では、黒い色はそこだけ穴が開いた様に目立つ。

 濃紺の装束は、僅かに光のある闇の中で、完全に溶け込んでいた。

 逆に漆黒の親衛隊制服を着ていたために、ジャンの姿は闇の中で妙に浮き上がってしまっていた。

 しかし姿が浮き上がっても、それが誰であるか。もっと言えば、敵味方を瞬時に判別できない。そのため戦闘に際して一瞬の時間を得た。この一瞬が大きかった。

 数の多い『郷軍』側は、人影を見てもまず同士討ちの可能性を考えざるを得ない。それに対して安東軍側は、ごく単純な確率の問題として、同士討ちをそれほど恐れずに戦える。

 その結果『郷軍』は、襲われない限り相手が味方かもしれないと考えて、慎重に見極めようとする。

 一方ジャンは、おそらく味方ではないと判断すれば、あやふやな可能性でも、同士討ちの不安無く襲い掛かる事が出来る。ジャンが睨んだとおり、一方的な闇討ちだった。

 それども徐々に厳しくなってきた。動きの違いを見極められて、じりじりと包囲の輪を狭められた。

 操の為にはできるだけ粘りたいところではあるが、耐え切れずにやむなくジャンは会堂正門へと退いた。これ以上は自分が危険だ。

 紅夜叉を除く他の三人も、ほぼ同じくして退却してきた。やはり、兵力差が厳しい。

 やれるだけの事はやった。後は、操の成功を信じて耐えるしかない。


     ◇


 戦況は、悪化の一歩を辿っていた。すでに数か所の窓が破られ、窓枠に足を掛けて侵入を試みる敵を突き殺して防ぐと言う状態だった。


「一向に減る気配が無いな。しかもどこに集中してくるか解らん。包囲された側の辛い所だな」


 高星が剣先の血を拭いながらぼやく。


「今の倍くらいの数が突入を試みたら、止めきれるか解らんぞ」


 エステルの声には鬼気迫るものが滲んでいる。


「援軍は来る。そう信じている。後はどれだけ粘れるかだ。腹をくくれ」


 貧弱な防御とは言え、打って出るよりも籠城した方が被害は少ない。しかしあまり籠城しすぎて消耗すると、いざ敵を突破するとなった時、成功率が下がる。

 援軍が間に合うと思うのなら、耐え続けた方が良い。間に合わないと思うのなら、少しでも余力のあるうちに突破を図った方が良い。

 しかし援軍が間に合うかどうかを判断する材料は時間しかなく、時間が経つほどに間に合わない可能性は高まるが、消耗もする。いつ、どちらに見切るかは、賭けに近かった。

 だが高星は操を、もっと言えば、駆け付けるであろう部隊、それまで持ちこたえてくれるであろう親衛隊、それら全てを信じて、最後まで籠城を続ける事を選んだ。


「なら応えねばなるまい!」


 主君から全幅の信頼を置かれた。エステルにとって、それは望むべくも無かった喜びであり、全力で応える以外の選択肢など、あるはずも無い。

 エステル剣が、闇の中の影を貫いた。

 地を震わせるような喚声が聞こえた。近づいてくる。剣戟の音が、会堂の四方で鳴り響きだした。高星の安否を問う声が聞こえる。


「どうやら命拾いしたようだな」


 高星もさすがに安堵の息を吐いた。


「もう大丈夫だろうが、外はまだ敵がいる。私が代わりに高星の無事を伝えて来よう。頼むから大人しくしていてくれよ」

「解っている。ここに来て闇討ちで死んではたまらん」


 高星は手近なところに有った椅子に腰かけた。油断無く剣は抜身のまま、床板に突きたてる。

 夜が明ける頃には、百人余りの屍が積み重なっていた。流れた血を吸って、村中の地面がどす黒く染まっている。


「この有様では、村民も信用ならんな。すぐに離れた方がいいのではないか? 高星」

「武力や権力には頭を垂れるしかできない民衆を責めたところで仕方が無いさ。だがここを離れるべきだと言うのはそうだろうな。このまま終わるとは思えん」

「まだ何かあると?」

「忘れたか? ミタク城にティトウス率いる千五百騎が、すぐにでも出陣できる備えで入っている。おそらくもうこちらに向かっているだろう。この奇襲は、それに合わせての襲撃と考えるのが自然と言うものだ」

「騎兵のみならば、今日中に敵が現れてもおかしくは無いな。すぐに戦か」

「……果たしてこれで終わりだろうか。こんな手の込んだ事をするなら、徹底的に策を積み上げるものではないか……?」


 疑念を覚えながらも、高星は目の前に迫っているであろう会戦の備えに専念するより他に無かった。

 血を吸った地の上を吹く風が、嫌になるくらい生臭かった。

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