第32話「迷路の中の2人」
ゴダーイがDr.ミーヤス開発の黒いメタリックアーマーを纏い、MSカオスダークに変身した。
その圧倒的力の前に、敗れてしまった恭一郎と翔。
その後、MS秘密基地に戻った2人は治療を受けて、雪乃が作ってきたアップルパイを食べながら身体を休ませていた。
麗「まさかゴダーイがメタリックソルジャーになるなんて…。」
恭一郎「Dr.ミーヤスだったっけ?雨宮博士を使っているから、メタリックアーマーの知識が多少あってもおかしくないぜ。」
翔「それに俺と幸平さんのソルジャーコマンダーから得たデータもあるんだ。それを元に作ったに違いない。」
麗「ゴダーイも警戒しなきゃいけないけど、カオスダークが加わったウォーレンスはいつにも増して攻撃してくるかもしれないわ…。」
恭一郎「あぁ…だからこそだ!より一層気を引き締めていかないとな!」
翔「もちろん。次は負けない!」
強大になるウォーレンスに対して、恭一郎も翔もより一層気を引き締めて行く事を決めた。
鋼鉄戦記メタリックソルジャー
第32話「迷路の中の2人」
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サタンウォーレンス「はっはっは!まさかゴダーイがメタリックソルジャーになるとはなぁ。」
キングウォーレンス内、メタリックソルジャーの力を手に入れたゴダーイにサタンウォーレンスは満足していた。
ギーン「父上、ゴダーイの事を随分気に入っておられる…!このままではゴダーイに良い所を持っていかれてしまう…!」
だがギーンはこのままではゴダーイにいい所を取られてしまうと、焦っていた。
ギーン「だがメタリックソルジャーの2人は負傷して、十分に癒えていないだろう。倒すなら今のうちだ!メイキュウレンス!」
メイキュウレンス「はっ、お呼びでしょうか?」
負傷している今のうちにメタリックソルジャーを倒そうと、ロボット戦闘獣メイキュウレンスを呼び出すギーン。
ギーン「メタリックソルジャーを我々の手で倒そう!そうだ、ブロードにメリッサよ、協力してくれ!」
メリッサ「私はパース。忙しいから~。」
ブロードとメリッサにも協力を頼むが、メリッサは興味を持たずに部屋にこもる。
ブロード「メリッサの奴…最近部屋に閉じこもる事が多くなってるな。俺はいくぜ!」
ギーン「よし、行こう!」
ギーンとブロードはメイキュウレンスと共に作戦を実行する事にした。
翌日、恭一郎は工事中のとある土地に来ていた。
恭一郎「…まだまだこれからかな。」
麗「暁くん、これは…?」
気になって着いてきた麗は恭一郎に何なのかを聞く。
恭一郎「これか?実は密かに自分の店を建てようと準備してたんだよ。まだ工事中だけど、そのうちここに店を建てるつもりだ。」
麗「ここに、暁くんの店が…?」
恭一郎「あぁ、ウォーレンスを倒したら、ここで本格的に始動するつもりだ。」
恭一郎はウォーレンスの戦いが終わったら、自分の店を始めようとしていて、コツコツ準備を進めていたのだ。
麗「そうなんだ…暁くん、夢があっていいね。」
自分の夢を語る恭一郎を見て、麗はどこか嬉しそうだった。
麗「そういえば、何の料理の店にするの?」
土地を確認した後の帰り道、麗は恭一郎に何の料理の店にするのかを聞く。
恭一郎「それはな…ん、誰だ!?」
恭一郎が話そうとしたその時、後ろから気配が。
メイキュウレンス「見つけたぞ、ヒートフレイム!」
恭一郎「ウォーレンス!?」
メイキュウレンス「迷宮光線、発射!」
恭一郎「うわっ…!?」
麗「なっ…!?」
そこに現れたのはメイキュウレンスで、恭一郎と麗に迷宮光線を浴びせる。
光線を受けた2人はどこかへワープさせられてしまった。
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恭一郎「…っ、ここは…?雨宮!おい!」
麗「ん…っ、ここは一体…?」
2人が気付いた時には、大きな壁が辺りにある、まるで迷路のような場所にいた。
恭一郎「まるで迷路の中のような…。」
ギーン「その通りだよ!」
恭一郎「この声…ギーン!」
そこから聞こえて来るギーンの声。
ギーン「貴様達はメイキュウレンスの体内にある迷宮迷路にいるのさ!」
麗「迷宮迷路…!?」
ギーン「果たして、無事に脱出できるかな?」
メイキュウレンスの体内にある迷宮迷路に連れてこられた恭一郎と麗は閉じ込められたのだ。
恭一郎「あの光線…そういう効果があったのか…!」
麗「どうする、暁くん…?」
恭一郎「もちろん、さっさとここから脱出して返り討ちだ!」
何とか脱出せねばならないと迷路を走り出す恭一郎と麗。
恭一郎「次は右か…うおっ!?」
麗「これは…!」
だが、迷路の中では壁から槍が飛んできたり、火炎放射が来たりと、様々なトラップが仕掛けられていた。
麗「何というか、典型的なトラップが至る所に…。」
恭一郎「こうなったら、変身して突破するしかない。メタリック…アァァァップ!」
恭一郎「…あれっ!?変身できない…!」
麗「まさか、妨害電波が発生しているんじゃないかしら?ソルジャーコマンダーの音声認識を妨害させられているんだわ…!」
恭一郎は変身しようとするが、迷路の中に強力な妨害電波が結界となっており、変身できない。
恭一郎「くっ…変身できないなら仕方ない。いくぞ雨宮!」
麗「うん…!」
恭一郎は変身できないまま、麗を守りながら出口を探す。
ギーン「ふん、いつまで持ち堪えられるかな…?」
メイキュウレンスと共に恭一郎達の状況を見るギーンとブロード。
ブロード「まずはヒートフレイムか。」
ギーン「じわりじわりと弱らせてくれる。変身できないまま持ち堪えられないだろう。」
ブロード「ん…何か来るよ。」
そこへギーン達出現の報せを聞いて出動していたブラストスコードが到着。
翔「ギーン、ブロード!恭一郎達はどこだ!」
中から降りてきた翔はギーンから恭一郎と麗の事を聞く。
メイキュウレンス「奴らは俺の体内の迷宮迷路さ!」
ギーン「奴らはそのうちくたばる。貴様もここでくたばれ!」
翔「そうはいくか!メタリック…アァァァップ!」
電子音「Soldier Change Blast-Aqua!!」
2人を救うために翔はMSブラストアクアに変身。
ブラストアクア「アクアスナイパー!はああっ!」
アクアスナイパー片手にギーン、ブロードに挑む。
ブロード「うらあああっ!」
ブラストアクア「ぬっ…!」
ギーン「うらっ!」
ブラストアクア「ぐあっ…!」
善戦するものの、ギーンとブロード両方を相手にするのは厳しく、苦戦してしまう。
ブラストアクア「くっ…幹部2人相手は流石に…!」
ギーン「速攻でトドメを刺してやろう!」
ブラストアクアに対して、ギーンは一気にトドメを刺そうとする。
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クールアイアン「ソルジャーボーガン!」
ギーン「ぐあっ…貴様は…!」
攻撃しようとしたギーンに攻撃が当たる。
攻撃をしたのはMSクールアイアン。クールフォーミュラで到着してすぐにソルジャーボーガンで撃ったのだ。
ブロード「クールアイアン…!」
ブラストアクア「来てくれたのか、光希…!」
アリスブロッサム「あたしもいますよ!はっ!」
さらにアリスローダーでMSアリスブロッサムも駆け付け、ブロッサムトンファーを装備して飛びかかり、加勢する。
ギーン「貴様ら…!」
クールアイアン「はっ!翔、この2人は自分達が!」
アリスブロッサム「今のうちにウォーレンス怪人を!」
ブロード「くっ…離せ…!」
ブラストアクア「よし…!」
クールアイアンがギーンを、アリスブロッサムがブロードと戦っている間に、ブラストアクアはメイキュウレンスに迫る。
メイキュウレンス「うわっ、こっちきた!?」
ブラストアクア「覚悟しろ!うわっ…!」
だがそこへゴダーイが出現、リボルバー5で銃撃して進路を阻む。
ゴダーイ「おっと、邪魔はさせないぞ!」
ブラストアクア「ぐっ…ゴダーイ…!」
ギーン「ゴダーイ、貴様…!」
ゴダーイ「私も参戦させてもらう。メタリックアップ!」
電子音「Soldier Change Chaos-Dark!!」
カオスダーク「リボルバー5!」
ゴダーイはMSカオスダークに変身して攻撃してきた。
ブラストアクア「ぐあっ…こんな時に…!」
一方、メイキュウレンスの迷路では恭一郎と麗が出口を探していた。
だがなかなか見つからないまま時間が過ぎる。
恭一郎「くっそ、全然出口が見つからない…雨宮…!?」
麗「はぁ…はぁ…。」
長時間走り回った結果、麗の体力も限界に近付いていた。
恭一郎『そうか…俺と体力差もあって、体力が尽きかけてるんだ…!どうすれば…。』
麗「暁くん…私を置いて出口を探して…!」
焦る恭一郎に、麗は自分を置いて出口を探すように言う。
恭一郎「おまっ…何言ってるんだ!」
麗「体力のない私が着いて行っても足手まといになるわ…。暁くん一人でも戻ってウォーレンスを倒して…!」
恭一郎「おい…諦めるなよ!お前がいなきゃ誰がメタリックソルジャーのみんなをサポートするんだ!諦めるな!」
恭一郎はそんな麗を励ます。
麗「暁くん…!」
恭一郎「お前の事は、俺が…俺達が守る!共に支え合ってウォーレンスを倒すんだ!だから…絶対諦めるな…!」
麗「…!」
その言葉に勇気づけられた麗は再び立ち上がる。
麗「ありがとう…弱気になっていたわ。私も負けない…お願いね、恭一郎くん!」
初めて恭一郎を下の名前で呼ぶ。
恭一郎「…!あぁ、俺の方こそな、麗!」
それに対して恭一郎も、初めて麗を下の名前で呼んだ。
2人は迷路進行を再開していく。
恭一郎「うおっ…剣!これだっ!」
恭一郎「ぬんっ!とああああっ!」
途中の剣が飛んでくるトラップで剣を一本手にした恭一郎は、次々とトラップを破っていく。
恭一郎「見えた…もうすぐ出口だ!」
麗「うん…あっ!」
出口が目前となったが、そこへ甲冑を着た騎士が待ち構えていた。
恭一郎「麗、下がっていてくれ!うおおおおお!」
甲冑騎士「消去!消去!」
恭一郎「うわっ…剣が…!」
恭一郎は戦うが、騎士が持つスピアーの前に剣は破壊されて、危機に陥る。
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ブラストアクア「ぐあっ…!」
クールアイアン「ぐっ…!」
アリスブロッサム「きゃっ…!」
同じ頃、カオスダークの猛攻にブラストアクア、クールアイアン、アリスブロッサムも苦戦を強いられていた。
クールアイアン「くっ…まさかこれ程までの力とは…!」
アリスブロッサム「何か、実力差開かされ過ぎたって感じ…?」
ブラストアクア「くそぉ…!」
恭一郎「うわあっ…!」
一方、甲冑騎士相手に大ピンチの恭一郎。
甲冑騎士「消去!消去!」
恭一郎「くっそ…どうすれば…!」
麗「…!恭一郎くん、右肩にヒビが!」
恭一郎「ヒビ…あっ!」
麗が甲冑騎士の右肩甲冑に一か所ヒビが入っている事を教える。
恭一郎「あの甲冑は…そうか、折れた剣先があのヒビを作ったのか…ならっ!」
甲冑騎士「消去!消去!」
恭一郎「うおおおおおおおおおらっ!」
それを聞いた恭一郎は折れた剣を右肩のヒビに向かって突く。
甲冑騎士「消去…!消…去…!」
恭一郎「くらえええええええええっ!」
そして、そのまま剣にキックしてめり込ませ、甲冑を破壊した。
恭一郎「はぁ…はぁ…!やったぜ麗!」
麗「恭一郎くん…!」
恭一郎「よし、脱出だ!」
恭一郎は麗を連れて出口へと走った。
メイキュウレンス「ん…ぐあああああ…!」
そしてメイキュウレンスの中から脱出成功した。
元の場所に戻った恭一郎と麗。
恭一郎「脱出…できた!」
麗「よ…良かったぁ…。」
ギーン「そんなまさか!?」
ブロード「まさか、脱出するなんて…!」
ブラストアクア「恭一郎!」
カオスダーク「ほぉ…!」
恭一郎「みんな、待たせてすまん!麗、隠れてるんだ!」
麗「うん!」
麗は恭一郎から離れる。
恭一郎「メイキュウレンス、この借りは倍返しさせてもらう!メタリック…アァァァップ!」
電子音「Soldier Change Heat-Flame!!」
ヒートフレイム「真っ赤に滾る正義の炎!メタリックソルジャー!ヒィィィトフレイムッ!」
メイキュウレンス「ぐっ…!」
ヒートフレイム「いくぞぉぉ!」
恭一郎はMSヒートフレイムに変身して、戦いに加わる。
カオスダーク「おっと、そうはいかないぜ!」
ヒートフレイム「ゴダーイ…!」
メイキュウレンスを攻撃しようとするヒートフレイムの前に現れるカオスダーク。
ブラストアクア「うらっ!」
そこへブラストアクアが飛び込んで乱入して、カオスダークを抑える。
ヒートフレイム「翔!」
ブラストアクア「行け恭一郎!お前が決めて来い!ゴダーイは俺達で食いとめる!」
ヒートフレイム「…わかった!」
ブラストアクアはヒートフレイムを先に行かせる。
カオスダーク「お前一人で私を止められるかな?」
クールアイアン「おっと、自分もいるぜ!」
カオスダーク「2人か…かかってこい!」
ブラストアクア「いくぞぉ!」
クールアイアンも加わって、2人でカオスダークを食い止める。
ヒートフレイム「フレイムブレード!ライジングソード!」
ギーン「おっと、俺達もいるぞ!」
ブロード「邪魔はさせん!」
フレイムブレードとライジングソードを構えたヒートフレイムの前に現れるギーンとブロード。
ヒートフレイム「頼む、美琴!」
アリスブロッサム「もちろん!ソルジャーアタックカード、装填!」
電子音「Alice-Blossom Soldier Attack!!」
ギーン「何だとぉぉぉ!?」
アリスブロッサム「必中!トルネードトンファァァァァァッ!」
ギーン「ぎゃああああ…!」
ブロード「ぐあああああ…!」
そこへアリスブロッサムが「必中トルネードトンファー」を放ちながら飛びこんで、ギーンとブロードにダメージを与えた。
ブロード「くそぉ…!」
ギーン「覚えていろ、メタリックソルジャー…!」
ダメージを受けた2人は退散していく。
メイキュウレンス「えっ、ギーン様、ブロード様…そんなぁ!」
アリスブロッサム「恭一郎さん、今よ!」
ヒートフレイム「おぉ!とああああああっ!」
メイキュウレンス「ぐあああああ…!」
ヒートフレイムはメイキュウレンスに怒涛の連続攻撃を仕掛けて圧倒する。
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メイキュウレンス「ぐぅ…!」
一方的に攻撃されて怯んだメイキュウレンス。
ヒートフレイム「トドメだ!フレイムツインブレイバー!オーバーフレイム!」
ヒートフレイムはフレイムブレードとライジングソードを合体、フレイムツインブレイバー「オーバーフレイム」へと合体させる。
ヒートフレイム「ソルジャーアタックカード、装填!」
電子音「Heat-Flame Soldier Attack!!」
ヒートフレイム「はああああああああっ、フレイムツインビクトリーフィニィィィィッシュ!」
メイキュウレンス「ぐあああああ…!」
必殺技の「フレイムツインビクトリーフィニッシュ」を放ち、メイキュウレンスを撃破した。
カオスダーク「メイキュウレンスは倒されたか。」
メイキュウレンスが倒された事で、カオスダークは戦いを中断。
ブラストアクア「ゴダーイ…!」
クールアイアン「自ら戦いを止めるか…。」
カオスダーク「敵ながら、お前達の不屈の闘志は見事だ。また戦おう!」
不屈の闘志を見せるヒートフレイム達を称賛して、カオスダークは退散した。
恭一郎「はぁ…今日はキツかったなぁ…。」
翔「同感だ…。」
光希「だが、カオスダークの力は厄介だな。」
美琴「あたし達も修行よ、修行!」
麗「恭一郎くん!みんな!」
戦い終わった恭一郎、翔、光希、美琴の元へ駆け寄る麗。
恭一郎「おぉ、麗!」
麗「みんな、お疲れ様!」
翔「あれっ、何か2人呼び名変わってない?」
光希「そういえば…。」
美琴「もしかして、閉じ込められている間何かあったの…?」
翔達3人は恭一郎と麗の呼び名が変わっている事に驚く。
恭一郎「うーん…一緒に命懸けの脱出をした仲ってやつかな?」
麗「そういう事ね。」
今回の件で、ますます絆を深めた2人であった。
続く
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次回予告
遥か宇宙から伝説獣、グレートフェニックスとハイパーシャオロンが地球に降りて来た。
遭遇した恭一郎達だが、同時に2体を狙って現れた宇宙ハンターのバルドとロガウゾと戦う事になる…!
次回、第33話「宇宙の伝説獣」




