プロローグandシリーズ紹介
ある世界の青年が異世界に迷い込んだ。
その青年は少し変わっている。容姿、頭脳、身体能力。どれをとっても完璧だった。いや、『完璧すぎた』。
だからこそ、その青年は世界からも親友だった者達からも『化け物』として迫害され、心を、溺愛していた妹を失う。
だがしかし、それでも彼は歩みを止めなかった。誰かが自分を貶そうと、誰かが自分を傷つけようとも、彼は自分が思う『善』であろうとする。
それでも彼は助けた者達からも最後には罵声と暴力と共に離れられ、彼は孤独になった。
それが何度も、何度も、何度でもといわんばかりに重なり、彼の心に大きな穴を開けた。
そのせいで本来あったはずの心、感情をひとつ失う。『罪悪感』だ。涙を流すことも、心が傷つくことも、後悔も、悪びれることも決してない。好奇心と偽善だけに自分の生き方を見出し、定まることなく世界を揺蕩う。
「化け物……、最高の褒め言葉ですね」
彼は『罪悪感』の穴を本来無い『偽善』という心で埋めた。
偽者の善良者。自分で彼はそう言ったと同時に自分のことを『化け物』と見る。
人間には過ぎた五感の超感覚。それを生かすように鍛えられた過剰な身体能力。それを得るために失った寿命と言う時間。どれもこれも人間には当てはまらないものばかりだ。
「止まってしまった時間は動くことはありません。しかし、止まる筈だった時間を止めることをせずに動かすことはできましょう」
彼の最後の生きがい。それが好奇心と偽善。その為には完璧な『化け物』になる他に無かった。
「私には後悔はありません。全ては可能性であり、それを選んだのは間違い無く私ですからね」
だから彼は異世界に自ら迷い込んだ。今日もどこかで自分の好奇心を満たす何かを見つけるために。
青年、『神路魔 黒己』。彼は自分の『特徴』を余すことなく『特化』した化け物な『執事』。
……――特徴特化執事。
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さて、はじめましての方は始めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。Raja&Yでございます。
さて、本小説は特徴特化†執事の主人公が主人公の物語ですが特徴特化†執事を見て居ない方でも楽しめるよう、書きて行きます。
本作品を進めながらこれからは特徴特化†執事の定期更新を目標にがんばります。
次回予告
「説明と、あとは異世界を少しですね」
「目指せ5000文字以上、って事でとっとと書け」
「まぁギター練習と平行してですねぇ」
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