「戦隊ヒロインにだって準備は必要です!」の巻 1
自サイトより転載。
サイトにupしたものをいろいろ改変してるので、そのうち別モノになりそう……
爆音。そして、悲鳴。
突然爆発したビルに驚き逃げ惑う人々。
そんな人々に笑いながら攻撃をするグロテスクなエイリアン。
平和な街で突然起こった非常事態に人々は混乱し、恐怖した。
何が起こったのか、正確なことはわからないままただ逃げる。
逃げる。
逃げる。
逃げる。
「あっ」
その時、一人の少女が足元の石に躓いて転んでしまった。
運の悪いことに、エイリアンの目の前で。
その距離数メートル。
エイリアンが手を伸ばせばすぐにでも届く距離だ。
「あっ、あっ、あっ……」
少女は恐怖に見開かれた目で辺りに助けを求める。
どうやら、転んだ拍子に腰を抜かしてしまったらしい。
だが、周囲の人々は自分が逃げるのに必死で誰も少女のことに気づいていなかった。
「…………」
エイリアンが、にやりと笑う。
手が、ハサミ状のエイリアンの手がまっすぐ少女の首元に伸びてきた。
あと、2メートル……1メートル……50センチ……30センチ……
「っ…………」
少女は死を覚悟し、かたく目をつぶった。
しかし、いくら待っても“その時”が訪れる気配がない。
不思議に思った少女が目を開けると、目の前にいたのはエイリアン、ではなかった。
おそろいの衣装に身を包んだ6人の女性。
その女性たちが少女を守るように立っていた。
「ぐぇぐぇぐぇぐぇぐぇぐぇ」
さっきいた位置よりも数メートル少女から離れた場所でエイリアンが苦しげな声を上げる。
その、怒りに満ちたエイリアンの視界にはもはや少女の姿はなく、あるのは自分に攻撃をした6人の女性の姿だけだった。
「早く逃げて」
赤いジャケットの女性がエイリアンから視線を外さないままで少女に告げる。
少女は、こくん、と頷くとなんとか立ち上がり、エイリアンがいるのとは反対方向に走り出した。
「ぐぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
エイリアンが雄たけびを上げる。
周囲の窓ガラスがその声で割れたが、6人の女性の表情は変わらなかった。
「チェンジフォーム、スタンバイ!!」
青いジャケットの女性が、右手を左肩のあたりに持ってきて叫ぶ。
他のメンバーも同様に右手を左肩のあたりで構えた。
「「「「「チェンジフォーム、スタンバイ」」」」」
「「「「「「セットアップ、シンレンジャー!!」」」」」」
まばゆい光が辺りを包みこむ。
その光が消えた時、そこには6人の“戦士”の姿があった。
「電光石火、シンレッド!!」
「威風堂々、シンブルー!!」
「大胆不敵、シンイエロー!!」
「有言実行、シングリーン!!」
「絢爛華麗、 シンピンク!!」
「行雲流水、シンシルバー!!」
「敵を蹴散らし、」
「自分の道を作り出す!!」
「悪に染まった者どもよ」
「我々の前に、」
「ひれ伏すがいい!!」
「清福戦隊!!」
「「「「「「シンレンジャー!!」」」」」」