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魔族LOVE!!  作者: Auguri
初めての異世界
8/10

愛の共同作業

 町を出てから、魔界を目指して歩いている。

最初の町を訪れて以降、ずっと森ばかりで他の町を一切見ていない、なんなら人すら見ていない。

魔界までの道中は、戦闘が主なので気にする必要ないと思うが。


「たつき疲れたか?」


「まだ大丈夫だよ! ここら辺に魔物っているの?」


「ああ、いるぞ。トロールやウルフがいっぱいだよ。」


「それなら、鍛えるのにピッタリだね! ちなみに一人で倒せる?」


「うーん技術がそもそもないし、無理だ。ウルフに関しては、集団でいるから囲まれたらお終い。

トロールは、スピードが遅いからそこを突けば可能性はある。でも、たつきは強くなりたい訳じゃないでしょ? 最低限の自分の身を守れる程度なら練習には良い。

……あっ、ちょうどいいタイミングで来てくれたよトロールちゃん!」


「えっ! 今!? 心の準備が……! ちょっと武器ないけど良いの!?」


 10m前方に、見上げるほどに大きな魔物がいる3mはありそうだ。全身濃い緑色で、案の定大きなこん棒を持ちだらしないお腹……トロールだ。

 こちらを見つけると、ゆっくり歩いて向かってくる。地面の揺れと共に冷汗が止まらない。足がガクガク震えて死を覚悟する。熊に出会った事はないが、多分こんな気持ちなんだろう。鍛えるのにピッタリなんて言ってごめんなさい。

 スクーラは、私の後ろにいる。そこから指示を出すようだ。


「そのまま正面を見て! 私が合図するから、そのタイミングで動いて! お前なら行ける! やれば出来る!」


「えっ? あっ……分かった!」


「はい! そこ! 右! 次は後ろにバックステップ! 棍棒を振ったら前進して股潜り! そのまま後ろから金的!!」 


「うおぉぉぉぉぉ!!!」


 死ぬ気でただ、言われたことを頑張ってこなした。一応、私が死ぬ可能性もあったのに良く出来たものだ。最後に後ろから全力で蹴りを入れると、柔らかい感触とともに、物凄い痛そうな声が聞こえる……。思わず同情してしまう。金的痛いよな……。自分もつい股間を抑えてしまった。いきなり3mのトロールと初戦で武器なしで戦った挙句、反則ともいえる技で倒してしまった。厳密には、最後スクーラが心臓を貫いて止めを刺してくれた。


「覚悟は、しっかりあるようだな!さすがだ。初戦でここまで動けるのは凄いぞ?トロール相手にこれなら問題ないな。」


「いやいや……。言われた通りに、動いただけだから出来たんだよ。」


「うんうん。さて!! 今晩の夜ご飯はこのトロールにしよう!!しっかり食べて体力付けようね。トロールクッキング!」


「テンション高いときに申し訳ないけど、トロール食べるの? ゴブリンの時あんまり美味しくなかったけど。」


「正直、あんまり美味しくない。たまに胃袋から人間出てくるし。でも大丈夫愛の力でカバーだよ!」


 全くフォロー出来てない回答と同時に、手慣れたナイフ捌きでトロールを切っていく。

お腹周りは脂肪が多めなのでそこは食べない。食べるのは腕と足で一番身が引き締まっている。

切り終わったら、いつの間にか用意されていた焚火に肉を炙っていく。今回は特別に塩がついている。

炙られた肉を私の口元に持ってきた。今回もあーんをさせるらしい。


「ほら……食え!このあーんで愛の力の完成だ。」


「拒否権ないから、食べるよ……。淡泊な味わいではあるけど、ゴブリンの時よりも肉厚で美味しい。」


「そうだろう?私にもあーんしてくれ。ほら。」


「はいはい、どうぞ。」


「うん!いつも通りのトロールだな。でもいつもよりも美味しい……。これは愛。」


「いやそれ絶対塩のおかげ。」


「はぁ?愛って言え。」


「愛という名の塩です!」


 微笑みながら、首を腕で締め上げてきた。密着してる分いい気分だが、このままだと昇天してしまう。

でも、これは塩のおかげなんだと意地でも認めない。認めたら愛という理由だけで、色々な不味いものを食べさせてくるに違いない。 


 食べ終わり、互いに寝る前の挨拶を済ませ抱きしめられたまま寝た。


「おはようたつき。」


「おはようスクーラ。」


「……なんか不機嫌?」


「いつも通りだ。魔界まであと少しだから早歩きで行くぞ。」


「ごめん……塩じゃなくてスクーラの愛だったよ。」


「よし許す。」


 機嫌が治った事を確かめた後、彼女の隣にきて手を繋いだ。





「さぁ!着いたよ。魔界へようこそ!」


 あれから道中の魔物を倒し、休みながらもやっと魔界のゲートに辿り着いた。大きなゲートの向こう側はブラックホールのように全く先が見えない。周辺には何もなく、周囲20mくらいはただの平地。ゲートが特別なものだと感じさせてくる……はずだった。ゲートの上部には魔界へようこそ!とポップ調にな感じで書かれた看板があったのだ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

スクーラとイチャイチャしながらもやっと辿り着きました。魔界に着くまでもう一回戦闘シーンを軽く入れてもいいかなと思いましたが、あんまり戦闘は必要ないので省きました。

やっとこれで一章が終了です。

二章からやっとメインの魔界になります。

たまに人間界の話も出てくるかと思います。

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