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魔族LOVE!!  作者: Auguri
初めての異世界
5/10

最初のあーんはゴブリンの味

 かれこれ数時間歩いてからスクーラが聞いてきた。


「そういえば、見たこともない恰好してるけど何処から来たんだ?人間界では見たことない服だな……明らかに戦闘服ではないだろう。」


「そういえば話してなかったね。まぁ……こんな事があったんだよ。」


 この世界に来た前後の話をした。パートナーに噓をつく理由もないし、いずれ話すことになるからいいタイミングだった。服装もスーツのままで、明らかにこの世界と似合わないから逆に目立ってしまう。


「たつきは別の世界から来たんだな。だから、私が目の前に居ても驚かずにいるのはそれが理由だったか。合点がいったよ。でも、そのお陰でたつきと付き合えてよかった。」


 納得した表情でニコニコし、さりげなく腕をぎゅっと引き寄せてくる。

現世での行いが、この世界で報われているような気がした。


「幸せなのは嬉しいけど、本当に良かったの?こんな簡単に付き合ってしまって……勿論私も、彼女が出来て嬉しい。で、結局スクーラって何歳なの?」


 正直、半ば勢いで付き合ってしまい焦ってはいる。会って数時間しか話してない相手で、まだ他に彼女のことを知らない。一番気になっていた疑問をぶつけた。


「……たつき今から死にたいか?それとも、墓に行きたいか?私がしっかりと土に埋めてやろう。それとも……火炙り派か?」


 一瞬の無言が流れた途端、彼女がナイフを取り出しニコニコしながら私の首筋に刃を当てる。


「いやいや!!よしてくれ!死ぬのも墓も一緒だよね!?現世で、結婚をしたことがない上に付き合ったことさえないんだよ……。初めてのパートナーに殺されるなんて嫌だぁぁ!!」


「初めてなのか!?そうか。良い事を聞いたな、私が初めての彼女か。ふふ……。」


 さっきまでの殺意溢れる言動が嘘の様になり、可愛い笑顔をしている。

さらに強く抱きしめられ、そのまま頬にキスをされた。


「んっ…そうだよ!初めてなんだよ。だから恋愛も現実でしたことがないんだ。」


 あと少しで、肋骨が折れそうになりキスでの余韻よりも骨折の心配が勝っている。

もう金輪際、年齢の話はしないようにすると決めた。気になるけど……絶対に。


「私が恋愛を教えてやるから安心しなよ。それに、たつきは大丈夫だと思うよ嘘つかないし良い奴だと思う。まだ会ってから短いけど、これだけは自信を持って言える。」


 顔を上に持ち上げられながら両手で包み、じっと見つめられる。スクーラの紅い瞳に吸い込まれていきそうになる。


「うっうん……。スクーラ好き。」


 自然と言葉が漏れてしまった。今まで、告白もされたことがないから全く耐性のない私にとって真っ直ぐな言葉は刺さる。それに照れすぎて今、正直顔を見られたくない。


「私も好きだぞたつき。ちょっとまて……私達の邪魔をする者がいるから後ろに下がっていろ。」


 強く抱きしめて、額にキスをする。もう歩いているのか、キスしてるのか分からない。

いつの間にか辺りも暗くなり静寂となった。スクーラが急に周囲を見回し警戒し始め私を後ろに下げた。


「やっとスクーラの戦闘が見れるんだな?強いと言ってたから期待してるよ。」


「任して!彼氏に良いところ見せてやるよ。」


 距離からして数十メートル向こうから、草むらが動き身長は小学生くらいの魔物が複数こっちに歩いて向かってくる。月に照らされたそれは5体のゴブリンだ、彼女はナイフを手にし体制を整える。

さっきまでイチャイチャしてたと思えないくらい真剣な眼差しで敵を見つめている。彼女の背中が本当に頼りになる…私もこれくらい頼れる男になりたい。


「私たちの…大事な時間を潰して生きて帰れると思うなよ雑魚がぁあ!!」


ゴブリン達が行動する前に彼女は正面へ突進する。確実に首を跳ねていき、木の棒を振られてもそれを敢えて手で受け止め顔面を殴り倒す。戦いというよりも苛立ちをぶつけてる様に見えて彼女が怖くなってきた……。これがレベル差というのか、あっという間に倒し切ってしまった。


「たつきどうだった?私は強いだろ!?まぁ……ゴブリン相手だから相手にもならないけどな。

いい食材も出来たし今晩は此処で飯にするか!!ゴブリンは雑食だからあんまり美味しくないけどお尻や頬肉は食えるぞ。」


 そういうと、笑顔の彼女は慣れた手付きでゴブリンを解体し始める。部位ごと切り分けて食べやすいサイズにカットする。耳は討伐の証になるので袋に入れて保存するらしい。胃袋からは謎の肉と野草が多くあった確かに雑食のようだ。肉を枝に刺して準備しておいた焚火に炙り始めた。かなり多くの肉があった筈だが美味しい部位は少ないようなので焚火に放りこまれている。


「強かった!!流石スクーラだよ。うん、歩いていただけなのにやっぱりお腹空いてきた……。

へぇーゴブリンって食べられるんだ……てっきりそのまま放置するのかと思った。」

彼女を称えながら、炙られているゴブリン肉を見つめそう呟いた。焼けている肉から独特な臭いがするのだが大丈夫なのか。


「ふふっ!まぁーあんまり食べることないよ今は食べ物が少ないからね。でも、今食べてる

部位は比較的美味しいほうだから安心してよ。ほら食べてみ?」


 ニコニコなスクーラは、丁度焼けたゴブリン肉をあーんしてきた。初々しいあーんがゴブリン肉なんて嫌なので口を開けずに少し抵抗をした。だって嫌だもん。それでも、変わらず頬に肉を押し付けてくる。


「ちょっとこの臭い独特で食欲失せるよ……。それに初あーんがゴブリン肉で良いの!?もっとデザートとかいい肉とかであーんしない?その方がいいと思うんだ!!!スクーラもそう思うよね?彼女からの願いだよ?受け取ってくれる?」


 必死に懇願した、絶対ゴブリン肉で初あーんを迎えたくないそれに関係を築いてから初の晩御飯なのだ。

もっとマシな形で迎えたい。


「折角、彼女が守って倒したのに食べてくれないの?デザート?じゃぁ……年上からの命令だ♡食え♡」


 片手で、口を掴まれて無理やり口を開けられそのままゴブリン肉を突っ込まれてしまった。

命令どころか強制的に口に入れられて、力の差にショックを受けながらも肉を嚙み締める。

シチュエーションは、いい雰囲気だったのに食べ物が違うだけでこんなにも気分が変わると初めて知った。


「んんっ!?あれ意外と食べられる……淡白な味わいで……何故か食べたことがあるような…。んん?」

何度も嚙み締めて飲み込んだ後、スクーラから水をもらった。


「気づいた?最初に出会った時にあげた肉はゴブリンだよ!ビックリした?」

いつの間にか隣にきてくっついたまま二人で一緒に肉を食べていく。


「やっぱりそうだったか…。うん、ビックリしたよご馳走様。今晩は一緒に寝るんだよね?」


「勿論、一緒だよ恋人なんだから。こっちおいで、ぎゅっとしたまま寝よっか。離れていると何あるか分からないし、たつきは多分ゴブリンよりも弱いかもしれないから気を付けないと。おやすみたつき。明日は、目的地に着くと思うからもう少し歩くよ。」


 私を、抱き寄せてスクーラに後ろから包まれた状態で寝ることになった。身長差もあるしこれが一番安牌だろう。


「そうだよ、ご馳走様は食べ終わった時にいう言葉。おやすみスクーラ。」


 彼女に包まれていると、とても落ち着く最後に挨拶をして明日に備える。


ここまで、読んで下さりありがとうございます。

一話分ほとんどイチャイチャでしたね……! 羨ましくて仕方ないです。

身長差カップルって大体男性が高いほうですけど、逆は殆ど見ないですよね。

もう少し早く着く予定だったのですが、おしゃべりが止まらなくイチャイチャも相まって長文となってしまいました。

初めての戦闘シーンもありましたが、相手がゴブリンなのとアクションはメインではないので略しています。

次はやっっと目的地に着きます。お楽しみに!

ちなみに、主人公はリアルで恋愛はしていませんが、ネット上ではしていました。ただ、それをいうとややこしいのでカウントしていません。


訂正)結婚ではなく付き合い設定で進めています。

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