69:溺愛タイプだ!!!!!!
さすがに。
さすがにですよ。
あんなに何度も優しくキスをされれば。
これは現実だと気づくことができた。
現実だとハッキリ認識しても。
身も心もフワフワと雲の上を歩いている心地だった。
“君待ち”をプレイをしている時。
ノア王太子がこんなに溺愛タイプだとは気づいていなかった。
とにかく誰もが憧れる王子様。
女子の夢を詰め込んだ王子様。
優しく、ハンサムで、その上……溺愛タイプだったとは!
正直。
嬉しくてたまらない。
なんてラッキーと小躍りしたくなるぐらいだ。
ひとまず花火そっちのけでイチャイチャしてしまったが。
変わらず清い関係は維持されている。
あんなにいい雰囲気だった。
それに何度もキスもしている。
そのままベッドになだれ込んでもおかしくないのに。
などど心の中で思っていますが。
いざそうなったら、大パニックだろう。
だから……。
うん、今のままでも、まぁ。
……。
うーん、なぜだろう?
ベッドから起き上がった私は。
寝間着のまま正座をし、腕組みをして考え込んでいるが。
窓からは清々しい朝陽が差し込んでいる。
昨晩のあれやこれやを反芻している場合ではない。
すると絶妙なタイミングでミレーユも部屋にやってきて、私は身支度を始めることになった。
朝食をとり、準備が整ったら、宮殿に戻ることになっている。
ノア王太子と私は馬車で。ルドルフはクロッカスに乗り、賢者アークエットはレブロン隊長と共に転移魔法で戻ることになっていた。宮殿に戻ったら、そのまますぐノア王太子と一緒に帰陣の儀に臨むことになっている。その後はまずは国王陛下夫妻と謁見。続けて国王陛下夫妻を含む王族や宰相ら共に昼食をとり、ノア王太子はそのまま帰還パレード。さらに帰還祝賀の夕食会からの舞踏会が予定されている。
なんというか、つい先日、婚姻の儀式が行い、祝賀に関するあれやこれやを経験したのだけど。今度は帰還ということで、またもや祝賀ムード。お祝いしてもらえるのは嬉しい。だが多分、来週には秋祭りがあり、瘴気もくるわけで……。うん。予定が盛り沢山。とても忙しい。このままでは私とノア王太子の清い関係は……まだまだしばらく続きそうな気がする。
「サラ様、大丈夫ですか?」
優しくミレーユに声をかけられ、我に返る。
「はいっ! 問題ないです。ドレスも、髪も、お化粧も。完璧に仕上げていただき、ありがとうございます!」
私の言葉にミレーユは綺麗な笑顔になる。
改めて、姿見で確認する。
髪は編み込みでハーフアップ。
ドレスと同色のリボンで留めている。
お化粧はナチュラルに、でも目元は少しパールをのせ、明るくなるようにした。
ドレスはもちろん、ノア王太子の瞳に合わせたコバルトブルー。
胸元は、煌めくビジューと、ノア王太子の髪色と同じ、アイスシルバーのレースで飾られている。ウエストには、上質な光沢を放つシャンタンのリボン。アイスシルバー色のこのリボンは、流れるように飾られ、ひと際目を引く。華やかであり、上品で、やはり賢者アークエットが用意するドレスは……素晴らしい。
早速、皆で朝食をとるダイニングルームへ向かった。
精霊王、ルーナ、ノア王太子、賢者アークエット、レブロン隊長、ルドルフ、そして私でとる初めての朝食。用意された食事はどれも美味しく、またそこでの会話はとても楽しく、そして名残り惜しいものになった。
ノア王太子が瘴気に触れたと知り、ここに来た時は。
このメンバーでこんな風に食事ができるとは、想像していなかった。だからこそ感動もひとしお。食事の後は、何度もルーナとハグをし、別れを惜しんだ。
すべての準備を整えると、いよいよ精霊王の館を出ることになる。
あの螺旋階段を降りると、そこには白馬がひく、コバルトブルーの馬車が用意されていた。ちゃんと王家の紋章も飾られており、感動してしまう。
馬車のそばにはクロッカスがいたので、私は御礼の挨拶に行く。クロッカスは私の無事の姿が見れたことに、大喜びだった。本当に、クロッカスは可愛い!
「ではまたお会いしましょう、ノア王太子様、サラ王太子妃様」
精霊王の言葉に、ノア王太子と私は馬車へ乗り込む。
馬車に乗り込んだノア王太子は。オリエンタルブルーの軍服にスカイブルーの王家の紋章入りのマント姿だった。オリエンタルブルーの軍服を着ているのは初めて見たが。純白の軍服もいいが、この色もとてもいい。引き締まる色なので、ノア王太子がいつもよりキリッとして見える。
純白の軍服姿のノア王太子はまさに優美な王子様。
オリエンタルブルーの軍服姿のノア王太子は凛々しい指揮官。
どっちもいい。
まとう軍服の色で異なる表情を見せてくれるなんて最高。
しかもノア王太子は無敗の王太子なのだから。
「サラはとてもいい笑顔をしていますね。宮殿に、王宮へ戻れるのが嬉しいですか?」
「いえ、私はノア王太子様といられるのが嬉しいです。それに今日の軍服もとても良くお似合いですから」
ノア王太子は私の言葉に目元を赤くし、照れ笑いをしている。
え、ノア王太子も照れるのね、と感動してしまう。
ノア王太子ほどの美貌であれば。
散々褒められ、称賛され、慣れていると思ったのに。
なんだか親近感がわくと思っていたら……。
「ここから先は精霊の姿もなく、民家もなく、自然の景色が続きます。護衛についてくれた精霊騎士は、前後で騎乗でついているので、誰にも見られません」
うん? 誰にも見らない? 何を?
「これで存分にサラに甘えられますね。わたしといられるのが嬉しいだなんて。この軍服が似合っているなんて。そんなわたしを喜ばせる言葉を言われたら……」
そう笑顔で囁いたノア王太子は。
二人きりの馬車の中で、言葉通り存分に私に甘えた。
間違いない。
ノア王太子は……溺愛タイプだ!!!!!!
本日公開分を最後までお読みいただき
ありがとうございます!
次回は明日、以下を公開です。
11時台「素敵なドレス」
12時台「二人の騎士団長」
では皆様にまた明日会えることを心から願っています!









































