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短編ホラー  作者: タロさ
2/2

始まりの物語2

あきらは、病院に運ばれた。

学校には、警察もやってきて事情を聞くが、生徒たちの証言に信憑性を欠いた。


「突然、生徒が消えたり、目を抉り食べたなんて・・・・・」


「一度、カウンセラーを呼んだ方が、いいかもしれませんね」


生徒たちの様子から、警察は、ある程度の捜査と、

指紋採集を終えると帰って行った。


その日は、午後から休校となり、生徒たちは、帰宅の途に就いた。

帰り道、土手で座り込む、しずかとようこ。


彼女たちは、さとしのクラスメイトだ。

先程の出来事を体験し、1人になるのが恐ろしくなり、

2人で、土手にしゃがみこんでいた。


「今日の事、どう思う」


「・・・・・・わからない」


「そうだよね、でも、さとしの復讐だったら、どうする?」


「復讐?」


「うん、今までの仕返しというかさぁ・・・・・」


2人は、同じクラスであるという他に、さとしを甚振っていたメンバー。

その為、今日の事件も、初めから見ていた。


この学年の代表格だったあきら。


しずかとようこは、そのあきらの取り巻き。


その為、あきらがさとしに絡み始めた時は、

『いつものように、さとしを甚振って遊んでいる』

そう思っていた。


しかし、それは違っていた。

立ち上がったさとしがあきらを襲い、眼球を奪い、食べた。

そして、姿を消した。



思い出すだけで、気分が悪くなるしずか。


「ちょっと、ごめん」


しずかは、高架下へと駆けだして行った。


「あの子、本当に大丈夫かしら・・・・・」


ようこは心配そうに、しずかが駆け出して行った高架下を見つめた。

高架下の隅で、しゃがみこむしずか。


着いた途端に、胃の中に残っていた物を吐き出した。


冷たいコンクリートの柱に手を置き、何度も吐いていた為、胃液しか出ず

喉が焼けるように痛い。


『ハァハァ』と呼吸をする。


その時、後ろに誰かの気配を感じる。


心配したようこが、見に来てくれたのかとも思い、

しずかは、振り向き謝罪を口にする。


「ごめん、嫌なもの見せちゃったね」


ようこだと思い下を向いたまま謝罪を口にしたが、

しずかの視線の先に見えたのは、ボロボロの運動靴。


見たことがある・・・・・・


しずかもようこもあきらの取り巻き。

当然、さとしを虐めていたメンバー。


「ひぃ!」


思わず腰を抜かし、自分の吐き出した物の上に座り込む。

下から覗き込むような姿勢になったので、はっきりと見てしまった。


右目以外の場所には、真っ黒な穴しかない。


ゆっくりと近づくさとし。


「知ってる?

 『悪いところがあれば、その部分を食べるといい』らしいよ・・・・・

 だから・・・・・・」


さとしの手が、しずかに向かって伸びる。


『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』


今まで、出したことの無いほどの大声で悲鳴を上げるしずか。

しかし、その声は、偶然通りかかった電車によって、かき消された。



終り






お付き合い頂き、ありがとうございました。

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