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カフェshion物語

カフェ shion☆~ 番外編  『しおりの壱番珈琲』

作者: しおり


これは 珈琲と私のお話です。

この数十年間というもの、私は珈琲を欠かしたことがありません。朝起きると先ず珈琲、ランチの後にも、そして3時の休憩でも頂きます。もしかしたら、珈琲が無いと生きていけないのでは?と思う程です。香り、ほろ苦さ、そしてその奥にある甘さ、、珈琲って〜家、カフェ、それぞれの空間で、安らぎのひと時を与えてくれるんですよね!


私が初めて珈琲を意識したのは、確か高校生の時だったと思います。家の近くに珈琲ショップがオープンしました。新し物好きだった私は、早速母からお小遣いを貰い、同じく高校生の弟と2人で興味津々で出掛けて行きました。今では考えられませんが、その頃は、兄弟と言っても学生同士で、喫茶店に行く事はあまりありませんでした。だからその日はちょっぴり大人になった様で、嬉しく思ったのを覚えています。

全てのメニューに目を通し、私達が選んだのは何と『ブルーマウンテン』1杯500円でした。2人とも珈琲の味など分かる筈も無く、名前がとても格好良かったから、ただそれだけの理由で選んだのでした。今考えると高校生の分際で何と言う贅沢な事をしたのだろうと思います。何故ならこの話は、まだ500円が紙幣だった頃の出来事だからです。


そしてこの日を境に、珈琲と私のお付き合いが新しく始まりました。そうは言っても、家ではインスタント珈琲にたっぷりミルクと砂糖を入れて飲んでいました。その後大学生になると直ぐに珈琲ショップでアルバイトを始めました。其処で仕事始めに頂く珈琲がとっても楽しみでした。多分その時に珈琲をブラックで飲む様になったと記憶しています。


それから数十年が過ぎました。お小遣いをくれた母も亡くなり、一緒に贅沢な珈琲を味わった弟も、今年定年を迎えます。今、大手珈琲チェーン某店にて、ひとり珈琲を味わいながら、何故かふと、あの時のあの珈琲の事を思い出し、感慨に耽っています。味も分からずに飲んだ、あの時のブルーマウンテンが、多分私にとって〖世界で一番の珈琲〗なのかもしれません。

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