私の愛する家族に忍びよる男の影。
私の名前は、『引野 梓』27歳、初めて付き合った彼とそのまま
結婚して、今は8歳の男の子と5歳の女の子がいるわ!
私は、幸せいっぱいなの!
毎日、充実した生活を送っているわ。
___表向きはね!
*
・・・実際は?
夫は、仕事が忙しく殆ど私と話す時間がないぐらい家には居ないの。
子供の事で、相談したい事があっても。
一方的に、【忙しい】と言われて相手にしてもらえないわ。
・・・でも、どうやらね? 夫は外で浮気をしているみたい。
夫にとっても、私が初めて付き合った彼女だったから、、、?
遊び足りてないのか? 家には帰りたがらないのよ。
上の男の子は、ヤンチャで学校で自分より弱い子を見つけては?
意地悪をしているらしく、何度か担任の先生に私は呼ばれた事が
あるのよ。
『引野さん、東矢君には何度も言ってますが、弱い者イジメはよく
ない事なんです! ちゃんと、お父様とお母様で話し合って東矢君が
イジメをしないように話し合ってくれませんか?』
『___はい、申し訳ございませんでした。』
・・・家でも?
この子は、私のいう事を聞かないのよ。
誰に似たのか? 乱暴で自分が気に入らないと暴れ出すし。
どうして? この子がこんな風になってしまったのか、、、?
下の子はね、、、?
逆に大人しく、殆ど誰とも話さないの。
幼稚園でも、いつも一人でいるとか。
【私の家族は、この先どうなって行くのかしらね?】
▼
___そんな時にね?
私は、高校の時に“いいな”って想っていた同級生の男性と出会ったの。
彼の名前は、『時山 戒斗』27歳、独身IT社長なんだって!
『おう! 久しぶりだな~俺の事? 覚えてるか?』
『うん! 時山クンだよね!』
『あぁ~中山さんも変わらないね!』
『___ごめん、私! “結婚”してるから名前が違うんだ!』
『___あぁ! そうだったの? 俺こそ、ごめん。』
『今は、引野になってね! 8歳の男の子と5歳の女の子のママなんだよ!』
『___えぇ!? 引野って? あの? 引野か!?』
『・・・うん。』
『付き合ってたのは知ってたけど? まさか!? 結婚してたなんてな!』
『時山クンは? 結婚してるの、、、?』
『___俺は、まだ結婚してないよ。』
『彼女ぐらいいるでしょ?』
『___いや? 仕事が忙しくて、“恋愛”はしてないんだよ!』
『・・・そうなんだ。』
『今度、俺とご飯でも行かないか?』
『___えぇ!?』
『なんなら? 俺が引野に話してもいいよ。変な心配させてもよくないし。』
『それなら、大丈夫だよ! 彼、家にあんまり帰ってこないから。』
『___えぇ!?』
『時山クンと一緒で、仕事が忙しんだって。』
『・・・こんなに綺麗な人が家に帰って居るなら、俺は直ぐに家に帰るけどな!』
『___えぇ!?』
『俺だって! 本気で好きな人がいるなら、仕事ばかりしないよ。』
『・・・時山クン。』
▽
私はこうして、、、。
時山クンと会う事が増えていったの。
家族の事を忘れて、、、。
*
___そのうちね?
時山クンといる時間の方が私にとって大事に想えてきたわ。
そして、“一線を”超えてしまった。
私はもう、自分でコントロールする事が出来なくなっていたの。
そして私は、家族を捨てて。
___家を出て行ってしまったの。
家族より、一人の女として! 彼を選んでね。
*
『おい! ママは、何処に行ったんだ、、、?』
『僕、知らない、』
『・・・・・・』
『梓! 何やってんだよ! 子供をほったらかしにして、、、!!!』
【プルルルル プルルルル】
【ただいま、電話に出る事が出来ません、用件がある方は
メッセージをぞうぞ!】
『梓、何処にいるんだよ! 直ぐに帰って来い! 子供をほっておいて
いいのか! 今すぐに帰って来い、、、!!!』
*
『ねえ? これから何処に行こか?』
『___貴方となら、どこまでもついて行くわ。』
『___あぁ!』
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