098(最終決戦、反撃の狼煙)
「ククク…………そうは問屋はおろしがねってね」
ザキン! バサラは瞬時に大ブレードでミッターケースを真っ二つに斬り捨てる。
『ガアーーー! ガアーーー! お前の行動は全て把握出来ていたのに! 何故だーーー!』
無惨に萎んでいく女王。泥々のクラゲの様だ。
「貴様、よくも!」
ズドン! ナコシがビームガンなしでビームを撃とうとするが、先にバサラのビームがナコシの腹を貫通する。
それを目の当たりにしていた徳川は逃げる。木村はいち早く気付き、バサラに指示を出す。
「ハイブリッド! オリジナルが逃げたぞ! 追えー!」
「ああ、分かってるよ」
バサラは木村にブーストガンを投げてパスする。
バサラはチェーンをブースターにして、徳川を追いかける。
(逃げる手段は俺が乗ってきたフライングバイクか? それとも飛行円盤か?)
通路に1000体もの宇宙人軍の軍隊がビームガンを装備して待ち構えていた。一斉にビームを掃射してくる。バサラはチェーンの4つをシールドに、4つを大ブレードに、4つをビームガンに、残り6つをブースターのままにして応戦する。
ビームの雨嵐をシールドで防御しながら、近くの宇宙人は大ブレードで、遠くの宇宙人はビームガンで全て殺す。無双だ。今のバサラには宇宙人軍が何億体いようと、相手にならない。
バサラは母船のハッチまで徳川を追い詰めた。そこには、キノ、アダム、そしてガオームが立ち塞がっていた。バサラと徳川は混乱する。
「何故だ!? 何故、お前らが揃っている!?」
「諦めるんだな、徳川。ファンクラブに入ってて損したよ」
キノはファンクラブの会員証を投げ捨てる。
「ガオーム! お前は小僧に殺されたはず!」
「日本の技術は凄いな。VRゲームのフィールドだよ。全てはミッターケースを騙すための演技さ」
キノは徳川の隙を窺う。トラピスト・エレメントの力で徳川のチェーンを破壊しようと考えていた。
「バサラの五感を使って覗き見してたろ? 例えば、オーストラリアの病院に18連チェーンがあることを先読みしたかのようなお前らテロリストの動き。バサラには途中で眠ってもらい、VRゲームとマスドライバーを連携させていたのだよ」
「くそが!」
ガタン! ゴゴゴゴーー!
「傾いてる!?」
「バサラさん!」
「ハイブリッド!」
「キノさん、生きてたんだな」
人質になっていたサソリのメンバーがハッチまで来た。チリーはワープして徳川を殺ろうと考えたが、手元に武器がない。
「こうなったら、俺がミッターケースの代わりにイカズチを撃ってやる!」
徳川は母船の奥に逆戻りした。バサラは決心する。
「皆は逃げて! 自力で飛べるのは俺しかいない! 始末は俺がやる!」
「バサラ…………任せたぞ!」




