表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第12章(ブースト計画へ)
81/102

081(2度目の失敗)

ーーブースト計画始動から1時間ほどで試運転が終わり、サソリのメンバーは外に出る。熱波だ。気温50℃はある。


バサラはチェーンの両方を直径2メートルのバルーンにする。バルーンは浮き上がった。すると、木村が話しかけてくる。


「ハイブリッド、それはなんだ?」

「風船。チェーンのバージョン0.1で出来るぞ」

「くだらん」

「あっそ」


牡丹がバサラの背中をチョンチョンと小突く。


「暑いですね」

「ローストヒューマンにならなくてよかったな」

「フフ、なにそれ」

「牡丹はぼたん鍋になるところだったぞ、アハハ」

「猪じゃないわよ」


牡丹は少し怒る。


「それにしても暑い。皆、汗だくだな」

「バルーンの空気をエアコン代わりに使えばいいかもしれませんね」

「おっ! ナイスアイディア」


バサラと牡丹はバルーンの空気をシューっと顔に当てて冷やす。ガタン! ヘリポートが搬出される。


ブースト計画のクルーが慌ただしくなってきた。


「大変だー! テロリストだー!」


キノはクルーの1人を捕まえて話を聞く。


「何事だ? ナコシが来たか?」

「サソリの皆さん、出番ですよ! 西から3機の飛行円盤が接近してきます!」

「分かった。対処する。…………バサラ、アダム、木村中尉はフライングバイクで迎撃してくれ」

「了解!」

「ブースト計画を1基もやられるなよ」


バサラ達はそれぞれ1機ずつ、フライングバイクに乗り、西へ飛ぶ。


3人の前方から爆発音が聞こえた。一番端の2基が炎上している。


「遅かったか。飛行円盤はレーダーに映ってるか?」

「兄さん、僕のレーダーには何も。木村中尉は?」

「こっちも映ってません……いや、民間のフライングバスが映りました」

「飛行円盤じゃない!? まさか自爆テロ?」


バサラはチェーンの左をセンサーにして視る。レーダーに引っ掛かったフライングバスからトラピストの使徒が何体もパラシュートで降下していた。武器は小型ビーム兵器だ。


「飛行円盤3機じゃないのか!」


木村は柔軟に考える力が乏しい。それに対しバサラは指示を出す。


「飛行円盤は誘い出す囮かもしれない。アダムと木村は左右に開いてくれ。俺が特攻する」

「兄さん、危険だよ!」

「大丈夫だ、安心しろ」


バサラはチェーンの右を大ブレードに変えて、テロリストが乗っているフライングバスを真っ二つに斬る。フライングバスは海面に叩き付けられ、パラシュートを開けなかったテロリストも海面に落下した。


「アダム、木村、チェーンのガンでブーストに降り立ったテロリストが自爆する前に倒してくれ」

「了解!」


ドカーン! ブースト計画の3基が爆発した。


アダムと木村は左右に開き、チェーンのガンをフルオートで撃ち、テロリストを制圧していく。


「ハイブリッド! 全部倒したぞ!」

「分かった! キノさん、聞こえるか?」


バサラはインカムでキノに報告する。


「ああ。そっちの様子はどうだ?」

「ブーストが3基やられた」

「いかんな。夜までに出来るだけ多く残さないと。とりあえず、戻ってこい」

「了解!」


ピピピ。バサラの内耳に通信が来た。昴からだ。


「バサラさん、東側よ。東側から2機の飛行円盤が近づいてくるわ」

「陽動!? 本命はそっちか! 対処する!」


昴は通信を終え、祈る。


「アダム、木村、東側まで移動するぞ!」

「了解!」


ーードドドドドドドド!! 一瞬の出来事だった。ブースト計画が東側から次々と大爆発しながら爆炎が近付いてきて、バサラは吹き飛ぶ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ