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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第12章(ブースト計画へ)
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077(ブースト計画へ出発)

ーーガオームはシュンとしている。留置場で目を覚まし、キノが身元を引き受ける。ガオームは50万円の罰金刑。


キノとガオームはアンタレスのフライングカーでアンタレス飯田基地へ向かう。自動運転だ。


「悪かった、キノさん」

「反省はしているようだな。日豪ブースト計画の警護で取り返せ」

「任せろ。俺が、ナコシの首を引き千切ってやる」


時間は8時30分。サソリのメンバーが続々と、アンタレス飯田基地に集結する。


クルーがアメリカ製のフライングバスにブーストガンやフライングバイク等を積み込む。フルウェポンだ。


今井長官代理がキノに問いかける。


「今度は大丈夫ね?」

「分からん。しかし、手は尽くすよ」

「ブリーフィングでは、日豪ブースト計画の近くに飛行円盤が確認されたわ」

「いかんな。挑発行動では済まんぞ。搬入を急げ!」


キノはクルーに指示を出した。


クルーの整備長がキノの元へ来る。


「キノ少佐、積み込み終了だ。いつでも飛べる」

「ありがとう。皆、乗れ!」

「おおー!」


搭乗員はバサラ、アダム、キノ、牡丹、チリー、ガオーム、シュナイダー、ヨッシー、アール、木村が乗る。遠隔で昴も参加する。


ガオームが運転席に座り、フライングバスを離陸させて、太平洋へと向かう。


木村がキノにそもそも論を聞く。


「キノ少佐。我々はいつまで、サソリを組むのですか? もう、トラピストの使徒のトップシークレットは手に入っているのですし」

「織田長官の遺産…………。ナコシ、ノーネーム、徳川を殺害するまでは、組織として機能させるよ。降りたければ降りてもいいぞ、木村中尉」

「滅相もありません。織田長官の仇を討つまでは、この木村、最後まで戦わせて下さい」

「うむ。そうだ、それでいい」


バサラは牡丹にチラチラと視線を送られ、困惑していた。

(あの晩、何があった? やっぱりイケナイ事か? 牡丹は何をしたいんだ!?)


バサラは堪らず、フライングバスの助手席へ移る。皆が居る前で牡丹を問いただす訳にはいかない。

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