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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第9章(ミッション失敗)
61/102

061(テロリストの繋がり)

バサラと今井長官代理は用意されたフライングバスに乗り込む。すると、バサラは違和感を感じた。


「これ民間機じゃない?」

「アンタレス所有のフライングバスは全機、点検修理でドックに入ってるわ。キノ少佐は乱暴に扱ったのね。1機は廃車よ」

「飛行中に電磁パルスを遣ったんだ。仕方ない」

「無茶したのね」


「お二人ともシートベルトをお願いします。発進します」


フライングバスのドライバーが運転席に着いた。


フライングバスは飛び立ち、上田市の特殊刑務所へと航行する。


ーー1時間ほどで、バサラを乗せた民間機のフライングバスは特殊刑務所の門の前上空に着き、徐々に降下する。


サソリのメンバーは皆、刑務所の外で待っていた。バサラは窓から確認して、ハッチを開け、10メートルほどの高さから飛び降りる。


「皆~! 元気か~!?」


キノ、アダム、ヨッシー、チリー、ガオーム、木村。皆、生きてる。キノは松葉杖を突いてる。


「バサラ。牡丹も解放されたか?」

「あっ! 忘れてた、アハハ。多分、大丈夫さ」

「なら良いんだが」

「シュナイダーなら基地に居るよ」


フライングバスが着陸する。今井長官代理が顔を出す。


「全員、早く乗って」


フライングバスはサソリのメンバーを回収して再び飛び立つ。


「キノ少佐、久しぶりね」

「今井中佐。内閣情報調査室に居たそうじゃないか。随分と出世したもんだ、ハハハ」

「サソリは機能するの? ナコシがブースト計画を狙ってる」

「ああ。装備さえ揃えば、ブースト計画の守りに入れるよ」

「そう。それなら良いのだけど……」


ドカーン! 爆発音と伴にフライングバスが風圧でガタガタと揺れた。


「何事だ!?」


過ぎ去っていく上田特殊刑務所が炎上している。


「ナコシです!」


アダムには判る。今井長官代理は状況が呑み込めない。


「どうして判るの?」

「ブエノスアイレス特殊刑務所の件と状況が酷似してます!」

「このバスは民間機か? 大した装備もなしでは手は出せないぞ」

「またノーネームを助けに来た? 今井長官代理! 夜勤組を叩き起こせ!」

「近畿と関東の支部にもアラートを入れるわ」

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