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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第8章(決戦)
54/102

054(反逆のオリジナル)

「小僧? お前は誰だ!? 電磁パルスの影響下でチェーンを使えるのは俺くらいだと思ってたけどな!」


バサラは、もう一度ナイフを叩き付ける。男はシールドで防ぎながら顔を見せる。


「久しぶりだな。プロトタイプさん」


その男は死んだはずだった。徳川バサラ。オリジナル・バサラ。


「嘘だろ!? オリジナルか!? 何故、生きてる!? どうしてテロリストに加担する!?」

「ナコシ、射て!」

「少し待て。全回復する」


バサラはチェーンのナイフでジリジリとオリジナル徳川を詰める。


「小僧、〝親〟に向かって、その態度はないだろ。ナイフを収めろ」

「お前は、俺とアダムを捨てた! アンタレスの織田長官が親代わりだった!」

「ほう。ノーネームは任務を遂行したか」

「何故だ!? 何故、テロリストに加担する!? 答えろ!」

「絶望から救ってくれたんだ。飛行円盤でな」

「そんな事で人類を絶やすのか!? 誰だって絶望くらい何度も経験してる!」

「お前は本当の絶望を知らないのさ。ナイフを収めろ。殺したくない」


徳川のシールドが小さく、ボウリング玉くらいの球体になった瞬間、ドスッ! バサラの腹にハンマーがモロに入る。


「グオッ!」


バサラは痛みから、思わず悲鳴を上げる。意識が飛びそうだ。


「プロトタイプ、お前の弱点が出たな。ツインタイプのチェーンしか使えない。せめて、ノーマルタイプは扱えないと攻防のバランスが悪いぞ」


徳川は新型チェーンを装備していた。


「な、何で新型を装備している!? 横流しか!? 何で電磁パルス影響下で新型チェーンを操れる!?」

「俺のデジタル統制力のバージョンは15.0だ。理論上の上限だ」

「何だと……」

「本気を出せば、月を粉々にできる。ここまでデジタル統制力が高いと、被爆しても大丈夫のようだな、ハハハ」

「クソ!」


バサラはまたチェーンの右でナイフを形作る。


「無駄だ」


徳川はハンマーを飛ばしてくる。バサラはカウンターを狙うように見せかけて、ナイフを飛ばす。徳川のハンマーはシールドで防ぐが、吹き飛ばされる。そして、「グオオ!」ナコシの胸にナイフが突き刺さる。


「チッ! 狙いはそっちか!」

「徳川、大丈夫だ…………。発射!」


ズドーン!! マスドライバーから禍々しい粒子が放たれる。


「まだだ! ナイフ、伸びてくれ! 大ブレードに! 間に合え!」


バサラはチェーンの左を長さ3メートルの大ブレードに変え、マスドライバーを横に斬る。ガタン! ガタン! マスドライバーが崩れた。


「遅かったな、プロトタイプさん」


ズドン! バサラは、徳川のガンで腹を撃たれる。チェーンのガンだ。防御が間に合わなかった。バサラの内臓はぐちゃぐちゃだ。


「痛い…………これが、死?」

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