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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第8章(決戦)
51/102

051(激突ノーネーム)

ーー真田アダムは、偉大なサッカー選手とトラピストの使徒のDNAを掛け合わせて誕生した、デザイナーズベイビーだ。トラピストの使徒が地球で難なく過ごせるようにデータ収集のため、研究開発された。兄、真田バサラのデータをフィードバックして。だが、トラピストの使徒が地球を乗っ取るのは明白。アダムは戦うしかない。人間として。


バサラとキノがフライングバスで、マスドライバー破壊とテロリストのボス、ナコシを捕獲するために、サソリは二手に別れた。


アダムは目の前の敵、ノーネームと対峙する。サソリはブーストガンでロックオンしたいが、ノーネームはチェーンのシールドで守りを固めながら、ビームガンを撃ってくる。


ピピピ。アダムの内耳にダイレクトに電子音が鳴り響く。


『真田アダムさんね? 小森よ』

「今、戦闘中です」

『前回と同じ手法よ。今度は西から、4体のテロリストが小型ビーム兵器を持って、採掘場に入っていったわ』

「了解です!」


アダムは部隊の一番右に開く。そして、チェーンの子機を6つ同時に操り、2つをシールドに、4つをブレードにする。ノーネームに注意が行ってるように見せかけて、小型ビーム兵器を持った4体を待ち受ける。


物陰からテロリストの4体が出て来て突進する。小型ビーム兵器のトリガーを引く前に、アダムはチェーンのブレードを4本飛ばす。グザン! 4体の胸に突き刺さして、ブーストガンを撃ち、木っ端微塵にする。


「チッ!」


ノーネームが舌打ちした瞬間、チリーはワープして背後を取る。手には針鼠を1つ持っている。チリーはノーネームの後頭部に針鼠を押し当てる。ドカン! 無数の針がノーネームの頭を貫通して、サソリの方へ飛んで来る。チリーは気を利かせたのか、頭部のやや左に針鼠を当てた。


銃声が止み、ノーネームが崩れ落ちる。遂に倒した。親代わりだった、織田長官の仇を討った。


「痛ー! チリー、脚に針鼠が刺さったじゃねえか!」


一番左に開いていたガオームに被弾した。


「ハハハ。悪い悪い。ハイブリッドだから、治りは速いからいいじゃないか」


アダムは油断せず、的確な指示を出す。心に熱いものを感じながらも。


「牡丹さん、フライングバスをここまで誘導して」

「分かったわ」

「木村中尉、チェーンでノーネームを捕縛して。回復力は未知数だ」

「はっ! アダム大尉、ノーネームのチェーンはどうしますか?」

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