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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第7章(島の激戦へ)
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047(生け捕り)

問題は解決しない。アールだ。バサラはアールに通告する。


「守ってくれるのはありがたいが、攻撃しなきゃ、いつか死人が出るぞ」

「ピーピーピーピー」

「ダメだ。所詮はロボットか」

「バサラさん、サプライズを用意してます」

「はぁ!? サプライズ? 勿体振らずに言えよ」

「演算に35分下さい」

「勝手にしてろ。このポンツク」


キノが通信を終えたようだ。


「皆、聞いてくれ」

「誰と話してたの?」

「小暮総理大臣だ。ナコシを生け捕りにせよとのお達しだ」

「そんな無茶な……」

「それとノーネームも生け捕りだ」


チリーが反論をする。


「キノさん、分かってるよな? 生け捕りが如何に難しいか。俺達アメリカサイドは殺害するぞ」

「ナコシとノーネームを生け捕りにして拷問……尋問せよとの事だ」

「無理だ」

「人間には教えてくれない宇宙人のトップシークレットを知っているはずと言っていた。アメリカ側も欲しい情報だと思うが」

「確かに欲しいが、あの2体を生け捕りとなると通常の拘束具じゃ無理だ。たったの10人そこらで、どうこう出来る話ではない」

「私に考えがある。マスドライバーはバリアが消えるタイミングでフライングバスの電磁パルスで破壊する」

「なるほど。ナコシは体内エネルギーを消費して、マスドライバーも無効化できると?」

「賭けだが、ナコシを捕獲するとしたら、このタイミングしかない」


バサラは提案する。


「ナコシさえ捕まえれば、ノーネームは要らなくないか? 織田長官の仇を討ちたいんだけど」

「そうだな。ノーネームはナコシ以上の情報を有してないだろう」


木村も提案した。というか疑問だ。


「しかし、キノ少佐。電磁パルスを使ったら、ブーストガンの自動追尾やチェーンに誤作動が生じますよ」

「木村中尉は知らないのか。旧式でツインタイプのチェーンは電磁パルスの影響を受けないアナログ兵器だという事を」

「え!? 知りませんでした」

「つまり、俺がナコシを取っ捕まえるのか?」

「そうだ。バサラ、お前しかいない」

「任せろ。俺は一度ナコシに会ってるから、オーラで強さは大体分かる。体内エネルギーを消費させれば、自爆も無理だろう」


すると、アールが訳の解らない事を喋る。


「ダメです。これ以上、彼らを苦しめてはいけません」


これにいち早く反応したのは、ガオームだった。


「ロボット、何を言ってる!?」


ガオームはアールにブーストガンの銃口を向ける。


「ガオームさん、やめてください。ロボット工学三原則に抵触します」


バサラはアールを問い質す。


「これがサプライズか? アール!」

「もう止められません……」

「ウィルスでも流し込まれたか?」


チリーもアールに銃口を向ける。キノは状況を精査した。


「いや、アールはネットとは切り離されてる。ウィルスを流し込むとしたら直接に……」

「まさか、ノーネームがアタックに来た時、狙われた?」

「わ、私を破壊して下さい。……三っ原則にに、てっ、抵触します。ピッ!」

「アールがバスをロックオンした! 全員シールドで防げ!」

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