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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第7章(島の激戦へ)
43/102

043(トラピストの使徒の目的)

バサラもそのトラピストの使徒をブーストガンでロックオンする。


「でも、テロリストに加担してるよな?」

「待てー! 全部話すから、命だけは!」


ホールドアップされたトラピストの使徒は汗をかいてる。木村が尋問を続ける。


「TOAとはなんだ!?」

「トラピスト・オブ・アース……。トラピスト1系列惑星fの大気に近付けるためのウィルス。通称〝トア〟だ」

「地球を乗っ取るつもりか!?」

「まだ未完成だ。撒いても正常化するか判らん」

「ナコシとノーネームはどこだ!?」

「分からない。南東の元アパートを拠点にしてるはずだ」

「宙界島のバリアはなんだ!? どうなってる!?」

「ゴールドだ、ゴールドが足りなかったから、中途半端なものになったと聞いている」

「金は母船の燃料じゃないのか!?」

「それは、流布した嘘だ。ナコシ様の体内エネルギーが全回復するまでバリアを張っている」


聞いてもいないのに、ベラベラ喋ってくれる。このトラピストの使徒はかなり焦っている。


木村に代わって、バサラが尋問を続ける。


「ナコシはビームガンを連続で何発撃てるんだ?」

「分からない。銃身が溶けるまでは撃てると聞いている」

「……数百から数千発だな。おい、宇宙人。マスドライバーを発射したら人間は死ぬのか?」

「死にはしない。但し、人間がマスクを着けて暮らす事になるだろう」


木村がボソッと本音を言ってしまう。


「なるほど。ハイブリッドには関係ない話か」

「木村中尉、僕も混血だよ」

「あっ。失礼しました、真田アダム大尉」

「ククク。そうか、ハイブリッドか。我々、トラピストの使徒に手を貸さないか?」


アダムは怒りながら、トラピストの使徒にブーストガンをロックオンする。


「ふざけるな!」


バサラはなだめる。


「まあ、落ち着け。そういう訳だ。キノさん、どうする?」

「始末は任せる」


バサラはインカムでキノと通話した。そして、トラピストの使徒は命乞いをする。


「き、聞こえたぞ! 始末って…………命だけは!」

「アダム、このテロリストを拘束して。採掘場まで戻るぞ」

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