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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第7章(島の激戦へ)
42/102

042(憧れと嫌っている)

バサラ達は上空へ行き、マスドライバーにゆっくり近付く。採掘場からマスドライバーまで1キロメートルほどだ。


バサラはチェーンのセンサーで視る。


「トラピストの使徒は居ない。作業が終わったか。いつでも発射出来るかもしれない。マスドライバーってより鉄塔だな」

「兄さん、マスドライバーのバリアはどう?」

「判らない。もう少し近付こう」


マスドライバーは小高い山の上にある。周りに木々はない。


バサラ達は索敵しながら、マスドライバーの近くに着陸する。バサラはアールから降りて指示を出す。


「二人とも、インカムのスイッチを入れて。アール、このバリアはどうだ?」


アールは暫く調査している。


バサラが率先して指示を出すのに、アダムは憧れている。木村は自分より階級が下のバサラに指図されるのを嫌っている。ハイブリッドだからじゃない。自分よりバサラのが強いからだ。


「ピーピーピーピー」

「おい、頭から煙を出すなよ?」

「このバリアは外からの侵入は出来ません。それと、マスドライバーは未完成です」

「どういうことだ?」

「中に何かしらのウィルスを探知しました。しかし、それを発射するだけのエネルギーがありません」

「兄さん、もしかしたら、ビームで打ち上げるんじゃないかな」

「ナコシの体内エネルギーは未知数だ。奴ならこれくらいは」


ガタン。……バサラ達以外の気配。ドラム缶が数個置かれている方からだ。木村が見に行った。すると、トラピストの使徒を1体、ホールドアップさせて連れてきた。


「ブーストガンでロックオンしてるからな。逃げた瞬間に木っ端微塵だからな」

「わっ、私は手伝わされただけだ!」


アダムが、バサラに良いところを見せようと尋問する。


「ほう。死にたくなかったら正直に話すんだな。このマスドライバーは何のために造られた?」

「……地球の大気を変化させるんだ」

「何かを撒くんだな?」

「TOAだ! 私はテロリストじゃない! 解放してくれ!」

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