041(不安定なバリア)
キノは陣頭指揮を執る。
「他のメンバーはこの採掘場全体の索敵だ」
ーーバサラと牡丹は採掘場を下へと進む。幅5メートルほとの坂道だ。進むに連れて外の光が途絶える。
「牡丹、ライトを点けて」
「はい」
牡丹はノーマルチェーンの子機を4つをライトに変え、灯りを照らす。 バサラはチェーンの子機をナイフとシールドにして、ブーストガンを構える。採掘場下部は、埃っぽくて雑然としている。坑道だ。幅7メートル、高さ5メートルほどだ。
バサラと牡丹は50メートルくらい進むと行き止まりだ。
「クリア! 戻るぞ」
「はい」
バサラと牡丹は地上まで戻ってくる。キノが待ってていた。
「採掘場に敵は居ない。ここを拠点に動くぞ。バスから北東に70メートル、西に50メートルの1階建てだ。休憩室と思われる部屋が5つあった」
「地下は南西に50メートルだったよ」
アールと木村が戻ってきた。キノは報告を待つ。
「木村中尉、バリアはどうだった?」
「それが…………」
「なんだ? 言ってみろ」
「アール、代わりに頼む」
「了解しました。皆さん、落ち着いて聞いてください。バリアで外に出られません。木村中尉がブーストガンを撃ちましたが、びくともしません」
バサラは少し不安になる。
「閉じ込められたか。ナコシ達が外に居たら俺達は……」
「大丈夫です。私と木村中尉が調査してる時に、少し離れた所、宙界島内部で高熱源反応がありました」
「ビーム兵器だな?」
「99.99パーセントの確率で高出力ビームガンです」
「ナコシ達も閉じ込められたか。奴らにとっては予定通りだな」
「それと、このバリアは外部からの進入は可能です」
「どういうことだ?」
「バサラさんが不安定と言ったのはこの事です。外から鳥がバリアを貫通して入ってきました」
キノは考え、指示を出す。
「次はマスドライバーのバリアだ。調査隊は木村中尉とアダム、それとアールはバサラを乗せて4人で飛んでくれ」
「キノさん、マスドライバーの近くには、トラピストの使徒が作業してる。撃つわけにはいかない」
「テロリストの可能性が高い。判断したら撃て」
「分かった。行ってくる」




