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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第6章(激戦へ)
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037(人間に擬態)

正木の傷痕だらけの皮膚が青くなり、額にかかっていた髪の毛が盛り上がる。触覚だ。トラピストの使徒。


「チェーンってヤツも悪くない。ブレードはなかなか使えるな」


正木だったトラピストの使徒はチェーンの子機を1つブレードに変える。


「お前は誰だ!?」

「貴様らアンタレスの連中が、大好きなノーネームだよ。こっちから来てやったのに、階級が伍長はないだろ」

「人間に擬態していた!?」

「だから、ノーネームなんだよ」


ノーネームのブレードが飛んで来る。ガキン! バサラは咄嗟にシールドで防ぐ。


「ほう。このスピードで防げるとはな。ハイブリッドよ、長官に負担を押し付け過ぎじゃないか? 長官さえ殺してしまえば、指揮系統を失う」

「そう簡単にいくかよ! トラピストの使徒なのに、なぜマスクをしてない!?」


バサラはチェーンのナイフをノーネームに向けて飛ばす。キン! ブレードで弾かれる。


「俺もハイブリッドなんだよ。トラピストの使徒寄りのな」


ドカン! ノーネームはチェーンのガンで壁に穴を空けた。物凄い爆風と砂ぼこりが舞う。


「待て!」


ノーネームは空けた穴から外に飛び降りる。次の瞬間、ドスン! と揺れと爆発音が走りめぐる。ノーネームが持ってきたカバンの中身は爆薬だった。バサラの読み通りだ。


バサラは、ノーネームを後回しにして、織田長官の脈を診る。


「ダメだ…………それに、この出血では。織田長官、仇は必ず討ち取ります」


バサラはオフィスに戻ると、滅茶苦茶になっていた。上の階と下の階に穴が空いていた。牡丹は悲壮感を漂わせていた。


「バサラさん、織田長官は?」


バサラは首を横に振る。


「そんな…………」

「ノーネームだ。奴は人間に擬態する事ができるようだ」

「初耳だよ、そんなの」

「奴もハイブっ……」


バサラは躊躇った。ノーネームも自分と同じハイブリッドだと、口にする事を。


「えっ? 何?」

「いや、何でもない。それより、爆弾は1個だけか?」

「うん。センサーで確認したし、防犯カメラでも、他に仕掛けた形跡はなかったよ」

「取り敢えず、基地内は安全だな」


「それで。ノーネームを取り逃がしたのか?」


木村が話を聞いていた。


「奴は強い。奴のチェーンのバージョンは3.0以上だ、トレーニングもせずに。かなりのデジタル統制力だ」

「ハイブリッドでも勝てないのか…………」

「ナコシはそれ以上の強さだ」


バサラはキノに報告するために、1階の会議室へ行く。母船内部の見取り図が、ホワイトボードに映し出されていた。


「バサラ、来たか。爆弾は1つとの話だが、爆発音は2回聞こえた。何があった?」

「織田長官がノーネームに殺害された。そして、チェーンのガンで壁に穴を空けて逃げていったよ」


会議室内がザワザワする。アダムにヨッシー、アメリカ人が3人。チリー・ジョーとガオーム。もう一人は分からない。

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