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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第5章(ブーストガンとロボット)
31/102

031(吉田の任務)

「……ヨッシー? ヨッシーじゃないか!」

「よう」

「どうしてここに?」

「超音速旅客機に乗り替えて。そこのキノ少佐に喚ばれてな」

「ソルジャーネットでコンタクトを取ったんだ。吉田中尉は前からナコシをマークしていたそうだ」

「その通り。だから、ナコシが隠した金塊を盗んだ事がバレても、減給にすらならなかったろ?」

「どういう事だ!?」

「ナコシの金塊を盗むのが指令だったんだよ。軍が関与してないように、装うために闇サイトを使って。裏切り者が出たのは想定外だったがな」

「そんな……」

「バサラが、チェーンのナイフで斬った男は、最新のロボット義手を着けてもらったろ?」

「ああ、確かに」

「今頃、釈放されてるよ」

「最初から仕組まれていた?」

「そういう事だ」


キノはスッと話に入ってきて続ける。


「私でも知らなかった情報だ。長官クラスでは、共有されていたのだろう」

「織田長官と話してくる」


バサラはオフィスから出ようとした時。


「まだ来てないぞ」

「チッ!」

「落ち着けよ。早くから密に連携していれば良かったが、なにぶん情報が少なくてな。バサラが見たっていう宇宙人軍の将校は間違いなく、ナコシだ」

「バサラ、お手柄だぞ。宇宙人軍と宇宙人のテロリストは犬猿の仲を装ってたが、ブラフだろう」

「で、トラピストの使徒は金塊を何に使おうっていうんだ?」

「まだ仮説段階だよ。母船のバリア回復説、燃料説、地球の公転軌道を更に変える説と色々だ」

「鉱物を長野県上空の母船に集めるのは、やはり意味があるんだな」

「我々は、宇宙人の狙いはゴールドだけだと考えてるよ」

「ナコシを殺害すれば解決するのか?」

「分かってると思うけど、ナコシは簡単には殺れない。ナコシの体内エネルギーは未知数だからな。昨日のブエノスアイレスの一件を知ってるか?」

「ああ。今頃は弟が対応してるよ」

「あれはナコシがやったらしい。数体の自爆テロに見せかけて」

「そんな長距離を短時間で、ナコシはどうやって移動してるんだ?」

「小型UFOでの低空航行説、瞬間移動説。これもまた解らない。但し、今、ナコシは長野県に潜伏してる確率が高い」

「ブエノスアイレスにはノーネームが」

「ノーネームも日本……長野県に潜伏してるだろう」

「じゃあそろそろ」

「帰るのか? まだ話がある」

「時差ボケで眠い。仮眠室で一休みさせてもらう。案内は要らないからな~」


ヨッシーは話を切り上げ、仮眠室へ行ってしまった。


「キノさんも仮眠したら? 徹夜でしょ」

「そうだな。一眠りするか 」


キノも仮眠室へ行った。


バサラは自分のデスクで、腕を枕にして目を閉じる。


「バサラさん、泣いているのですか?」

「アール、よく覚えておけよ? このタイミングで泣いてたら情緒不安定だ」

「よく解りません」

「解らなくていい」


バサラもいつの間にか眠っていた。目が覚めると、8時50分。1時間半ほどの二度寝だ。周りはガヤガヤと人が会話をしている。


「アール。織田長官は出勤したか?」

「6分前に基地の網膜スキャンをしています」

「よし、とっちめてやろう」


バサラは席を立つ。その時、純血に声をかけられる。


「おい、ハイブリッド。客が来てるぞ」

「木村か。客って誰だ?」

「警察だよ。俺も行くから、応接室まで着いてこい」

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