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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第4章(仲間集め)
18/102

018(殺害リストのナンバーワン)

バサラはアンタレス基地の研究所へ行く。小型ビーム兵器を持って。主任研究員の初田に調べてもらう。


「これはカバーで覆われているが、中身はリボルバー式。真田隊員が鼎一色で見た物と同じタイプだろう」

「6発も撃てるってこと?」

「いや、このタイプは1発撃っただけで爆発する。銃身が弾丸……つまり、ビームに耐えきれないだろう」

「ここまでの小型化は使い物にならないって訳か。人間もビーム兵器を使えるようになる?」

「ビーム兵器は使用者の体内エネルギーを消費する仕組みだ。いくらデジタル統制力が高くても扱うのは難しいだろうな、現時点では。一般人では、ロケットランチャー程度の威力は出せても、体内エネルギーが枯渇して即死する」

「調べ終わったら、保管庫に入れといてね」

「はっはっは! いつの日か人間でも扱えるように調べあげてやろう。腕が鳴る」


初田主任は、バサラの一言を聞いてない。興奮しっぱなしだ。


「じゃあ、俺は取調室に行くから。あとは頼んだよ、初田主任」


バサラは、エレベーターで3階に行き、取調室の隣のモニター室に入る。キノがモニターを見ていた。


「キノさん、男は何か吐いた?」

「ロボット義手を着けてくれの一点張りだ」


バサラもモニターを確認をする。


「木村が尋問してるのか。義手を着けてやればいいじゃん」

「ただブツを拾っただけだったらどうする? ロボット義手は大手術だぞ」

「もしかしたら、インゴットを隠した宇宙人軍の将校が関わってるかも?」

「未だに点と点だ。線で繋がらない」

「俺が尋問を代わろうか?」

「そうだな。あんまり刺激するなよ」


バサラは取調室の前で網膜スキャンをして中に入る。木村の肩を叩き、交代を促す。男の険しかった顔が更に険しくなる。両手がない。木村はモニター室に行った。


「貴様ー!」


バサラはゆっくりと椅子に座り、男の目を見る。


「ロボット義手の手術を許可しようか」

「何!? 嘘じゃないだろうな?」

「但し先に入手経路を話すのが条件だ」

「ロボット義手を着けても、特殊刑務所行きじゃないだろうな?」

「ビーム兵器に関しては未遂だ。そこまで刑は重くないよ。人間用の刑務所は覚悟してもらわないといけないけどね」


男はバサラの顔をマジマジと見る。


「…………窃盗」

「それはカードにならないよ。詳しくは言えないが、報告書だけであとは不問だ」


バサラはブラフを切る。本当は顛末書だ。


「チッ! 情報だけ取ってサヨナラじゃないだろうな?」

「アンタレスは公務員だ。保証はするよ」

「…………言ってもいいのか? お前にとっても都合の悪い話だぞ」

「別にいいさ。さて、名前は?」

「…………チン・ピラオ。本名は松下直樹」

「仕事は?」

「警察に言うなよ?」

「ああ、分かってる。同じ公務員でもアンタレスは独立した組織だ」

「……闇サイトの運営」

「前科は?」

「今の闇サイトが3代目だ」

「つまり、2回は逮捕されてると?」

「そういう事になる」

「懲りないねえ。宇宙人も関与してる?」

「エイリアンの将校が隠した賄賂はインゴットだったんだな」

「その将校から小型ビーム兵器を渡された?」

「そうだ。チェーンを装備した人間と会ったから、復讐するなら、アンタレス飯田基地に行けって」


バサラが、あの日にすれ違った宇宙人はインゴットの持ち主だ。


「警察にバレなかったの?」

「ん?」

「一度、病院に行っただろ」

「あっ、ああ。ロボット義手の手術を受けたいって言ったら、6000万円からだとよ。保険適用外だし」

「その時に、得物を取り上げられなかったの?」

「オモチャだと思ったんだろうな」

「宇宙人の将校の名前は?」

「ナコシ……だったかな」


取調室をモニターしていた隊員はざわつく。ナコシはテロリストのボス。アンタレスが掲げる殺害リストのナンバーワンだ。軍属というのは嘘かもしれない。


バサラは少し考える。ヨッシーはボーダーチーム。そんな奴が確かに将校だと言っていた。エリートのインテリジェンスだ。ミスリードに引っかかるほど、お間抜けでもない。宇宙人軍とテロリストの境界線が曖昧になってきた。


「大体の事は分かった。手術室に案内しよう」

「特段凄いヤツにしてくれよ? 俺も身を守らないと」

「主任研究員と相談してくれ。今、ノリノリだから良いのにしてくれるかもな」

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