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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第4章(仲間集め)
12/102

012(デートの誘いは)

「ほう……。ハイブリッドはまだ旧式のチェーンを使ってるのか」


バサラはチェーンをデスクに置きっぱなしだった。


「別にいいだろ」

「新型のチェーンなら死傷者を出さずに済んだかもな。旧式でせいぜい頑張りな〝プロトタイプさん〟」


そう捨て台詞を吐き、木村はオフィスから出ていった。


バサラはやりきれない気持ちでいる。混血に向かって、プロトタイプさんというのは、出来損ないって意味だ。


すると、バサラのデスクに牡丹が来た。


「バサラさん、悪く思わないでね。実は木村中尉の弟さんが、あの爆発テロで亡くなってるの」

「何!? 木村の弟が、あそこに居た?…………警察官だった?」

「バサラさんにも弟が居るでしょ? だから、解ってあげてほしいの」


バサラは21歳の女の子にフォローされる。


「人間の兄弟と人造人間の兄弟なんて、似て非なるものだよ。まあ、牡丹の言いたい事は分かった」


木村が、バサラへの風当たりを強くしていたのは、弟をテロで亡くした。その場に、バサラも居た。


「あっ、ごめん」

「別にいいさ。純血だろうと混血だろうと、目指す所は同じだ」

「ですね。そういえば、何を書いてるの?」

「顛末書だよ」

「ああ、やっぱり。減給?」


バサラは暫し、考える。そして、話す。


「減給はなし。謹慎もない。逆に地球を救うかもしれない」

「ぷっ。何それ」


牡丹には何が何やら解らないようだ。


「牡丹の力も役に立つかな? キノさんに相談してみよう」

「何を始めようっていうの?」

「だから、地球を救うのさ。詳しくは、キノさんに聞いて。この後に飯でもどうだい?」

「サラッとデートの誘い? また今度ね。でも、地球を救うっての、面白そうね。ワクワクしちゃう。それでは、お先に失礼しま~す」


牡丹も帰って行った。バサラは窓から外を見ると夕焼けだった。


ーーバサラが高層マンションの自宅に着いたのは、夜の21時頃だ。せっかくの休暇が台無しになってしまった。


ピピピ。バサラの腕時計型ウェアラブル端末に、キノさんからメールが入った。


『今日で休暇は終わり。明日から通常出勤してくれ』


バサラはもう少し休みたかったが、仕方ない。


バサラはリビングで現在は生産されてない、古いチェーンを装備してみる。レストア品でも悪くない。脳波とのシンクロも良好。新型のチェーンを扱える奴と違って簡単にバージョンアップは出来ないが、徐々に馴染んでいく。


「俺のデジタル統制力ならいける!」


バサラはチェーンを外して、ニュースを観ようとする。3日前の爆破テロ以外の情報が欲しかった。

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