102(エピローグ)
ーー俺はアンタレスの隊員として、トラピストの使徒が放ったモンスターの後片付けをしていた。一時は大量に増えたモンスター、特にフライングモンスターは数万匹まで増えた。俺は片っ端からビームを纏わした大ブレードで斬り刻む。楽勝だ。
ーーそして、数年後。モンスターとトラピストの使徒が消え去った地球。今どき、ハイブリッドも稀有な存在となった世界。アンタレスは解体された。
俺はセカンドキャリアに何をしようか考えていた時に、イタリアに居るキノさんから天文学の世界へ誘われた。
俺はキノさんの申し出を受けて、今、木星探査の巨大宇宙船に乗ってる。牡丹は俺の後を追いかけてきた。2人で気ままな木星の衛星旅行をするつもりだったが、アダムとアール、サソリのメンバー全員も同じ宇宙船に乗り合わせていた。同じく、キノさんに誘われたそうだ。
俺は牡丹と一緒に宇宙船の客室の窓から宇宙空間を見る。
「あれで良かったのかな?」
「何が?」
「トラピストの使徒よ」
「人間に宣戦布告して、地球を乗っ取ろうとしたんだ。あれで良かったと思うよ」
「バサラさんがそう思ってるならいいの。今やバサラさんは地球を救った英雄だから」
「本当の英雄は織田長官だよ。あの世から導いてくれた」
「オカルトパワーね」
「俺はオールドデザインのデザイナーズベイビーだから。さて、木星の衛星はどんな世界かな?」
「地球以外の星って初めてだから楽しみ」
「呑気だな、アハハ」
「戦争は終わったのよ」
「そうだな」
ーー平和が長続きしますようにーー