100(運命を変える一撃)
『息子よ…………よくも騙してくれたな』
「ミッターケース!? まだ生きてるのか」
無惨な姿の蛸のような烏賊のような化け物は触手を伸ばして起動システムを触る。バサラのチェーンが反応しない。咄嗟に宇宙人軍の連中が持っていたビームガンを拾い、ミッターケースを撃つ。バキン! バキン!
『無駄よ。私にビームガンは効かない』
「クッ! どうしたら……」
【真田少尉、チェーンを使え】
「その声は、織田長官!?」
【今の真田少尉なら、ブーストキャノンシステムが使える。チェーンをマスターした者に与えられる運命だ】
「ブースト…………キャノン?」
【人間の運命を変える一撃だ。初田主任研究員は使わせたくないようだが、ミッターケースを倒すにはこれしかない。6個のチェーンで1つの発射器を作れ。弾は金属片で十分だ】
「分かりました。織田長官!」
バサラはブーストキャノンシステムを使う。6個の子機を1つにまとめ、巨大なキャノンを造る。弾は10グラムの金属片だ。それを光の速さで撃つ。この弾丸は東京ドーム一杯分の水を瞬時に蒸発させるパワーがある。
『息子よ、誰と話してる? 人類に代わって我々、トラピストの使徒が地球の覇者。終わりだ!』
ヒッ! ズドーーーン!! ソドムのイカズチを撃たれる前にブーストキャノンシステムが作動する。
『ガアー…………』
ミッターケースは蒸発した。それと同時に土埃が母船内部にたれ込む。
ガタン! ガタン! と母船が崩れ落ちていく。バサラはナコシが空けた穴から撤退する。