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ブースト・VASARA  作者: ルク穴禁
第3章(テロ)
10/102

010(トップシークレット)

ーーバサラとキノを乗せたタクシーは、アンタレス飯田基地に着く。ここは、オフィスから実弾訓練所、フライングバスのドックまである、対宇宙人施設の中枢だ。


「お客さん、支払いは現金で頼むよ」

「今どき、古風だな。いくらだ?」

「5000円だ」

「地下タクシーめ」


キノは財布から5000円札を出して支払う。


この時代、電子マネーが主流だが、現金に比べたら不安定だ。クラッキングとファイアウォールのいたちごっこ。いつ全財産を抜き取られるか分からない。安定な資産とされる、宝飾品、円、USドル、ユーロが重宝される。


バサラとキノは基地のエントランスで網膜スキャンをして、アンタレス所属の者と確認され、ゲートが開く。そして、エレベーターに乗り、最上階の長官室に向かう。


二人が長官室の前に着くまで、バサラは何度もため息を吐く。


「私がフォローしてやる。シャキッとしろ」


ガチャっと、キノは長官室のドアを開ける。バサラは心の準備が出来ていない。


「失礼します! 織田長官!」


二人は中に入る。テニスコート1面分ほどの執務室だ。


「キノ君と真田隊員」


バサラは大目玉を覚悟した。


「こ、この度は、大変申し訳ありませんでした!」

「金に手を出したみたいだね」

「済みません! ほんの出来心で!」


バサラは頭を下げる。


「私の監督不行き届きです!」


キノも頭を下げる。バサラは後悔している。〝キノさんに頭を下げさせて絞まったと〟


「まあ、落ち着きたまえ。最近、トラピストの使徒が不審な動きをしてるそうじゃないか」

「き、金の事ですか?」


バサラとキノは頭を上げる。


「共存するには増えすぎてしまったんだよ。トラピストの使徒は」

「と、言いますと?」

「金は母船の燃料になるかもしれない。帰ってくれたら、万々歳じゃないか、トラピスト1系列の惑星に」

「確かにそうですが」

「トラピストの使徒は、我々地球人に早めのシンギュラリティ、技術特異点をもたらしてくれた。今や火星や木星の衛星まで直接人間が探査出来る。しかし、しかしだ…………」


織田長官は何やら言葉に詰まってるようだ。


「約40光年もの距離を生物を絶やさずに移動する手段。それと、地球の公転軌道をずらした手段。どちらも、トラピストの使徒は教えてはくれない」

「人間の叡知が結集しても、あやふやな仮説を立てるのが精一杯ですからね」

「武器もだ。人間用にチェーンは開発出来たが、未だにビーム兵器は人間は使用できない。真田隊員みたいな、ハイブリッドでもね」

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