表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者  作者: ケンノジ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

230/230

迷い込んだ白猫3


 ギルドのアイドルの座を奪われ俺の膝も白猫に奪われたライラが、さすがに気の毒に感じてきたので、ミリアを呼んで白猫を手渡した。


「ぐっすり寝ててきゃわいいですぅ」


 メロメロといった様子のミリア。

 これは、慣れるまで仕事にならないだろうな。


「なーにがきゃわいい、だ」


 フンス、と鼻を鳴らすライラが、さっそく俺の膝に上がり、丸くなった。


「あれ、今妾さんの声が……?」

「空耳でしょう」

「ですよね」


 首をかしげたミリアだったが、気にせず白猫を連れていった。


「満足か、これで」

「……」


 耳をぴくぴくと動かすライラは答えない。

 仕事の手を休めることなく、俺はぽつりと言った。


「白猫に嫉妬とは、魔王様もずいぶん狭量らしい」

「なんとでも言うがよい」

「あの白猫に完全敗北だな」

「妾は別に、職員のことなどどうでもよい」


 そんなふうにはまったく見えなかったが。


「妾はただ……」


 言葉を切ってライラは立ち上がる。


「連れて帰ってくるなどと言わぬであろうな?」


「ここで飼いながら飼い主を探すという話だ。わざわざ俺が預かる理由はない」


「ならよい」


 そのまま膝を下りてどこかに行ってしまった。

 自分が居座りたいわけではなく、誰かがそこにいるのが気に食わなかっただけらしい。


 少ない仕事をさっさと終わらせ、閉館の時間になると俺はギルドをあとにした。


「もう終わりか?」


 人の姿をしたライラが珍しく迎えにきていた。


「暇だったからな」


「なーう」


 声に振り返ると、窓際にいる白猫が俺を呼ぶかのように鳴いていた。


 ずかずか、とライラは白猫に歩み寄りガラス越しに人差し指を突きつける。


「獣の分際で妾のモノに手を出そうとは、いい度胸をしておる。そなたなぞ、指先一つで消し飛ぶのだぞ」

「なーう……」

「懲りたのであれば、もう色目なぞ使わぬことだ」

「なう……」

「家があるのであれば、さっさと帰るのだ。そなたの家はここではないのだから」

「なーう」


 まったく、とため息をつくライラが戻ってきた。


「俺は色目を使われていたのか?」

「あやつの目を見ればわかる」


 窓際にもう白猫はいなかった。


「どこを気に入ったのか。メスであればなんでも寄ってくるのは困りものである。家はわかるらしいから、帰るそうだ」

「それならよかった。帰り際、俺について来ようとしていたからな」

「やはり……油断ならぬ……」

「怖い『猫』がいるとわかったからもう俺にかかわろうとはしないだろう。人間の女は寄ってきてもさほど気を立てないのに、猫はダメなんだな」


「うむ」


 人間は魔族とは別種。けど、猫だと猫同士、という立ち位置になるのかもしれない。


「どうやら俺はおまえのモノらしい。帰ったら何をしてくれるのやら」

「っ……、それは言葉のあやで……」


 言葉を濁すライラの頬がうっすらと染まる。

 頭を撫でると、ライラが腕を絡めてきた。


「妾たちの家に帰ろうぞ」


 この様子だと、我が家でペットを飼うことは永遠になさそうだ。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

久しぶりに書きましたが楽しかったです。



※新作のご連絡です。


・追放された底辺職「盗賊」はゲーム知識で無双する。一緒に召喚された先生も外れジョブだったけど効率的に成り上がります


https://ncode.syosetu.com/n2551ik/


こちらも面白いので是非読んでください!

まだ5万字と短く、キリのいいところで締めているので読みやすいかと思います。

リンクは下に用意しています。どちらからでもどうぞ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新作 好評連載中! ↓↓ こちらも応援いただけると嬉しいです!

https://ncode.syosetu.com/n2551ik/
― 新着の感想 ―
[一言]連載、お疲れ様でした。 物語の長さも、内容も納得の量と質でした。 時々は、後日談とか、アナザーストーリーとかを書いてください。 特に、ロランとライラの子供が誕生する話を、できればお願いします
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ