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バツイチ高校生 高橋俊樹くん  作者: 竹天
【清崚高校 俊樹入学編】
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彼女が此処に来た理由

 緋ノ宮(ひのみや)華凛(かりん)は、学校の屋上で物思いにふけっていた。

 放課後という事も有り、校庭では部活動に励む生徒達の姿が多く見える。

 その中の、何処に居るかも分からない転生者の事を考えていた。


「…普通に考えれば、同じ”1年生”として入学してくる筈。

 もしかして先に”上級生”として入って来ているかも、と考えましたが……」


 結局、最初に怪しいと思って居た日下部(くさかべ)咲良(さら)も、次に疑った(たちばな)絢歌(あやか)も、転生者では無いと言う。


(たちばな)絢歌(あやか)は怪しいと思ったのですけれど、実家が神社をなさってるとか、共通点もありましたし。

 まあ、見つからないのであれば、何時までも考え込んでる訳にはいきませんわね」


 そう、彼女には大きく分けて”2つの目的”が有る。


 一つは俊樹(としき)を”転生者”から守る事。


 涼子(りょうこ)の件で失敗した華凛(かりん)は、その失敗を生かして俊樹(としき)を丸め込み、自身のマンションに引っ越させるなど手を回して保護した。

 今は風紀委員会の副会長として、怪しまれない範囲で彼に付き添い、それ以外でも用務員に扮した佐助(さすけ)が目を光らせている。


 一先ず、居るかどうか不確定な”転生者”の件は置いて、もう一つの目的を達成すべく思考を巡らせた。


「今の所、”咲良(さら)”と”絢歌(あやか)”の2名ですか。

 しかし、何故俊樹(としき)さまは重たい女性ばっかりに付きまとわれるのでしょうね……」


 はぁ、と深く溜息を付くと、持ち歩いている胃薬を取り出し、ボリボリと錠剤をかみ砕くと、 キリキリした胃に爽やかな清涼感が広がっていく。


 編み込まれて頭の後ろで繋がっていた髪をほどくと、纏まっていた髪が風に煽られて、鳥の羽の様に広がった。


「やっぱり、”あたし”がちゃんと見極めなきゃ。

 今度こそ、ちゃんとした”お嫁さん”を見つけてあげるんだから」


 濡れたカラスの羽の様な黒髪を見つめながら、気合と共に胸の前でぐっと両手の拳を握りしめた。


「だから大丈夫だよ、”お父さん”」

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― 新着の感想 ―
[良い点] な、なんと、娘が転生していたとは!
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