村へ
謎の声。
見知らぬ場所。
これは、どうしたものか。
しかし、今は
「・・・守、黙ってくれ。」
とりあえず、こう言っておく。
これを言わないと、一生落ち着けないだろうから。
「ご、ごめん!」
守はハッとした表情をして、話すのをやめた。
素直なやつだな。
さて、落ち着いて今の状況を把握しよう。
・・・いくら考えても”知らない場所に倒れていた”としか言えない状況だ。
これは、どうしたものか・・・
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守に何があったかを聞いてみたが、自分とほぼ同じ。
通学路で気絶して、起きたらこの場所におり、
ひと通り驚いたあと、近くに倒れている”自分”を発見した、ということらしい。
・・・この言い方だと、守が守自身を発見したように聞こえるな。
昔から一人称は「自分」だったんだが、たまに不便なんだよなあ。
「俺」とか「僕」の方が良いのかな。
・・・おっと、考えが脱線してしまった。
とにかく、このままではいけない。
この辺りに人に、色々聞くのが一番手っ取り早いだろう。
しかし、周りは一面草原で、人がいる気配は・・・
「あっ!」
そう考えていた時、守が大きな声をあげた。
「見てよ、ススム氏!」
守が指さした方向を見ると、なんと数件の民家が見えた。
混乱して見落としていたが、どうやら遠くの方に村があったようだ。
そこに行けば、何か分かるかもしれない。
「よくやった、守!」
ポ○モンみたいに声をかけてしまったが、守は嬉しそうに照れていた。
本当に素直なやつだな。
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村へ行くために、2人で歩きだした。
守と話して気を紛らわせるが、色々な感情が浮かんでくる。
腹が減ってきたな。
少し寒いな。
・・・そして、自分たちに何が起こったのか。
これからどうなるのか。
それを考えると、深い闇を覗き込んでいるような気分になる。
そのたび、「何とかなるさ」と自分自身に言い聞かせる。
そんな葛藤をしている時、ふと
”いつもどおり”とは、全然違うな。
と思った。
自分のことなのに、どこか他人事に感じてしまっているようだ。
って、自分はいつもそうか。
不思議な感情に浸っていると、何時の間にか結構歩いていたようだ。
その証拠に、守がだいぶ疲れた表情をしている。
そんな自分もかなり足にきている。
だが、民家はまだ先の方だ。
苦しいが、今は歩くしかない。
ひたすらに。
間隔あいて、申し訳ないでやんす。
・・・申し訳ないです。
※追記 タイトルがあ!やっちまったあ!
「書きかけぇ!」→× 「村へ」→○