謎の声
「進くん、それ楽しそうだね。」
真っ白 な空間から 声がする。
「へー、子どもの頃から書いてるんだ。」
この声は
「私も、そういうの興味あるんだ。」
この声は たしか
「私たち、なんか似てるね。」
そう
「ねえぇぇぇ!ススム氏ぃ!!起きてえ!!」
・・・誰だこれ。
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「あっ、目を覚ましたんだね!良かったあ!」
「いやー、僕心配して取り乱しちゃったよ!」
「ホントに良かった一人は不安だったんだよぉ!」
目をあけるとそこには、眼鏡をかけた小太りの、見慣れた男が泣き叫んでいた。
彼の名前は、古田 守
高校1年の時、席が隣だったのがきっかけで知り合い、
たまたま趣味も似ていたので、そこから仲良くなった。
色々な知識が豊富で、個人的には面白いやつだと思う。
・・・が、ここまで聴いていれば分かる通り、すさまじく弱虫だ。
文化祭で夜遅く残っていた時は、死ぬほどめんどくさかったのを覚えている。
ああ、もう少しであの声の主が思い出せたのに。
なぜだか、どんな声だったか思い出せない。
こいつの声に上書きされたのか・・・?
「えっ、ススム氏なんで睨んでるの?」
お前のせいだよ。
「そ、そうだっ!いつまでも寝転がってないで、起き上がってみてよ!」
・・・そうか、目の前が真っ白になった時、自分は気絶してしまったのか。
それで、あの声を
「いいから、はやくはやく!」
・・・意識が戻ってすぐは、あまり動かない方が良いのだが。
そこまで言うなら、しょうがない。
守の催促に根負けして、言うとおりにしてみる。
よいしょ、と軽く反動をつけて体を起こす。
どうやら、体に異常はないようだ。
・・・が、
おかしい
おかしい、自分は通学路の道路にいたはず。
なんで自分は、”草の上”にいるんだ・・・?
見回すと、辺り一面が草原だった。
背の低い植物が、自分の周りに生い茂っている。
明らかに、通学路ではない。
混乱している自分をあざ笑うように、びゅうと風が吹き抜ける。
何が起こっている?
自分はなぜこんなところに?
あの声と、なにか関係が?
思考がまとまらない。
なんとか、なんとかして、落ち着かなければ・・・
「あー!その反応!!」
「僕もやった!同じだよ!!」
「やっぱりびっくりするよね!」
「ねぇ!聞いてる!?怖いから無視しないで!」
・・・。
「ねぇ!ちょっとぉ!」
「お願いだよ反応してよぉ!!」
・・・・・・。
こいつを黙らせたい、と思考がまとまった瞬間であった。
もうちょっとしたら、R15要素入れたいワン。