ハロー、異世界(Newワールド)!
今日も学校が終わる。
いつもどおり、変わりなく。
教室では、帰りの会が始まっている。
教師は、当り障りのない言葉で、今日の出来事を話した後
明日の予定を丁寧に、長ったらしく説明している。
「解散っ!」
ふと気づくと、教師は何が気に入らなかったのか、怒った調子でそう言い
足早に教室を出ていった。
周りからは「またヒステリか」といった声が飛び交っている。
自分は、さっさと席をたち、そのまま帰路についた。
自分の名前は、野村 進
高校の1年目を無難に過ごし、この春に2年へと進級した。
しかし、クラスの担任が”例の教師”に当たってしまい、頭を悩ませる毎日だ。
そう、毎日―――
何か新しい発見があるわけでも無い毎日。
でも、そんな”いつもどおり”も悪くない気がしたり、しなかったり。
そして、自分の”いつもどおり”の関心事といえば、自作の小説についてだ。
自分は昔から、趣味で小説を作っているのだが
ここのところ、毎回似たようなHシーンになっていて、とても困っている。
「もっと、こう・・・触手とかが良いのかなぁ・・・」
我ながら悲しい帰り道だ。
だが、それがいい。
・・・。
いつもどおり、ならば、そろそろ家に着く頃だが
・・・まだ着かない。
なんだか帰り道が、いやに長く感じる。
そして、何というか、少し体が軽くなった感覚もする。
そこの車も、宙に浮いているし。
「浮いてるっ!?」
自分でもびっくりするような大声を出してしまった。
車が、宙に浮いている。
プカプカというより、どっしりと、静かに浮き上がっている感じだ。
車内には誰もいないようで、あたりを見回したが、車を吊っている糸のようなものも見当たらない。
そうなると、これはもしかすると・・・
「ポルターガイストだあっ!!」
と、これまた大きく叫んだあとに、自分の両手で口をふさいだ。
落ち着こう。
落ち着いて、考えよう。
これは、TVのドッキリ企画かもしれない。
最近、一般人へのドッキリをおこなう番組を、見たところじゃないか。
素人では分からない仕掛けなど、いくらでもあるはずだ。
ここで慌てふためいて、もしドッキリだったら・・・死ぬほど恥ずかしい。
冷静さを取り戻そうと、そう自分に言い聞かせた。
「・・・よく考えたら、叫んだ時点で遅いか、ハハハ。」
ツッコミを口に出して笑うと、少しは落ち着いてきた感じがする。
そう思った瞬間
視界が 真っ白 になっていた
初投稿です。
力尽きそう。