2―メタ発言
秀久(笑)(笑)
昼休み時、生徒達は食堂に向かう者や教室で食べる者、更には早弁し既に遊びに使う者がいる
王立学園は広すぎる為、慣れない間は必ず行方不明となるほどの面積…施設、設備を持っている
故に未だ見つかって居ない場所がちらほらとあり、中でも『王立噴水広場』は一番美しい場所なのだが、一番見つかっていないのだ
しかし、とある生徒達がつい最近見つけ、今では彼らだけの秘密場所ともなっていた
「いただきます!ってえ…」
「もう…無茶して…」 秀久は弁当にがっつこうとしたがさっきの腕相撲の痛みが抜けず呻いた。幼なじみのつぐみは呆れたような深いため息をつく
秀久はむすっと表情を険しくすると赤い髪に中央三本毛が特徴な男性を睨みつける
「だってさ…カズのやつ…マジだったんだよ」
「勝負は真剣だから当然だろ?」
「いやいや、あんなのあるか!!腕がえぐれそうだったわ!」
「はっ!弱いからだろ!」
「んだとっ!」
「やるか!?」
徐々にエスカレートした二人はベンチから立ち上がりメンチの切り合いをする
――パンッ!
――ピコンッ!
「「っだぁああ!?」」
同時に頭を押さえうずくまる二人。つぐみはピコハン、深紅は扇子をしまうと二人に詰め寄った
「今は昼食だよ!はしたないよヒデくん!」
「カズくんも程ほどにせなあかん」
「「ぐ……」」
ごもっともだ。何も言い返せない二人はお互いを見るとフッと笑い、秀久はつぐみを膝に乗せる
「ひゃっ!ヒデくん!?」
「サンキュつぐみ。やっぱこうしてると落ち着くんだよな」
「~!」
つぐみは真っ赤になるが、彼の先ほどの気持ちを考えてか抵抗せずに弁当を口に運ぶ
「あれやな。つぐみはシュウくん相手やとツンデレになるんやなあ」
「ふえ!?な、何言ってるの深紅ちゃん!ね、ねヒデくん…」
同意を求めてみたつぐみだったが妙に静かだ…。三人は首を傾げながら彼を見ると顔をひきつらせた
「…………間違い?いや、強ち合っているかもしれない…。そう、それは例えれば吉野●の牛丼よりすき●の牛丼が美味いと同じ…つまりぁだぁああ!?」
「例えになってねーよ馬鹿。牛丼屋の味なんて人それぞれだろうが馬鹿!!」
「カズてめ…!馬鹿を連発するな!」
「馬鹿だから仕方ないだろ馬鹿!」
「…だああああっ!ムカつく!」
秀久は青筋を浮かべるとつぐみを下ろし犬のように威嚇を始める
「いいか一麻。確かに牛丼なんて人の好みで選択肢なんて変わる。けどな、俺はすき●の牛丼の方が拡大に美味いと思ってんだよ!尚かつ!俺の意見は誰にも変えられねえ!吉野●の牛丼なんてカレーが美味いだけだろうが!」
「お前謝れぇえ!!今すぐ謝れ!しかもカレーシーズン終わってるからな!」
「知るか!ガス●かバーミ●●と聞かれたら普通ガスぐへぇああ!?」
メタ発言?を言いかけた秀久に対し一麻は正義?の鉄槌をお見舞い。見事に宙を舞い噴水へと落下した。
「相変わらずやなあ…」
「……はぁ…。恥ずかしくて、ツッコむ気力も無くなりそうだよぉ…」
つぐみはハリセンで顔を覆うと深いため息を漏らす。確かに幼馴染にあんなことをされていると何故かこっちが恥ずかしくなってくるものだ…。
普段なら助けに行くが、つぐみは頬を膨らますとツンとした表情で噴水を眺めていた。
強ち深紅が言っていたことは間違いでは無いのかもしれない…
「はあ…はあ…なんでこんなに疲れるん…っくしゅん!」
「馬鹿だからだろ」
「なんだ…とぉ!いいか!すき●とか言うけどな?すき焼きってもんは普通家で楽しくワイワイとするもんだろうが!」
怒りMAXモードの秀久に一瞬構えるが、今の言葉で青筋が浮かび上がり、直ぐに構えを崩した。
「シュウ。こんな諺聞いたことあるか?」
「あ?なんだよ?」
「『馬鹿に付ける薬はない』」
「…何だそれ?馬と鹿に付ける薬が無いのか?ははっ!やだなあ!当たり前だろ…つかなんだその諺」
「変な蘊蓄を唱え尚かつこんな諺を知らないお前みたいなアホに付ける薬は無いってことだぁあああああああああ!すき●にまず謝れやあああ!」
「ちょっ不意打…ごほぉおおっ!」
鳩尾に鋭いツッコミ蹴りが炸裂し、再び噴水へin
流石に二人も呆れたのか既に無視していた。