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此岸  作者: 満腹太
7/16

6

宮殿を出た二郎とイリスは宿に向かった。


2人とも満腹すぎて昼寝がしたかった。


「ジロウ、アメン王はなんて言ってたの?」


宿に向かう途中にイリスが隣を歩く二郎に聞いた。


「ん?んー、まぁ、いろいろとね。」


「そういえば、東の森にオークの拠点があるらしいわ。ギルド主催で冒険者を使った大がかりな討伐隊を組むそうよ。」


「ほほう、それなら俺たちも参加するか?」


「ええ、出発は明後日。明日は準備の為に狩りは中止しましょう。」


「ああ、いいとも。」


「それと、買い物は全部ジロウ持ちね。」


イリスは二郎に笑顔で言った。


「ええ!」


驚く二郎にイリスが追い打ちを掛けた。


「だって、山賊の時もゴブリンの時もどうやって倒したか教えてくれないし、何かあるんでしょ?それを聞かないんだから、それくらいいいでしょ?」


「う、それを言われると…、はぁ、仕方ないな。明日は全部奢るよ。」


「やったー!」


うれしくて笑顔で飛び回るイリスを二郎は、まあいいか。と呟いた。



討伐当日


「良く集まってくれた!俺が今回の討伐隊のリーダーをする『燃え上がる太陽』のツギギだ!」


総勢30人以上の討伐隊は聖都の門の外でリーダーの話を聞いた。


「それで!今回のオークの討伐だが、東にオークの拠点!規模はそれなりに奴らがいる!調査の結果は最低でも20匹はいる!」


冒険者たちはツギギの言葉を黙ったまま頷いた。


「今から森に向かい、拠点のそばで待機!魔法使いが拠点に向かって魔法を放った後に、前衛部隊が突入し殲滅する!判ったか?」


冒険者たちがそれぞれ返事をするとツギギは満足そうに頷いた。


「んじゃ、それぞれのパーティーリーダー集合!討伐パーティーを組むぞ!」


二郎はツギギに言われた通り前に出ると、見知った顔があった。


「お、オジか。」


二郎が手を上げて挨拶した。


「ジ、ジロウ!無事だったのか!」


オジが驚いた。


「ああ、そういえば無事なの教えてなかったっけ?」


「ああ、あの多人数の山賊に無事に逃げられるなんて運がいいな!」


オジは笑顔で二郎の肩をたたいた。


「まあ、ね。」


二郎が苦笑いし視線をそらした。


「おい!そこの2人!こっち来い!討伐パーティー組めないぞ!」


ツギギが二郎とオジを注意すると2人は謝りながらツギギの方に歩いて行った。


「おう!今回は10パーティーを1つのチームに纏める!今回もギルドが主催だ!討伐報酬とは別にボーナスが出る!全員で38人の大規模臨時パーティーの出来上がりだ!報酬は全員に平等に分ける!んじゃ、カード貸してくれ!」


ツギギは10人のリーダーからカードを受け取ると、ツギギの後ろにいたギルド職員に渡した。


職員は小さな箱にカードを入れ、何か呟くと箱が淡く光りだした。


光が納まると職員はツギギにカードを渡した。


「カードを返す!んじゃ、行くぞ!」


ツギギは街道を東に歩いて行った。


その後を大勢の冒険者が続いた。


二郎とイリスは西のそよ風の面々と会話しながら進んだ。


アルミは二郎が死んだと思っていたらしくかなり驚いていた。





二郎達は何度かの休憩を挟み目的の森に着いた。


茂みをかき分け全員が周囲を警戒しながら進んで行くと先頭のツギギが立ち止まった。


彼の前方にはオークの拠点があり、焚き火の周囲に30匹近いオークがいた。


地面に寝転がっている者、座っている者、周囲を警戒する者がいた。


ツギギは後方に目を向け頷くと、イリスを含む魔法使い9人が中腰で進んだ。


その後を、弓を持った11人が追従していった。


二郎、オジを含む戦士隊は2手に別れ拠点を中心に左右に別れ突撃の準備をした。


ツギギはそれぞれが配置に着くのを確認すると静かに腕を上げた。


そして、放たれる魔法と矢の雨。


「ぶぎい、ぶぎぎぎぎ!!!」


体を燃やしながら逃げるオークを大量の矢が降り注ぎ、その命を奪った。


「放て!どんどん放て!!」


ツギギは大声で全体に指示をだした。


すでにオークが10体以上の息絶えていた。


「よーし!戦士隊突撃ーー!」


ツギギの言葉で未だ混乱しているオークに向って森の中から戦士達が駆けだした。


弓兵の中からも接近戦ができる者が飛び出して行った。


「オークには3人以上で当たれ!」


ツギギは戦闘をしながらも全体に指示を出していた。


二郎はオジと途中で合流したエリーナと組みオークと向いあった。


「てい!」


二郎が刀を正面に構えオークの右脇腹を突くとオークは右手に持っていた棍棒を振り回した。


棍棒を目の前で振り回されたので二郎の突きはオークの脂肪に少し刺さった程度でほとんどダメージが無かった。


「こっちだ!」


オークの注意が二郎に向かっている間にオジがオークの左手を斬り落とした。


「ぶぎ!ぶぎいいい!」


オークが痛みでさらに暴れだすとオークの後ろにいたエリーナがその矢をオークの後頭部に放ちオークは絶命した。


「よし!楽勝!」


オジが拳を握り締めながら言った。


「まだ、油断するなよ。」


二郎が周囲を見回して言うが、オークは時間を追うごとにその数を減らして行った。


「よーし!敵が全滅したな!帰るぞ!」


ツギギがオークの全滅を確認して森を出ようとした。


「うわあ!オーガだ!オーガがこっちにくるぞ!」


1人の冒険者がツギギに向かって言った。


「なに!あいつを仕留めるぞ!最初に魔法使い、次に矢だ!最後に近づいて足の腱をを切って倒すぞ!怪我してるやつは今のうちに回復しちまえ!」


ツギギの指示を聞き、全員が気合いを入れた。


すぐにオーガが見えた。


森の木々の上から覗く頭。その身長は10メートルと大きく全員が見上げるほどだった。


オーガ、10メートルの巨体を持ち踏みつぶしや森の木を使い攻撃してくる。


体中についた筋肉は並の攻撃をモノともしない頑丈さでCランクの冒険者では歯が立たない。


「う、うあああ!!」


1人の冒険者がオーガの恐怖に負け逃げて行った。


その後は芋つる式に多くの冒険者が逃げて行った。


「ック!二郎逃げるぞ!」


オジが逃げ腰で言うと二郎の返事も聞かずに逃げだした。


その後をアルミとエリーナが追いかけて行った。


「イリス!」


「ジロウ!どうするの?!」


二郎の後ろにいたイリスは恐怖で涙目になりながら二郎に聞いた。


すでに周囲にはツギギも逃げ二郎とイリスの2人だけだった。


「ジロウ!逃げましょう!」


二郎の手を引き逃げようとするイリスに二郎は静かに言った。


「イリス、先に行くんだ。誰かが足止めをしなければ直ぐに追いつかれてしまう。必ず生きて帰るから先に宿で待ってて欲しい。」


二郎はイリスの頭をやさしく撫でながら言った。


「…うん、まってるから。絶対にまってるから!」


イリスは二郎に口づけすると走ってその場を去った。


「グオオオオオオ!!」


オーガが二郎を見つけた。


すでにオーガとの距離は10メートル無かった。


「クックック、可愛い女の子のキスでテンション300%の俺に勝てると思うな――!!」


オーガは二郎に狙いを定めると足を横に払った。


二郎は後方に飛び足を避けた。


二郎がオーガを見上げると二郎の目前にオーガの巨大な拳が迫っていた。


オーガの拳が振り下ろされ、二郎は避ける暇も無く拳に飛ばされ森の中に飛んで行った。


「ち、ちくしょう!クソ痛ぇ!」


木々を数本折りながらも二郎は悪態をつける余裕があった。


二郎は起き上がるとオーガの元に駆けだした。


オーガも二郎が起き上がるのが見えたので拳に力を入れ、迎撃の準備をした。


二郎は再び振り下ろされるオーガの拳を前進する速度を上げる事で避け、オーガとすれ違い様にの右脛を深く切り裂いた。


「ガアアアアアアアア!!!」


二郎の斬撃は骨を切り裂き足が半分以上切断されていた。


オーガは苦痛の表情で思わず左膝を付き傷を押えてしまった。


「チャンス!」


二郎はオーガの背中を駆け昇り、首の後ろから一気に刀を薙ぎ払った。


「グボォ!!」


オーガの首は宙を舞い地面に落ちて行った。


二郎は倒れゆくオーガの体から飛退いて地面に降り立つと大きく息を吐いた。


「はぁ、倒れた時の追撃が早ければ危なかったな…」


二郎はオーガに黙とうを捧げると聖都に向かって歩き出した。


少し歩くと先ほどの冒険者たちが死を覚悟した表情でオーガを待ち構えていた。


「お、おめえ無事だったのか!」


ツギギが二郎のそばに駆け寄ると無事を確かめた。


「はい、大丈夫です。あのオーガは倒しました。」


二郎の言葉で周囲の冒険者が騒ぎだした。


「本当ですよ、証拠にカード見てくださいよ。討伐にオーガって乗ってるでしょ?」


二郎はツギギに冒険者カードを見せるとツギギの表情は固まってしまった。


「ジロウ!!」


二郎は冒険者たちの中から聞きなれた声が聞こえた。


声の方向を見るとイリスが立っていた。


イリスは泣きそうな顔をしながら二郎に駆け寄ると二郎が生きているか確かめるように抱きついた。


「よかった、よかったよ~」


二郎の胸元で泣くイリスを宥めるように優しく頭を撫でた。


「凄いな!ジロウ。この前は30人以上の山賊、今回はオーガか。お前の強さの底がしれないな。」


いつのまにか二郎のそばにいたオジは腕を組みながら笑顔で二郎を見ていた。


「ああ、今回は特に気合いが入ったからな。」


二郎は泣いているイリスを見ながら答えた。


「おう!今回の討伐で死人はゼロ!けが人は何人かいるが、全員軽症だ!さぁ、帰って打ち上げだ!」


ツギギが冒険者たちに大声で言うとそれぞれが聖都に向かって歩き出した。


二郎とイリスも寄り添いながら生徒へと歩きだした。



聖都へ着くとツギギと討伐を依頼したギルド職員から全員に今回の討伐数と成功報酬を均等に振り分けられた。


その後は、気心の知れたパーティー同士で打ち上げを行うことになった。


二郎とイリスは西のそよ風の3人と打ち上げになった。


二郎とイリスは宿を変え西のそよ風の泊まる宿に宿泊先を変更した。


その宿は冒険者用の1人部屋が多かった。


「それじゃ、討伐の成功を祝って!カンパーイ!!」


「「「「カンパ――――イ!!」」」」


オジが乾杯の音頭を取るとそれぞれが笑顔で食事を始めた。


それから2時間、料理はほぼ食べつくし残ったのは酔っ払った二郎、イリス、エリーナの3人だった。


オジとアルミは少し前に風に当たると言って出て行ってしまった。


イリスは椅子に座ったまま頭を下げ寝ていた。


「エリーナ、真面目な話なんだけど良いかな?」


二郎は赤い顔をしたままエリーナをまっすぐ見つめた。


「ンフフ、何ですか?いいですよ。」


何が面白いのか笑いながらエリーナは答えた。


「イリスの事、頼む。俺にしか出来ない依頼を受けた。それにはイリスは連れていけない。だから、俺が居なくなったらイリスの事を頼む。」


二郎はエリーナに向かって頭を下げた。


「ンフフ、いいですよ。イリスがパーティーに入れば攻撃魔法が使えますから楽になりますねー。」


エリーナは頭を揺らしながら返事をした。


「それで、ドコまで行くんですか?」


「ちょっと北の大陸まで。」


二郎は買い物にでも行くような気軽さで答えた。


「そうですか。それは気をつけて。」


エリーナは二郎の答えを本気にしなかった。魔族の住む北の大陸に自ら行くのは自殺行為だった。


「ああ。んじゃ、今日は終わりにしよう。エリーナもそろそろ部屋で休んだほうがよさそうだ。」


「そうですね。そうしますー。」


エリーナは椅子から立ち上がると千鳥足で部屋に向かった。


「さて、お姫様を寝かせますか。」


二郎はイリスを抱きかかえるとイリスの部屋に寝かせに連れて行った。


イリスをベットに寝かせると胸を2揉みして部屋を後にした。



翌日


二郎が朝食を食べ終わっても食堂に現れないイリスを不審に思い、部屋まで迎えに行った。


二郎が部屋をノックすると中から唸り声が聞こえた。


「イリス?大丈夫か?中に入るぞ」


二郎は扉を開けて部屋に入るとイリスがベットの中で唸っていた。


「イリス、二日酔いか?頭痛いのか?」


二郎の質問にイリスは唸って答えた。


「はぁ、仕方ない。少し待ってろ。」


二郎は部屋を出て食堂に向かった。


食堂の厨房から水差しとコップを借りイリスの部屋に戻った。


「ほら、水持ってきたから。これ飲んでゆっくり休むんだ。」


イリスは死人のように、ゆっくり起き上がると二郎から渡された水を飲んだ。


そのまま倒れるようにベットに潜り込んだ。


「それじゃあ、今日はお休みで。ゆっくり休んで。」


二郎はイリスの部屋から出ると馬屋から馬を借り東の森の奥に向かった。


馬を降り、近くの木に繋いだ二郎は自分の能力を確かめようと幾つか変身した。


炎の魔人


バシリスク


ワーウルフ


ドラゴン


と、今まで変身したの物には1秒もかからずにスムーズに変身できた。


そして、今回は新たに


半人半馬のケンタウロス


牛頭人のミノタウロス


と2種類の変身を二郎は行った。


ケンタウロスは馬以上の速さで大地を駆け巡り、


ミノタウロスはその怪力で大岩を持ち上げ砕くことが出来た。


二郎は武者に姿を変え聖都に向かった。


ギルドに入ると何故か大騒ぎをしていた。


多くの魔法使いが口々に東の森に魔族が現れたと言い、職員に詰め寄っていた。


「わかりました。調査隊を組みます。」


根負けした職員が渋々と調査隊を派遣することに決めた。


二郎はそれを聞き流しながら依頼書を眺めていた。


ギルドから出て買い物をした二郎はイリスの寝込む部屋に向かった。


ドアをノックするが、返事はなかった。


「イリス入るぞ。」


二郎がドアを開けるとイリスはベットの中で眠っていた。


二郎はイリスの布団を直すと静かに部屋を出て行った。


結局イリスはその日は起きることはなかった。


二郎は部屋で地図を眺めていた。


(聖都は南の大陸の西側中央にある。最初にドラゴンの姿で行ったアムルは聖都の北西。冒険者登録したドリートはアムルから南、聖都の西にあるな。)


二郎は今までの通った後を指でなぞりながら思い出していた。


そして、南の大陸の地図を頭に暗記しようと努力しているうちにイリスの寝顔を思い出し抜いた。



翌日


二郎が朝食を取っているとオジが現れた。


「やあ、おはようジロウ。合席いいかな?」


「おはよう、オジ。座ってくれ。」


オジは朝食のトレイを置き自らも座った。


オジは静かに食事を始めた。


「…オジ、どうした?」


「ああ、エリーナからイリスの事を聞いた。どうゆう事だ?」


「…誰にも言わないって誓えるか?」


二郎は真直ぐにオジの目を見た。


「ああ、誰にも言わない。」


「アメン王から直々の指名だ。それに長期に渡り潜入調査だ。周りは敵だらけ。俺一人なら逃げ切る自信はある。だがイリスまで守りきる自信はない。」


「そうか…。差支えなければ潜入先はどの辺りだ?」


オジは潜入先の地名から、その周囲の有名山賊や海賊を予想しようとしていた。


「ああ、北の大陸だ。」


オジは飲んでいたスープを吹き出し驚いた。


「おい!まて!それはない!そんな依頼は断れ!」


オジは立ち上がり二郎に依頼を断るように説得し始めた。


「考えてみろ。どうやって行くんだ?行った先の潜伏先は?誰がジロウを匿ってくれんるんだ?それに、こちらとの報告係りはいるのか?そんな穴だらけで危険な依頼は断るんだ。死にに行くような物だぞ!」


「オジ、落ち着け。それに座ってくれ。周りが見てるぞ。」


周囲の目は立ち上がり叫んだオジに集中していた。


オジは恥ずかしそうに座った。


「…すまんな、オジ。この依頼は俺しかできないんだ。だから、俺が帰ってくるまでイリスの事を頼みたい。西のそよ風なら信じられる。」


「…そうか、わかった。ただし、ジロウが帰ってくるまでだからな。」


「ありがとう、オジ。そんな、オジに耳寄りな情報が1つ。」


「ん、なんだ?」


「ここの宿、大型の浴室だろ?男と女別れて入るだろう?その、女湯は隣の家の屋根から覗けブッ!!」


二郎の後ろに立っていたイリスが二郎の頭に鉄の杖を振り下ろしていた。


「はいはい、くだらないこと言わないの。まったく、オジと一緒にいるとジロウまでスケベになるんだから。」


イリスは溜息交じりに二郎を見ると、二郎は頭を押さえて唸っていた。


「ちょっと待って。オジは普通よ。ジロウが変なこと言うからいけないのよ。」


イリスの隣に立っていたアルミがイリスに反論した。


「なによ。オジと良い仲になったからって、悪いこと全部ジロウのせいにしないでよ。」


「はいはい、2人ともそれまで。」


イリスとアルミの間にエリーナが割り込み話を止めた。


「オジ、あの話したの?」


エリーナがオジに言うと、オジは静かにうなずいた。


「そう、ジロウはイリスに言ったの?」


二郎は話の流れからイリスの西のそよ風に入る話と直ぐに理解した。


「いや、まだだ。その話は長くても1年以内で準備出来次第なんだ。」


二郎はオジとエリーナに旅立つのが1年以内と告げた。


「なに?何の話なの?」


イリスは話が分らずに二郎に訪ねた。


「ああ、…非常に言い難いんだが、ボクチャソースを一時的に解散しようと思う。」


「え!?何で!どうして!?」


イリスの大声で再度注目を浴びた二郎はイリスの手を引き部屋に連れて行った。


「ここでなら落ち着いて話せそうだ。」


「どうゆう事?解散って何?!」


部屋に入った途端、イリスは二郎に掴みかかる勢いで訪ねた。


「ああ、…説明しよう。」


二郎はベットに腰をかけるとイリスも隣に座った。そして二郎が口を開いた。


「アメン王と2人で会った時に依頼されたんだ。北の大陸で魔物の発生の原因を探る事を…」


「待って!なんでジロウなの!どうして!」


イリスは二郎の袖を掴んで涙目で訴えた。


「…すまない。どうしても俺じゃないと出来ないんだ。」


「それなら、私も連れて行って!」


イリスは二郎に抱きつきいた。二郎はイリスの頭をやさしく撫でながら言った。


「…ゴメン。でも、必ず帰ってくるから。」


イリスは二郎の胸元から顔を上げた。


「俺が約束破ったことないだろ?絶対に帰ってくるから、待ってて欲しい。」


「…うん、わかったわ。」


イリスは見上げたまま、瞳を閉じた。


二郎はイリスの額にキスをした。


「さあ、朝食に戻ろう。」


二郎はイリスを立たせると、自らも立ち上がり足早に部屋を去った。


「…意気地なし…」


小声で罵倒するイリスは嬉しそうだった。



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