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ギロチン悪役令嬢の異世界配信~断罪回避するために、幼少期から配信したら、好感度オバケになっていました~  作者: 大福金


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8/13

リリーローズ

 色々と考えた結果、アルビダは直接聞くことにした。

 このままでは、良いアイデアも浮かんでこないまま、ただ時が過ぎていくだけ。

 

「あのうジェイデン様、妹のジュリア様のことが心配で、お茶会どころではないのですよね?」

「……えっ、確かにジュリアのことは心配なのですが……」


〝しまった……表情に出ていたのか?……考えを悟られるなんて失態だ〟


 ジェイデンは、自分が心ここに在らずだった事をアルビダに気付かれ、情けなく思い少し落ち込んでしまう。


 心の声が聞こえたから、内心がわかっただけで……。

 もっと違う言い回しをしたら良かった。

 どうしましょう。ええとええと……。


「あっ、いえその……表情に出ていたわけではなくて、ジェイデン様はお優しいので、大切な妹のジュリア様が病に伏せっていたら、きっと心配でお茶会どころではないかなと思いまして……」


〝ああ……なんだそういう事か……って! 僕は表情に出ていたのかって、言葉に出していたのか。そっちの方が恥ずかしいぞ〟


 今度は右手で口元を押さえ黙り込むジェイデン。耳だけ少し赤く染まっていた。


「そうではなっ……」

「え?」

「なんでもないです」


 危ない危ないですわ。そうではなくて、心の声が聞こえるだけです! と良いそうになってしまいましたわ。


〝とりあえず落ち着け。冷静に、動揺していたらアルビダ嬢を困らせてしまう〟


「んんっ、すまないね。気を使わせてしまって」


 ……何だかこちらこそすみません。


「いえ、大丈夫です」

「その……。アルビダ嬢の言ってる通り、僕は妹のことが心配で……」

「だって大切な妹さんなんですもの、心配なのは当たり前です」

「ありがとう。ただの病ならここまで心配しないんだ。謎の病にかかったみたいでね。病名が分からないんだ」


 ジェイデンは唇を軽く噛み締めた後、少し俯き深呼吸をした。

 呼吸を整え、心を落ち着かせたいのだろう。


「何人もの治癒師を呼び治療をして貰いましたが、病相が分からないことには治癒のしようがないのだと、全員から言われました。怪我や欠損まで治せる治癒師でさえ匙を投げた」

「そんな……でも分かります。わたくしのお母様の病気も、治癒師の方は治せませんでした。ですから……わたくしの夢はお母様の病気を治すことでした……っ」


 母を思い出したのだろう。アルビダは今にも泣きそうな瞳をしている。

 

「アルビダ嬢……」


 そんなアルビダを切なそうに見つめるジェイデン。自分と姿を重ねているようにも見える。


「え?」

「泣きたい時は我慢しなくて良いんですよ?」


 ジェイデンが優しくアルビダの頭を撫でた。


「ふぇ…… あっ、ありがとうございます」


 わたくしにお兄様はいませんが、いたらこんな感じでしょうか?

 何だか嬉しくて泣きそうですが、妖精さんに泣くのはダメだと言われました。どうにか心を落ち着かせるのです。


「わたくしは大丈夫です。大丈夫じゃないのはジェイデン様ですよね? 妹さんの所に行ってあげてください。今はそれが最優先です」


 アルビダは両手を胸の前で強く握り締め鼓舞する。


「アルビダ嬢……すまないね。甘えさせて貰うね」


 ジェイデンは再びアルビダの頭をふんわりと撫でた後、急いでその場を去って行った。


「このお礼は必ずするからね」


 ジェイデン様の妹ジュリア様の病気が治りますように。


 さてと、わたくしは会場に戻りましょう。


 アルビダは再びお茶会の会場に戻るのだった。




 ★★★



 何だか、あの場所だけすごく賑わっていますわね。


 会場に戻ると、多くの人が集まっているグループが目にとまる。

 気になりアルビダはその場所に近寄ると、どうやら一人の少女にたくさんの少女たちが群がっているようす。


 なるほど、中央にいる女性にみなさまが注目していますのね。

 着ているドレスのデザインが、他の人たちと少し違うようにも思います。オレンジ色の髪色に緑色の瞳……?


 ————あれ!?


 中央にいる方は……もしかしてリリーローズ様では!?

 

 アルビダはこの少女がリリーローズかもと思い、思わず一歩前に出たことで中央にいる少女と目があう。

 次の瞬間アルビダと目があった少女の頬が桃色に染まる。


「真紅に煌めく薔薇のように美しい髪……ああっ、あなた様はアルビダ・イングリットバークマン様ですか!?」


 少女が少し小刻みに震えながら、アルビダに話しかけた。

 そのことにより、その場にいた人の視線がアルビダに集中する。

 急に自分が注目されアルビダは、どうして良いのか分からず言葉に詰まる。

 大勢の人に見られてると思うだけで、恥ずかしくて耳まで赤く染まっていく。


 どうしましょう、こんなに注目されるなんて。

 でもお返事をしないのは失礼ですわ。


「イングリットバークマン公爵家が娘。アルビダ・イングリットバークマンです。皆様、仲良くしていただけますと嬉しいです」


 アルビダは恥ずかしいのを必死に堪え、精一杯挨拶のカーテシーを披露した。

 そんなアルビダの姿を、話しかけてきた少女は瞬きもせず、じっと見つめている。その姿はまるで、一瞬(ひととき)もアルビダの姿を見逃さないようにと見ているかのよう。


「あああっ、なんてなんて美しいのでしょう! 想像が掻き立てられますわ! アルビダ様とお呼びしてもよろしいですか? あっ、自己紹介がまだでしたっ! 私はシュトロン侯爵家が娘リリーローズ・シュトロンと申します! アルビダ様! 是非是非仲良くしてくださいませ!」


 頬を染め、鼻息荒く話しながら、興奮気味にアルビダに近寄るリリーローズ。


「ふぇ!?」


 そんなリリーローズに圧倒され、アルビダはどうして良いのか分からず固まってしまった。



 妖精さん? 

 リリーローズ様にお会いしましたが、わたくしの想像と違っていたのですが……あのう……本当に……仲良くして、大丈夫ですのよね?




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