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1話 プロローグ

プロローグ2。神界での最高神と女神の遣り取りが主軸になってます。

“”デスブラックフレア“”その魔法は、その名の通り“”死の黒炎“”


デス・ブラック・ドラゴンから放たれる黒炎が大地に降り注げば、一瞬にして世界が焦土と化すと言われている。


そんな厄災が現れたため、そのドラゴン討伐を成すために、星の管理者である女神シャルディーナが、勇者として愛し子を召喚したのだ。


7回目の転生で地球に生れ落ち、“”水無月 颯“”として、やっと平和に暮らしていたのにだ。


女神の言い分としては、『自分が管理する星で活躍してほしいの。悪者を剣で成敗する正義のヒーローって素敵じゃない!それに、たまに神域へ呼び出して愛でたいし、イチャイチャしたいのよ』だ。


仕舞いには、『愛し合う2人を引き裂くなんて酷いわ!横暴よ!』と、天照大神様に向かって言い募った。


度重なる使命と転生で疲弊した魂の救済として、地球へ転生させた大神様に向かってだ。



天照大神『女神シャルディーナよ。其方の愛は重すぎる。それに引き裂いてなどおらん。一時的な救済処置だ』



女神『救済なんていらないわ!彼は私のなの!返して!』



その愛情が女神からの一方通行な想いだとしても、彼女の中では“”相思相愛“”なのだ。


全く。溺愛にも程がある。振り回される彼の魂が不憫すぎる。天照大神は女神の言い分に盛大な溜め息を吐いた。


そんなに愛してるなら、もう少し平和な世界を造って招いてやれよ!と、言ったところで無駄だろう。

シャルディーナは、地球の日本で流行っている異世界系の物語が大好きで、その世界観を参考に星を造っているからだ。


世界観が同じなだけで、物語のように必ずしもハッピーエンドにはならないのだが、シャルディーナは造っては崩壊させを繰り返す。


彼の魂を主人公にして、態々自分の眷属である黒龍をラスボスとして嗾け、死闘を繰り広げさせるのだ。その度に彼は死に、星が消滅する。


神からの執着と溺愛は、度が過ぎれば唯の呪いだ。そう思わずにはいられない。


“”女神シャルディーナの愛は残酷だ“”天照大神様はヤレヤレと首を振って、自分の星へと戻っていった。



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ここで閑話です。神や女神が管理する星について説明しよう。


宇宙にある星々には、その星を管理する神や女神がおり、それぞれの神達には最高神より課題が出されている。


それが、管理する星の“”安寧“”だ。


どんな世界にするのかは神々次第。亜人だけの星や、人間と亜人が数多いる星、魔法と科学の発展した星や、日本の御伽噺が元になった星など、沢山の星々がある。


その中で、最高神が認め神々が感嘆する星が一つある。


それが“”地球“”である。管理者は天照大神。


長い歴史の中で混沌とした時代もあり、今なお戦争している国や飢餓者もいるが、地球の“”日本国“”は平和そのもので、最高神が求める“”安寧“”がそこにあった。


神々は、最高神が絶賛する“”日本“”へ時たま訪れ、その国を参考に自分の世界を作ったり、小説や漫画を参考にしたりと“”安寧の世界“”を目指し、各々が力を奮っている。


だからといって最初から上手くいく星など微々たるものなのが現状で、これまで幾度となく造っては消え、造っては消えを繰り返している。


その度に頭を抱える神々だが、なんとか星を維持している仲間に助言を貰っては新たに星を造って頑張っているのだ。


--------------------------------------------------


そんな神々の中の一柱である女神が、シャルディーナだ。彼女の星が一つ、またしても消滅した。

神域で呆然としている彼女の元へ、神々達の管理者である最高神ゼウスが姿を現した。



最高神『....のう。シャルディーナ。お主また一つ星を消してしまったのかの?』



女神『ひゃ!!ゼゼゼゼウス様ぁ!?』



最高神『ふむ。お主のお気に入り魂を、今回は日本から召喚という形で招いたのだろ?またしても失敗してしまったのかい?』



女神『そ、そ、それは....あぅ、あぅ、えぇ~ん!今回こそは上手くいくって思ってたんですぅぅ』



何度転生しても欲に溺れない、真面目で努力家な私の愛し子なのにぃ!

今回はチート能力爆盛りで勇者として召喚させたのよ!日本の小説をモデルにしたの!

その甲斐あって数多の悪を滅ぼし、最終的にラスボスとして送り込んだ黒龍を討伐したの!



女神『はぁ....素敵だったわぁ』



女神シャルディーナは、泣きながら最高神に訴えていたのだが、彼の勇姿を思い出して、ポポポと頬を桜色に染め、手を添え悶え始めた。



最高神『........』



そんな残念な女神を、目を細め見詰めている最高神。

偉大な神は、またも犠牲になってしまった魂を不憫に思い、女神に忠告をする為に彼女の神域に降り立ったのだ。


最高神ゼウスが現れたというのに、この女神は最初だけ反応し、あとは『きゃぁ』『いやぁん』『うふふ』と身体をクネクネさせて自分の世界に入っている。



女神『もう私のモノにしていいわよね!星は消えちゃったけど一応使命を果たしたし、彼を天界へと招き、伴侶になって貰うのよ♡

ラブラブイチャイチャしながら、また別の世界を造るわ!彼と一緒に♡』



最高神(あの男も可哀想にのう。シャルディーナに溺愛されてるせいで何度も転生させられ、今度は召喚。

そして努力虚しく救った世界が崩壊....何度もそんなことを繰り返しているから、魂の損傷が激しいのだよ)



ヤレヤレと首を振った最高神は、指をパチンッと鳴らし、未だクネクネしてる女神を強制的に動きを停止させた。

現実に戻ってきた彼女が、やっと話を聞く体制になったのを確認してから、最高神が口を開いた。



最高神『女神シャルディーナよ。幾度となく使われた彼の魂は、寿命を残したまま転生を繰り返した為、激しく損傷し消耗しているのだ。

このままだと神界に連れてくる事も出来ないし、其方の望む伴侶になど成れぬのだ』



女神『えっ!どどどうしてですか?使命を果たしたら結ばれても良いと仰ったではありませんか!』



最高神『うむ。其方に課した使命は、世界を安寧に導く事。彼の使命はその世界で寿命を全うする事。そして心から幸福であったと思う事なのだよ。

だが、今回も寿命を残したまま、短い人生に終止符を打ってしまった。このままでは完全に魂は消滅する』



女神『....そんなぁ....ハッ!そういえば彼は!?あの星から回収しようと思ったら、もう居なくなっていたのです!』



最高神『彼の魂は回収済みだ。安心せい』



女神『え!?わぁ!ではもう一度転生させて、今度こそ幸福な人生を送らせてあげなきゃだわ!そして寿命後には私と愛の巣でイチャイチャちゅっちゅよ!』



こうしちゃいられないわ!フンスッ!と、シャルディーナは気合いを入れて新星を造り始めた。


(今度はどの小説を参考にしようかしら!ラブロマンス系はダメなのよ。私以外と恋愛なんてさせないわ!

あ、そうだわ!簡単に死なないように、あの物語の竜人に転生させようかしら!番を設定しなければ恋愛なんて出来ないはずだもの!)


またもや女神は、最高神をそっちのけで自分の世界に入り込んでしまった。

だが、いくら新しい星を造ったとしても、彼の魂は女神の元には現れない。


何故か?


それは....最高神ゼウスが回収し、上級神界で保護しているからだ。


この女神に任せていては、折角の神候補の最上魂が滅んでしまう。


そう思った最高神が、彼の為、女神の為、そして自分の為に、自ら命を与える事に決めたのだ。



最高神『....悪いのぉシャルディーナ。彼奴は私が加護を与え、新しい星へと転生させるでな。

その為に、一時的に彼奴への想いや執着心を封印するぞ。許せ』



そう呟いてからパチンッと指を鳴らし、シャルディーナから彼の記憶だけ封印した。

術を掛けられ、ボーッとしている女神の頭をひと撫でし、憐憫の眼差しを向けたあと、最高神ゼウスはシャルディーナの神域から姿を消した。


記憶を封印された女神シャルディーナは数分後、何事も無かったかのように動き出し、目の前のパネルに向き合い、新しい星を造る為に指を動かした。


その様子を漆黒の身体を持つ金色の瞳が後ろから静かに見詰めていた。

物語に出てくる黒龍は、女神の眷属です。


※アルファポリスでも同作品を投稿してます。そちらには挿絵投稿もしてます。

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