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1章12話 食堂で騎士の誓い

料理実食です。


ガヤガヤガヤ……


「うっま!!辛いけど美味い!」

「ヒィヒィ、フーッ。かっらい!でもクセになる味!」

「このサラダも美味い!ピリッとした風味が良い」

「ガツガツガツガツ」

「コレは嵌りますね。色は毒々しいですが」

「王子殿下、天才だな……料理の申し子か」

「この白い粒々がスープに絡んで美味ですねぇ」

「うぅぅ……美味い……飯が美味い……」


あちこちから聞こえる嬉しい反応に、ハヤテはご機嫌でニコニコしていた。


(良いね良いね。耳がピコピコ尻尾ブンブン。可愛いやないかい。あ、あの人は毛が逆だってんな、辛かったか)


ジャウフレ「このカレーライスというのは神の食事か……食べる事に興味が無かったのは、ただ単にこの国の食事が不味かったんだな」


サリバン「ちょっと私には刺激が強いですね。美味しいのですが、口の中がヒリヒリします。ふぅふぅ。

サラダをもう少し頂きたいですね。このゴマ油でしたか?コレがとても美味しいです」


マーレー「美味い!辛い!肉柔らか!最高!」


うんうん。カレーは異世界人にも好評だね。今度はカツカレーにしてあげようかな。タルタル玉子サラダも良いよね。一度に大量生産出来るご飯といえば、牛丼、カツ丼、親子丼?あとはシチューかな?パスタも良いかもね。


ハヤテは手元にあるスプーンを持った。

カレーライスを掬った。米とカレーの割合が完璧だ。

ゴクッと喉を鳴らし、気合いを入れて口に含んだ。

「モグモグ……」と咀嚼しながら涙目だ。鼻水も出てる。


(ヒィィ。辛いぃぃ。舌が痛いぃ。中身は20後半でも、2歳児は子供舌だったかぁ)


「うぅぅ、水、水……ぷはぁ」(ん?ありゃあ)


辛さに悶絶し、水で口の中を冷やしてたら、周りから視線を感じた。グルーっと見回したら、皆さん皿が空っぽ。


「サリバン、オカワリ分残ってないの?」


サリバン「いえ、それが……スープはまだあるのですが、白いコメが無くなってしまって」


「あ、そうなの?じゃあ、パンに付けて食べる?ロールパンが沢山あるから」


確か、ロールパンが無限に出せるはず。レーズンパンも出しとこうかな。

マーレーにパン籠を持ってきて貰い、収納からパンを大量に出して、「はい、どうぞ〜」


食べて食べて〜と手で示したのに、誰も取りに来ない。何か椅子の上でソワソワしてて困惑している。

ハヤテも同じく困惑し、「???」と、首を傾げてる。見兼ねて声を掛けたのはジャウフレ隊長。そしたらやっと動き出した。


ジャウフレ「くくく。ここにいるヤツらは、みんな亜人で平民だ。だからな、誰かに施しをされるなんて経験が無いんだわ。それがましてや王子からってなりゃ困惑もするだろ」


まぁ、そうか。前世でも平民の扱いって酷かったもんな。


「えぇぇ。そっかぁ。気にしないで食べな食べな。干しぶどうのパンはオヤツに持ってきな」


(人族の騎士の前で食べてやれ。見せつけるようにな!)


どの世界でも貴族は偉そうで嫌だね。1度目の人生なんて、農民で平民だったから、Sランクになるまで貴族にコキ使われてたもんな。

「あれ取ってこい」だの「あれ始末しろ」だのと、上から目線で命令して、報酬もケチってさ。


(アイツ生きてんのかね。イボガエルに似てて、ゲコゲコといつも鼻鳴らしてたんだよな。存在がギャグだったわ)


サリバン「オヤツ?とは?」


「え?ああ……(それも存在しないのか)あれだよ、小腹が空いた時に食べるの。間食ってやつ」


マーレー「まさか!貴族がお茶会で食してる菓子みたいな感じですか?コレを持って行って良いと!?」


あ、菓子はあるのね。クッキーとか?


「どうぞどうぞ。沢山あるからね」


「「「うおおおおぉ!!第3王子殿下は神!!天使!!我ら黒騎士団は忠誠を誓います!!」」」


「!?」(ビックリしたぁ)


野太い声での雄叫びは、迷惑でしかない。嬉しいのは分かるが吠えないでほしい。心臓止まるかと思った。


ジャウフレ「我ら黒騎士団は、貴方様を守る者として、盾となり、剣となることを誓う。

忠誠を尽くし、我が王子を守り、誠実であることを誓う。我が行為は正義に従い、誇り高き騎士としての使命を果たし、永遠に忠誠を尽くすことを誓う」


そう言って、ジャウフレが剣を掲げて片膝付いて頭を垂れた。騎士の忠誠だ。それに倣って全員が胸に手を当てその場で片膝付いた。


「えぇぇ……。此処でする?しちゃう?俺に忠誠じゃなくて、ご飯に忠誠じゃないの?あはは。参ったね」


ここまでされたらNOと言えない元日本人。ええ、ええ、受け入れますよ。ご飯に忠誠でも良いですよ。


「アルカディア国、黒騎士団総員(人族以外)の忠誠を受け入れよう。君達に誠実に尽力することを誓う。永遠の忠誠に感謝し、共に歩もう」


こんな感じ?前世では「国の未来を〜」って言ってたけどね。それは、自分の国を造った時に、付いて来てくれた人にだけ言うからね。


ジャウフレ「有り難き幸せ。これより我が黒騎士団は、剣と盾をもって貴方を守り、共に歩みます」


騎士団「「「剣と盾をもって!!」」」


うんうん。熱いねぇ。そんな頑張らんで良いからね。ほどほどで宜しくね。



誓いのあと、訓練に向かう面々とバイバイ〜っとし、マーレーとサリバンが交代の時間になったので、代わりの2人紹介された。


まず1人目が、ニコラス。豹人族で、金と襟足だけ黒色の髪に金の目のイケメンさん。細く靱やかな体躯で、スキル《瞬足》《縮地》持ち。さすがネコ科。


もう1人が、ダッチョ。ダチョウだと思ったけど竜人族だった。水色の長髪に紺色の目のイケオジさん。体格が良く、寡黙な雰囲気。スキル《濁流》《津波》持ち。災害だね。


「よろしく、ニコラスとダッチョ」


「「はっ!何なりと申し付け下さい!」」


(普通で良いんだけどね)


「で、ジャウフレは休まなくて良いの?」


昨日からずっと、寝る時以外そばに居るんだが。大丈夫なんだろうか。


ジャウフレ「夕べ休んだから大丈夫です。それと、俺は護衛筆頭だから、朝6時〜夜12時まで勤務で、夜は普通に休めるんですよ」


「ほうほう。まさにブラックだね。社畜だねジャウフレ」


あ、意味通じてないね。首傾げちゃったよ。


ジャウフレ「王子は時々わからない言葉を使いますね。神の世界の言葉ですか?」


ニコラス「おお。神の言葉か」

ダッチョ「……ああ。尊いな」


なんか2人が光悦としてるんだが。ただの日本語だよ?神の言葉じゃないよ?やめて、崇めないで。


「神の言葉ってなにさ。う〜ん、この言葉は地球っていう星の、日本国で使われてる言葉ね。俺の前世の言葉」


ジャウフレ「え!?まさか、記憶持ちなんですか!?そして《ニホン》とは、英雄リョウの故郷だという、あのニホンですか!?まさか……知り合い……なんてことは……」


転生の事を《記憶持ち》って言うのかな?そうです記憶持ちです。7回分のうちの3回分の。そして、涼太くんの親友です。


ニコラス「……まさか……あの伝説の英雄リョウと……」

ダッチョ「大地を指先一つで復活させた伝説の……」


マジか。指先で大地を復活……涼太凄いな。どうせ『大地よ復活しろ〜草生えろ〜』とか言ってたに違いない。


「涼太ね。知り合いというか、大親友だね。同一人物ならね。それより、記憶持ちって前にもいたんだね。どんな人だったの?」


ジャウフレは、ハヤテがそこまで偉大な存在だと思ってなかった。ただ、産まれた直後に神の加護が付いたのだとばかり思っていた。なのにまさかの記憶持ちだとは……


ジャウフレ(大親友……英雄と……神の愛し子で英雄と親友、そして記憶持ち……この王子とんでもねぇな)

「あ、ええと、記憶持ちは過去3人ほど居たと思います。記憶持ちは、いきなり人格が変わり、奇行に走るんだそうです」


ニコラス「確か、傲慢だった貴族が「前世の記憶が……」と言い出し、大人しくなったと。そして自ら平民になってワインの製造者となって大成功したんです」


ダッチョ「不摂生のし過ぎで巨漢になった令嬢が、「前世の記憶が……」と言い出し、ダンジョンに篭って痩せて、自ら美容品の開発をして大成功を収めたって聞きましたね」


ジャウフレ「あとは、帝国の前々皇帝が記憶持ちでした。幼少期に「前世の記憶が……」と突然統治者の能力が開花して、理想郷を造り上げましたね。夜になっても明るい帝国は他の国の憧れになってます」


なるほど。それで『記憶持ち』と呼ばれているんだな。突然の能力開花で、世界に様々な影響を与えた人達だからこその反応だったわけだ。


俺にも、何かを成し遂げる能力が備わってると思ってるんだな。まあその通りだよ。理想郷を造った皇帝には絶対敵わないと思うけど、他の2人よりは能力は上だと思う。


なんたって、神様に技術革新を頼まれてるし、それを行うに必要な能力を授かったからな。

あまり表立って動きたくないけど、どうやって何を広めるか一度は考えたんだよね、でも今はやめようと思ってる。


と、そこまで説明したら、3人共に「「いやいやいや」」と全力否定されました。


ジャウフレ「神からの願いですよね!?やめちゃダメですって!手伝いますから!」


ニコラス「そうです!やりましょう技術革新!帝国より更に発展した国造りしましょうよ!」


ダッチョ「あれですか?目立ちたくないのは、厄介事に巻き込まれる可能性があるからですか?」


「そう!まさにその“”厄介事“”を仕向けてきそうな“”厄介者“”がいるからね。この国では動きたくないんだよね。だからさ、洗礼の時に島を一つ貰おうと思ってんの」


ジャウフレ「ああ……いますね“”厄介者“”城に2人ほど」


ニコラス「貴族にもいますね下劣な“”厄介者“”」


ダッチョ「この国じゃなくて島を貰うって、誰にですか?それに、島を貰って何を?まさか…自分の国造るとか…」


ふふふ。やっぱり気になっちゃう感じ?


「“”誰に“”は、神様だね。くれるか分かんないけど、洗礼の時に頼もうと思って。で、自分で住みやすい国を造ろうかなって。王政撤廃して、みんな平等の自由都市をね」


ジャウフレ「王政撤廃……みんな平等……」


ニコラス「神の子の造る自由都市……神聖国か……」


ダッチョ「やりましょう!造りましょう!自由都市、神聖国!」


“”自由都市、神聖国“”大層な名前がついた新しい国は、ただの理想で終わるのか、建国し実現するのか……


今はまだ夢の話し……

主人公は、辛い物好きなので、作ったルーを辛口にしたけど、子供舌には早かったですね。


騎士の忠誠の誓い。実際に見た事はないけど、カッコイイんだろうなと思います。


この忠誠は、王子に対してなのか、料理に対してなのか....



※アルファポリスでも同作品を投稿してます。そちらには挿絵投稿もしてます。

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